アメリカで新生活を始める際、多くの人が直面するのが賃貸アパート(apartment)や賃貸コンドミニアム(日本でいう「マンション」)探しと契約です。この記事では、シアトル市の公式情報「Renting in Seattle(アパートを借りたい人のための情報)」をもとに、シアトルでアパートを借りる際に必要な準備、賃貸契約時の注意点、入居までのステップ、テナントの権利などを整理しました。学生や信用歴のない新規移住者にとって特に重要な情報も含めています。
アパートを探して入居するまでのステップ
シアトルの賃貸アパートの中央値は 月額 $2,182(2025年7月時点、Zillow)。前年より$84上昇。
一般的に「家賃は収入の30%以内」が目安。水道光熱費やネット代も加えて計算を。
自分で探す:Zillow、Apartments.com、PadMapper、Rentcafe などの大手サイトで見て申し込む。
エージェントに依頼:地元の不動産業者が条件に合う物件を厳選し、内見や契約をサポート。
補足:Seattle Department of Construction & Inspections でアパート管理会社や大家への苦情履歴を確認可能。信頼性チェックに有効。


シアトル市は引越しの際に入居者が支払う必要のある費用(move-in cost)を条例で規制しています。
- 返金対象:Security Deposit(敷金)
- 返金不可:申込手数料・清掃費(上限=家賃の10%以内)
- 合計上限:入居費用(move-in cost)(敷金+手数料)は 1ヶ月分の家賃以内
- 分割払い可能:契約期間が長い場合、最大6ヶ月分割で支払い可
注意点:
• 下水道接続費(Sewage capacity charge)など、日本にない費用がないか確認
• 家賃に光熱費やごみ回収費などの公共料金は含まれているのか確認
• 賃貸保険(Renters Insurance)への加入が義務または推奨されるので確認
家主は入居調査(Screening:スクリーニング)を行い、結果は申込者に開示される義務があります。事前に以下を準備しておくとスムーズ。
- 現住所・前住所
- 雇用証明書、給与明細
- 銀行残高証明
- 入居者全員の氏名・生年月日
- 自家用車の情報
- リファレンス(勤務先・前の家主などからの推薦状)
家主ははすべての入居申込者に同じ質問をし、平等に対応することが義務付けられています。平等に対応されなかったと感じた場合は、Renting in Seattle のヘルプラインに報告できます:((206) 684-5700)。
契約時に入居チェックリスト(move-in checklist)を受け取る義務あり。これがない場合、家主はデポジットを請求できない。
初月家賃+保証金を期限内に支払い。可能なら自動引き落とし設定で安心。
引越し前後に:荷物搬入、インターネット開設、郵便転送、公共料金の設定。
入居後:チェックリストと照らし合わせて設備や内装を確認。証拠写真を残すと退去時のトラブル防止に有効。
学生・新規移住者のための工夫
学生で収入がない場合や、新規に移住してきてアメリカで信用歴がない場合など、収入やクレジットスコア(信用スコア)が不十分でも契約できる方法があります。
- 銀行残高証明を提示:十分な資金があることを示す。
- 保証人を立てる:米国内の保証人が家賃支払いを保証。
- 数か月分の家賃を前払い:初期費用をまとめて支払うことで安心感を与える。
- 特別契約の利用:一部の物件では学生向けの柔軟な契約制度あり。
必要な書類例
賃貸契約には、家賃を支払えることや身元を証明するための書類が求められます。主な書類は次の通りです。
- 身分証明書(ID)
- パスポート、学生証、またはアメリカの州ID/運転免許証
- 在学証明書(Enrollment Verification)
- 留学生の場合はI-20、または学校からの在籍証明
- 銀行の残高証明書(Bank Statement)
- 家賃を支払う十分な資金があることを示す書類
- 保証人関連書類(必要な場合)
- 保証人のIDや収入証明、賃貸同意書など
- 家賃前払いの証明(必要な場合)
- 先払いした場合の領収書や振込記録
まとめ
シアトルでの新生活を始める人にとって、賃貸物件探しは最初の大きなステップです。収入がない場合でも、銀行の残高証明や保証人、前払い家賃などを活用すれば契約を進めることが可能です。この記事が安心して新生活をスタートする参考になれば幸いです。

