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アメリカの花火事情 ワシントン州でも毎年たくさんの事故が発生

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夏の風物詩と言えば、花火を思い浮かべる人が多いはず。花火は英語で “fireworks” と言います。

アメリカでは、花火の販売や使用が州や地域によって厳しく規制されています。ワシントン州もその一つで、過去数年の間に、州内で最も人口の多い郡で花火に関する法律がさらに変更されました。これには、毎年、花火が原因の大けがや死亡事故、火災が後を経たないことが理由に挙げられます。この記事では、花火に関する法律、楽しみ方、注意すること、周囲への配慮について解説します。

もくじ

ワシントン州の花火事情

販売が許可されている期間

ワシントン州の法律により、花火の販売は2024年6月28日(金)午前9時に開始され、独立記念日の翌日の7月5日(金)に終了します。

花火が買える場所

ワシントン州では、一般向けの花火の販売を州法で規制しています。ブラウザで “fireworks store near me” などと検索すると、最寄りの販売所が見つかります。

合法な花火と違法な花火

花火にもいろいろな種類がありますが、ワシントン州では合法でないものもあります。合法でないものを購入・所持・使用しないよう、ワシントン州警備隊の公式サイトで確認してください

ただし、ワシントン州の法律で違法(illegal)とされる花火も、ネイティブ・アメリカンの居留地では購入・所持・使用が許可されています。

花火が許可されている地域

花火をしても良いかどうかは、市や郡によって異なります。国立公園、ワシントン州の管理下にある州立公園やビーチなどでも、花火は禁止されています。

キング郡

キング郡の Unincorporated area(非法人地域)、全ての市、郡、州の公園、ほとんどの市域内では花火が禁止されています。ただし、以下の場所では例外があります:

  • オーバーンおよびパシフィック:7月4日 午前9時から午後11時まで
  • ノルマンディ・パーク:7月3日 午後6時から午後11時まで、7月4日 午後4時から午後11時まで
  • ノースベンド:7月4日 午前9時から深夜0時まで(今年は ground fireworks、smoke devices、sparklersのみ可)
  • スノコルミー:7月4日 午前9時から深夜0時まで

2024年5月、住民への安全リスク、緊急サービスへの負担、騒音公害などの理由により、マーサー・アイランドでの花火の販売および使用が永久に禁止されることが発表されました。

スノホミッシュ郡

スノホミッシュ郡のUnincorporated area(非法人地域)の承認された地域および以下の都市では花火が許可されています:

  • グラナイト・フォールズ:7月4日 午前9時から深夜0時まで
  • レイク・スティーブンス:7月4日 午前9時から深夜0時まで
  • モンロー:7月4日 午前9時から深夜0時まで

スタンウッド、ダーリントン、スルタンでは、花火は6月28日正午から許可されています。使用可能時間は、6月29日から7月3日まで午前1時から午後11時、7月4日は深夜0時まで、7月5日は午前9時から午後11時までです。

その他の全ての市、郡、州の公園では、花火は禁止されています。

詳細はスノホミッシュ郡の地図でご覧ください。

ピアス郡

ピアス郡のUnincorporated area(非法人地域)では、7月4日のみ花火が許可されています。

また、一部の都市では花火の使用日と時間が決まっています。

その他の全ての市、郡、州の公園およびほとんどの市域内では花火が禁止されていますが、例外があります。詳細はピアス郡の公式サイトでご確認ください。

花火をする時に注意すること

前述のように花火ができる場所も日時も限られていますが、合法的に花火をする時は注意が必要です。「花火の音のおかげで、赤ちゃんが泣き止まなくて困った」「狭い裏庭で打ち上げ花火をして、花火が隣家の屋根や庭に飛び、火災になった」「住宅街で打ち上げ花火をして、落ちてきた花火の破片でケガをした」といったこともあります。また、シアトルの夏は日が長く、独立記念日のあたりは午後9時を過ぎないと暗くなりません。そうすると、花火をする時間が午後9時以降となり、睡眠妨害にもなりかねません。

  • 合法的な花火(legal fireworks)のみ購入し、違法な花火(illegal fireworks)は購入しない。
  • 花火に火をつけるときは、近くに容器に入れた水を用意する。
  • ペットは室内に入れる。
  • 花火には大人が点火すること。子どもには点火させない。
  • 手持ちの花火に火をつけたり、室内で使用したりしない。
  • 一度に点火する花火は一つのみにする。
  • 花火を楽しんだ後は、花火の破片やゴミ、灰を片付け、使用済みの花火は水に浸す。
  • マッチやライターは子供の手の届かないところに置いておく。
  • 騒音や臭い、幼い子供や動物は花火の音を怖がる場合もある。
  • 灰、煙、火薬の臭いは、人によっては喘息の発作の原因にもなりえる。
  • 花火で事故や火事が発生したら、911に通報する。

花火が原因の事故の統計

アメリカ合衆国消費者製品安全委員会(CPSC)が2024年6月に発表した『2023年 花火年次報告書』(2023年における花火関連の死亡、緊急治療室での治療を要した負傷、および取り締まり)を簡単にまとめました。

  • 2023年に職業と無関係の花火に関係する死亡件数は8件。
  • 花火に関連するケガによる米国の病院での救急治療件数は推定9700件。
  • 負傷者の人種別では、白人(推定傷害5700件)、黒人(推定傷害1000件)、「その他」の人種(推定傷害700件)。被害者の人種が不明な花火関連傷害は2300件。
  • 人口に占める民族別では、ヒスパニックは推定総傷害700件、非ヒスパニックは推定傷害6600件。被害者の民族性が不明な推定花火関連傷害は2400件。
  • 2023年6月16日から2023年7月16日までの1ヶ月間の特別調査期間中に米国の病院救急科で治療された花火関連傷害は推定6400件(2023年の推定花火関連傷害の66%)。67%は男性、33%は女性。
  • 最も多いのは25歳〜44歳、15歳未満で、それぞれ全体の31%を占めている。65歳以上の高齢者はわずか5%。
  • 救急で治療を受けた年齢は15歳から19歳が最も高く、5歳から9歳は2番目に多い。
  • 救急で治療された負傷は、爆竹(firecrackers)によるものは800件、スパークラー(sparklers)よるものは700件。
  • 最も怪我が多い部位は手と指(推定35%)、次いで頭、顔、耳(推定22%)、目(推定19%)、胴体/その他の部位(推定11%)、脚(推定8%)、腕(推定5%)。
  • 救急科で治療された傷害の推定42%は火傷。火傷は手と指、頭、顔、耳、腕、脚の部位で最も一般的。
  • 被害者の約74%は救急で治療を受けて退院しました。推定18%の患者は入院するか、他の病院に移送。

ワシントン州警備隊によると、2022年にワシントン州で消防機関や病院から州消防局に報告された花火関連の火災や負傷は508件。2021年の912件から減少しましたが、火災は310件、負傷者は198人にもなりました。

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