最高裁の判決は、ワシントン州における出生地主義(出生による市民権)にとって何を意味するのか?
合衆国憲法では修正第14条で「アメリカで生まれたすべての子どもに市民権を認める」と定めていますが、今月27日に米連邦最高裁は、トランプ氏の大統領令が憲法に適合しているかどうかには踏み込まず、「連邦裁判所が大統領や行政府の政策に対して「全国的差し止め命令(nationwide injunction)」を出すことを原則として認めないという重要な判断を下しました。
シアトル・タイムズは6月27日付の “What does Supreme Court ruling mean for birthright citizenship in WA?”(「最高裁の判決は、ワシントン州における出生地主義(出生による市民権)にとって何を意味するのか?」)という見出しの記事で、「今日から30日後、ワシントン州で生まれたすべての子どもは引き続きアメリカ市民権を付与されるが、今後の裁判所の判断がない限り、隣のアイダホ州で生まれた一部の子どもはそうならない可能性がある」と解説しています。
これは、「現時点では、トランプ氏の大統領令は、差し止めを求めて訴訟を起こさなかった28州(アイダホ州を含む)において、30日後に施行される可能性があること」を意味していますが、最終的にこの大統領令が全米で施行されないままになる可能性も残されています。その理由は、下級裁判所の判事が「訴訟を起こした州に完全な救済を与えるには全国的な差し止めが必要」と判断すれば、そのような命令が再び出される余地があるため。また、別の方法としては集団訴訟を通じて全国的な差し止めを求める方法もあるとのことです。
米連邦最高裁、「連邦裁判所による大統領令・連邦政策の全国的差し止め命令は原則として認められない」
2025年6月27日、米連邦最高裁は、連邦裁判所が大統領や行政府の政策に対して「全国的差し止め命令(nationwide injunction)」を出すことを原則として認めないという重要な判断を下しました。トランプ政権の大統領令は「非正規滞在者や外国人旅行者などの子どもに対し、合衆国憲法修正第14条が保障する市民権を適用しない」とするもので、これに対してワシントン州をはじめとする複数の州が違憲として訴訟を起こしました。2025年1月、シアトルの連邦地裁はこの大統領令の施行を全米で差し止める命令を出し、他州の裁判所もこれに追随していました。しかし、6月27日、最高裁は6対3の保守派多数による判断で、「全国的差し止め命令は、議会が連邦裁判所に与えた権限を超えている」として、下級審の命令の効力を原告に限定するよう指示しました。AP通信などによると、この判断は、出生市民権の是非そのものには踏み込まず、あくまで裁判所の権限の範囲を問題としたものです。しかし、今後は同様の大統領令に対し、ある州で差し止めが認められても他の州では効力を持つ可能性があり、政策の地域差や法の一貫性に混乱を生む懸念が指摘されています。
WNBA 女子バスケのレジェンド、スー・バードの銅像設置へ

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WNBAシアトル・ストームの伝説的選手スー・バードの銅像が、今年8月17日にクライメット・プレッジ・アリーナ西側の広場に設置されることが発表されました。この場所には、シアトル・スーパーソニックスを1979年のNBAチャンピオンに導き、殿堂入りも果たしたレニー・ウィルキンズの像もあります(6月28日に公開)。シアトル・タイムズによると、バードの銅像は、マイケル・ジョーダンやコービー・ブライアントの像も手がけた彫刻家ジュリー・アムラニー氏によって制作されます。
スー・バードは、シアトル・ストーム一筋で21年間プレーし、WNBA優勝4回、オールスター選出13回を誇る名ポイントガード。通算アシスト数はWNBA歴代1位で、アメリカ代表としてもオリンピック金メダル5回、FIBA女子ワールドカップ優勝4回という輝かしい実績を残しました。2023年には背番号10番が永久欠番としてアリーナに掲げられています。

シアトル・マリナーズのカル・ラレー捕手、ホームランダービー出場を発表
シアトル・マリナーズの捕手のカル・ラレーは24日のミネソタ・ツインズ戦で今季32本目のホームランを放ち、オールスター前の捕手によるホームラン数としてはMLB史上最多という記録を打ち立てました。これまでの記録は、1970年にジョニー・ベンチが記録した28本でした。また、ラレーは現時点でMLB全体の本塁打数で首位に立っています。
そして26日、ラレーは自身のインスタグラムで、7月15日にアトランタで開催されるオールスターゲームの前日にホームラン・ダービーに出場することを発表。MLBも注目し、公式X(旧Twitter)で「BIG DUMPER IN THE DERBY(ビッグ・ダンパー、ダービー参戦)」と投稿しました。ラレーは、オールスターゲームのファン投票フェーズ1でア・リーグ捕手部門の最多得票を獲得し、フェーズ2に進出しています。MLB.com によると、ホームランダービーでは父親のトッド・ラレー氏が投球することも発表され、弟で15歳のトッド・ジュニアが捕手を務める可能性もあるそうです。
デルタ航空、シアトルからヨーロッパ2都市への直行便と新ラウンジを発表
デルタ航空は24日、シアトル・タコマ国際空港(SEA)からヨーロッパの人気都市ローマとバルセロナへの直行便を2026年5月に新たに就航すると発表しました。ローマ便は週4便(5月6日開始)、バルセロナ便は週3便(5月7日開始)で、いずれも10月までの季節運航です。機材は最新のエアバスA330-900neoで、デルタ・ワンやデルタ・プレミアムセレクトなど上級キャビンの快適さが注目されています。

