シアトル市内のサウス・レイク・ユニオン地域は、いまやアマゾンの城下町。
かつてのさびれた倉庫街はほぼ跡形もなく、デベロッパー主導の大規模な再開発プロジェクトでこぎれいになっています。本社キャンパスにはなんと30のビルがあり、勤務している社員の数は約2万人。ちなみに、世界各地にあるアマゾンの社員数は約27万人だそうです。
そんなアマゾンが「本社ツアーを始める」と発表があったのは、7月6日。早速申し込んでみました!
日時を選んで、あれこれ書き込んで送信すると、すぐに「申し込みを受付ました」とのメールが。
GeekWire は「秘密主義の傾向があり、本拠地であるシアトルのコミュニティとの結びつきが弱いと批判もされてきた」「今回の本社ツアー開始には、そうした批判を払拭する効果もありそうだ」と解説。いったいどんなツアーなの?ドキドキです。
さて、前日。ちゃんとメールでリマインダが来ました。「あなたは VIP です。駐車場にはあなたのための駐車スポットをご用意してあります」とのこと。VIP 待遇、いいですねー。
サウス・レイク・ユニオンにはすんなり到着しましたが、Google Map が右折禁止のところを「右折しろ」なんて言ったりして、再開発のスピードが速すぎて追いついてない? なので、駐車場にたどりつくのにちょっと苦労しましたが、"We are here for Amazon Headquarter Tour." と駐車係の方に言うと、"OK! You can park here!" と。
で、駐車スポットには、こんな表示が。おかげさまで、さくっと駐車できました。
ツアーに持ち込めるのは、鍵・財布・携帯のみ。かばんを持ち込めないので、貴重品をポケットに入れて行きます。写真は撮影できますが、ビデオは撮影できません。双眼鏡も不可。それなら自撮り棒(selfie stick)はダメかなーと思って、持って行きませんでした。持って行きたい人は、参加する前に聞いてみてください。
集合場所は 『DAY 1 NORTH』 と呼ばれる建物。どこも新しくてキレイです。
ちょうどお昼時だったので、テラスなどでは社員さんたちが食事中。キャンパスのあちこちにはフードトラックが並んでいて、繁盛していました。
アマゾンでは犬の同伴出勤が許可されているのは有名な話ですよね。今回の写真には写ってないのですが、やはり噂どおり、犬が多い!会社に犬を同伴するには事前登録が必要だそうで、現在登録されている犬の数は約2,000匹!「猫と子供は?」と聞いてみたところ、「猫はだめ。子供は・・・赤ちゃんを連れてきている同僚はいましたけど、基本的にだめですね」とのことでした。
集合場所のビルの受付。いざ中に入ると、こんな感じです。
受付の方が "Welcome!"
笑顔が素敵。
身分証明書を渡すと、首からさげるバッジを作ってくれます。
そのバッジがこれ。
ツアー中はこれをビルの入口の機械にかざして、入ります。
ツアー参加者は私たちを入れて6人でした。引率してくれるアリソンさんが自己紹介し、参加者もそれぞれ自己紹介。「どこから来たの?」「アマゾンで最初に買ったものは何?」「最近アマゾンのプライム・デーで買ったものは何?」
こんな簡単な質問でもなんだか盛り上がりますね。私は「最近、アマゾンでソックスを買ったんだけど、これがすごくいいソックスで!」と話したところ、なんだか受けてました。
ツアーが始まる前にトイレへ。アマゾン・ロッカーがここにもあるんですね。
なぜこのビルが 『DAY 1 NORTH』 かというと、「アマゾンでは毎日が始まり!」というジェフ・ベゾス CEO の言葉があるんですね。
ツアーの最初は、「アマゾンはコミュニティに貢献しているんです」という PR(GeekWire の読みが当たってますね)。その一環が、DAY 1 NORTH の前のプラザ(Van Vorst Plaza)にある「コミュニティ・バナナ・スタンド」という、バナナを無料で配っている屋台。
長時間労働には、ヘルシーなバナナが効果大?!でも、アマゾン社員でなくても、誰でももらえます。
さて、バナナをゲットしたら、移動です。「このツアーでは歩きますので、歩きやすい靴をはいてきてください」と事前に送られてきたメールにもありましたが、ほんとそのとおりですよ。
