例年2～3月になると、ブラックマウス・サーモン（Blackmouth Salmon/Winter King Salmon）を釣りに行くのだが、今年はローカルの釣りが早々と禁漁になってしまったので、ちょっと遠いが、オリンピック半島北部の Sekiu まで泊りがけで出張してきた。
ブラックマウスは夏のキングに比べると、平均4～5ポンド（1.8～2.3kg）と小型の若魚で、言ってみればブリの若魚のイナダのような魚。脂がたっぷり乗った成魚のキングとは全く違う味で、一度冷凍してから刺身で食べるとなんともいえない独特の美味しさがある。
お店では売られていない珍しい魚なので、これは釣り師だけが味わえる特権だ。
さて、天気は快晴。
風もなく海はベタ凪で、絶好の釣り日和。夏のキングは早朝は表層で釣るが、ブラックマウスは120フィート（約37m）ぐらいの底ギリギリまで仕掛けを下ろしてトローリングする。ダウンリガーの重りを底に引っ掛けないように、海底からの距離を5-10（1.5～3m）以下に保ってトローリングしないと魚が食わないので、結構神経を使う。目は常に魚探に釘付けだ。
しかし、アタリは一向になく、1時間経過。
2時間経過。
ああっ、そこで竿がパンと跳ね上がって、やっと一匹目が！グイグイといい引きで、おおこれは間違いなくキーパーサイズ、と心躍り、やっとネットインしてチェックすると、ああ、脂ヒレがある！
規定により、ワイルド・サーモンはリリースしなくてはならない。
気を取り直して、さらに待つこと1時間、ようやく2匹目がかかり、おお、これはさっきよりデカいとヌカ喜びしていると、ハリを振り切って途中でバラシ。後で掛かったもう一匹もネット直前まで寄せられたものの、土壇場でバラシ。ガックリと落ち込んでいるところに、ようやく4匹目が掛かって、これはなんとかネット・イン。ハッチェリー・フィッシュなので、キーパーだ。
やれやれ、6時間の苦行からようやく解放された。ビールで乾杯して、この日はこれで帰港。
海辺のロッジで夜明かしして、二日目。今日も昨日以上に天気は良く、快適な釣り条件である。今回は釣り始めて30分でいきなりヒット。かなり元気に走り回ったが、バラスこともなく、無事ネットイン。その直後にまた一匹。昨日とは裏腹に朝8時にはもう2匹を釣った。
でもその後は状況が暗転。
掛かった3匹目はガンガン猛烈に暴れまわって、その引きが竿に伝わってきたが、途中でアレっ、抵抗が、と思ったらやはりバレてしまった。そこからサッパリとアタリがなくなり、昼過ぎまで竿は無言。
今日はもうこれまでかとあきらめかけていると、左側の竿がバーンと跳ね上がりフィッシュ・オン！
と、ほぼ同時に右の竿もはじけてダブル・ヒットである。キングのダブルはこれが初めて。興奮度最高潮で、懸命に格闘したが、一匹は途中でドロン。もう一匹は何とか釣り上げて、フィンも無い、キーパーかと思いきや、長さが既定の22インチ（55.88cm）に1cmほど足らない。泣く泣くリリース。
でも、キングサーモン合計3匹の釣果は十分なので、これで納竿とした。
全体としてはかなりアクションはあったほうで、合計10匹ほどがハリ掛かりし、バラシが5匹、リリースが2匹、キープが3匹、という集計結果となった。
ワシントン州で魚釣りや潮干狩りをするには、ライセンスを購入する必要があります。また、量・数には制限があります。ワシントン州魚類野生動物管理局（WDFW）の公式サイトでライセンスを購入し、規則を読んでから出かけましょう。
