SAT と ACT とは、アメリカの大学受験における2大共通テストです。
テスト自体が2種類あること、どちらを選ぶかは個人にまかされていること、テスト開催回数が多いこと、主催する College Board と ACT という NPO 団体が無料の受験準備コースを提供していること、科目数が少ないことなどが、日本の大学入学共通テストとの大きな違いです。
SAT
College Board 主催
科目は数学と英語
satsuite.collegeboard.org/sat
ACT
ACT 主催
科目は数学、英語、理科
www.act.org/content/act/en.htm
2018年からの大きな変化
アメリカでは「大学受験生は、これら二つの共通テストのうち、少なくともどちらか一つは受験するのが当たり前」という時代が長く続いていましたが、2018年夏にカルフォルニア州の UC Schools が出願要件からテストスコアを除外すると発表し、大きな注目を浴びました。
その後、パンデミックによりテスト自体が実施不可能な環境になったことから、ほとんどの大学が暫定的にテストスコアの提出を任意とする Test Optional を採用しました。
さらに、2020年になって、ワシントン大学が出願要件から共通テストを除外することを決定したため、ワシントン州の大学受験の環境は激変しました。
また、2022年10月から GAP プログラムが始まったこともあり、実質、ワシントン州内の州立大学を目指す生徒にとって、SAT/ACT は不要なものとなりました。
大学でスポーツを続ける場合
DI(Division I)、DII(Divisin II)に属する大学でスポーツを続ける場合、大学の出願要件とは別に、NCAA(National Collegiate Athletic Association:全米大学体育協会)の Eligibility Center が定める手続きに従った受験準備(選手登録)が必要です。
これまで、この選手登録には SAT または ACT の受験が必須(パンデミックの最中は、2023年秋入学まで一時免除)とされていましたが、2023年1月に開催された会議において、今後は SAT または ACT を選手登録の要件から外すことが正式に決定されました。
これにより、2024年秋以降の入学を希望する選手は、NCAA の選手登録のために SAT または ACT を受験する必要はなくなりましたが、大学側が SAT または ACT のスコアの提出を求めることはありえます。従って、入学を希望する大学の要件を確認することが必要です。
この変更に関しては、NCAA の公式サイトで確認できます。
NCAA Eligibility Center の公式サイトはこちら。
日本の帰国子女枠・秋入学枠
日本の帰国子女枠や秋入学枠では、SAT/ACT のいずれか、またはSATを必須としている大学もあることに留意が必要です