『VAN VORST』 という建物内に飾られている、アマゾンがこれまでに成し遂げてきたプロジェクトの数々。関わった人たちの署名入りの紙などが額に入っています。
わー、懐かしい!昔はこんなインタフェースでしたよね。あれは「ダブル・タブ」と言うのか~と、初めて知りました。
「アマゾンでは、失敗を隠そうとしていません。失敗も歴史のひとコマだからです」とのこと。その一つが、「アマゾン・オークション」。
警備員さんの座る椅子の後ろにあるこの骨格標本(何の?)は、全然はやらなかったこのオークション機能で競り落とされたものだそうです。
Kindle のビル『FIONA』にも行きましたよ。
1階には9世代の Kindle が展示してあります。歴史を感じますね~。
Kindle のビルは2011年に LEED(Leadership in Energy and Environmental Design という建物のサステナビリティ基準)のゴールド認定を受けています。
「環境を考えています!」と PR された次に訪れたのは・・・
なんだか森の中にいるような雰囲気のビル『NESSIE』。ここでは雨水をためて、草木に水をやっているそうです。
その屋上のシステムはこんな感じ。
詳しい説明はありませんでしたが、なんだかいいなというイメージアップにつながりますね。
向こうに見えるのはレイク・ユニオンと MOHAI(歴史産業博物館)。この屋上ではミーティングや食事ができるようになってます。
卓球台も!
『BRAZIL』という建物は、フロアごとに特定の国のデザインが施されています。たまたまエレベーターのドアが開いた5階は日本で、壁には1万円札の福沢諭吉がドーン!思わず「福沢諭吉!」と、指差して叫んでしまいました。私たちが降りたフロアはイギリスだったような気がしますが、はっきりした記憶がありません。福沢諭吉のインパクトが強すぎました。
こちらはブックレビューをしている方々のフロア。
出版社から送られてくる大量の本がこの本棚に置かれていて、社員なら誰でももらえるようになっています。このツアーでも「どれでも1冊どうぞ」とのことでしたが、数分しかなくて決断できず(涙)。
スペースニードルもどーんと見えて、シアトルの最高の季節。くつろぎたい・・・
「購入したモーテルをホームレスの家族の住居に提供している」という、ニュースにもなった社会貢献についても説明がありました。
そして、最後に見せてもらったのが、アマゾンの配送センターで使われているロボットのデモ。
ロボット君がいる小部屋の壁には、アマゾンのスローガンとなっているベゾス CEO の言葉が。
"WORK HARD. HAVE FUN. MAKE HISTORY."
すいすいすいーっと目の前で黄色のバケツを上手につかんで出し入れしています。賢いですね。本来はこの3倍のスピードだそうですが、この狭い空間ではスピードを落としているとのこと。
で、自分が選んだバケツをロボット君に取ってきてもらう作業を体験させてもらえるとのこと。参加者の男性がトライしてみると、数秒でこちらまで運んできてくれました。中に入っていたのはこれ。
メモパッドに定規、ペン。参加者全員が一つずつもらうことができました(私的にはあまり使わないなーという感じでしたが、子供が「ほしい!」と喜んでくれました)。
私もやらせてもらったところ、このケーブルセットが当たりました!これは重宝しそう。
「想定外のお土産が!」って、いいですよね~。
最後に、「アマゾンのおかげで人生が変わった!」という人たちの話を集めた『Transformations: Stories from Authors, Innovators, and Small Businesses Thriving on Amazon』という本もいただきました。
日本人の方々も載ってるんですね。後でゆっくり読んでみます。
さて、いかがでしたか?オフィス内の撮影は許されませんでしたが、ツアーの途中に垣間見えたオフィスの様子も面白かったです。個室ではなく、パーティションで区切られているようで、中にはかなり散らかっているオフィスもあってリアルでした。
ツアーに参加したい場合は、こちらで申し込むことができます。なお、「Capacity Full」と表示されている場合は、「満員」という意味です。
更新:2017年9月