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Naramore Fountain
日系2世で、画家・建築家・教師でもあったジョージ・ツタカワの代表作のひとつ

Naramore Fountain

Naramore Fountain

高層ビル街にとけ込んだ 『ナラモア・ファウンテン』 は、彫刻家・画家・建築家・教師だった日系2世のジョージ・ツタカワの代表作の一つだ。東洋とも西洋ともつかない垂直に切り立ったデザインは、ツタカワの噴水の特徴で、黒い七重の皿をつたって流れ落ちる水の音は、ダウンタウンのけん騒を忘れさせてくれる。

1910年にシアトルで生まれたツタカワは7歳で両親の元を離れ、日本の岡山県で祖父母と17歳まで暮らした経験の持ち主。茶道・華道・書道などを学んだツタカワは芸術家になることを決意し、ワシントン大学では彫刻を専攻したものの、卒業後は父の貿易会社に入社する。第2次世界大戦の勃発で会社が差し押さえられると、ツタカワ自身も4年間徴兵されることになるが、その間にもニューヨークやシカゴのの芸術に触れて感受性の幅を広げ、戦後再び芸術の道を歩み始める。ワシントン大学大学院修了後は同大日本語学科・建築学科、そして芸術学校の教員として勤務し、日本やヒマラヤを訪れ、アジアと西洋の文化が融合した彼独自の作風を打ち出していった。

1958年、シアトル公共図書館の依頼で 『Fountain of Wisdom』(現在も同図書館前に設置されている)という噴水の制作に着手。1本の軸の先端から流れる水が幾重もの皿をつたって滝になる構造は、ツタカワの噴水の基本形になった。

その後、日本・アメリカ・カナダで制作された噴水は30年間で60以上。シアトルのピア41にある 『Joshua Green Fountain』 のほか、宮城県仙台市の 『The Song of the Forest Fountain』 などもツタカワの作品だ。

【所在地】 6th Avenue と Seneca Street の交差点南東角

【作者】 George Tsutakawa

【制作年】 1967年

(掲載:2011年11月)

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