マウント・ベーカーの人気絶景スポット「アーティスト・ポイント」、6月27日に再オープンへ
州道542号(マウント・ベーカー・ハイウェイ)の終点にあたる最後の2.7マイル(約4.3km)、通称「アーティスト・ポイント」への道路が、2025年6月27日(木)に再オープンします。冬季は大雪のため毎年通行止めとなりますが、夏の訪れとともにアクセスが可能となり、訪れる人々に壮大な景色を再び届けてくれます。

シアトル市議会、公共スペースにデジタルキオスク設置を承認
シアトル市議会は6対2の賛成多数で、最大80台のデジタル広告・サービスキオスクの設置を承認しました。設置を主導するのはダウンタウン・シアトル協会(DSA)などの地域ビジネス団体で、広告収益を活用し、清掃や安全対策などの公共サービスに還元する計画です。キオスクは高さ約2.4メートルで、広告表示に加え、無料Wi-Fiや交通案内、防災情報、多言語表示といった機能も搭載されます。第1段階ではダウンタウンに30台が設置され、2026年のFIFAワールドカップ開催前までの稼働が目標です。第2段階ではボールラードやUディストリクトなど他エリアにも拡大予定。一方で、シアトル・デザイン委員会などからは景観への影響や広告の氾濫、監視の懸念といった反対意見も出ています。市議会が民間企業に公道の使用を正式に認めるのは2014年以来となります。
シアトル都市圏の住宅中央価格が前年比で1.3%下落 76万5,000ドルに
2025年5月時点で、シアトル都市圏(キング郡、ピアス郡、スノホミッシュ郡)の住宅市場では、中央価格が前年比で1.3%下落し76万5,000ドルとなり、約2年ぶりに年間ベースでの価格下落が確認されました。Business Journal や Axios などによると、特にタウンハウスが4.9%の下落と大きく、一戸建ては1.2%減少。一方、コンドミニアムは2%の上昇という傾向が見られます。また、キング郡の売り出し中の物件数は前年比で約58%増加しており、買い手にとって選択肢が広がっています。とはいえ、シアトル市内の平均売却価格は約103万ドル前後と依然として高く、大幅な価格崩壊ではなく、市場の再調整段階といえます。買い手にとっては慎重に動く好機ですが、良質な物件は依然として短期間で売却されている状況です。
クローガー、今後18ヶ月の間に全米で約60店舗を閉鎖する計画
オレゴン州やワシントン州、アラスカ州に展開しているスーパーマーケットチェーンの Fred Meyer(フレッド・マイヤー)やQFCの親会社 Kroger(クローガー)が、今後18ヶ月の間に全米で約60店舗を閉鎖すると発表しました。USA Today などによると、オハイオ州シンシナティに本社を置く同社は、全米35州で2,700以上の店舗を展開しており、オレゴン州とワシントン州にはQFCが59店舗、太平洋岸北西部およびアラスカにはFred Meyerが132店舗あります。なお、今回の閉鎖対象となる店舗リストは公開されていません。2022年、同社は競合する Albertsons(アルバートソンズ)やSafeway(セーフウェイ)の買収を試みましたが、失敗に終わりました。
FIFAクラブW杯 シアトル・サウンダーズ、グループステージ敗退決定
シアトル・サウンダーズは23日、本拠地ルーメン・フィールドでパリ・サンジェルマン(フランス)に2-0で敗れ、グループステージ敗退が決定しました。 パリ・サンジェルマン(PSG)は決勝トーナメント進出確定。グループステージの詳細は、FIFA 公式サイトで確認できます。

シアトル・マリナーズのカル・ラレー捕手、今季32本目の本塁打
シアトル・マリナーズの捕手カル・ラレーが23日のミネソタ・ツインズ戦で今季32本目の本塁打を放ち、新たな記録をつくりました。メジャーリーグベースボール(MLB)は23日、ラレーが6月16日から22日のアメリカン・リーグ週間最優秀選手(ALプレーヤー・オブ・ザ・ウィーク)に選出されたと発表しました。ラレーは6月初旬にもAL週間共同最優秀選手に選ばれており、今季2度目の受賞となります。