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おすすめのパブリック・アート「ダウンタウン編」

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Seattle City Hall
ノースウェストの景観や歴史、文化を象徴

市長や職員のオフィスと議会場があるほか、さまざまな都市機能を兼ね備えた公共施設の役割も果たす市役所。現在の庁舎は2003年に完成し、2005年に 4th Avenue に面した庁舎前にイベントや公共活動などに利用できるシティ・ホール・プラザが作られた。建物内に取り付けられたアートは全部で6つあり、市役所のために特別に制作されたものばかり。文化遺産や姉妹都市コレクションの作品もあり、パブリック・アートの展示会も定期的に開催している。

■ illumine

illumine

illumine

4th Avenue に面したカフェのテラス席上部につるされた大きなインスタレーション。ガラス越しに外からも見ることができ、市役所のランドマーク的存在となっている。2色のガラスでできた直径24インチのディスク状のモチーフが、11本の鉄線にビーズのように配置され、回転すると光を反射して幻想的な雰囲気を生み出している。市役所のリード・アーティストを務めた地元出身のアーティスト、ベリツ・ブラザーによると、反射光を通して色と光を取り入れ、市民を庁舎に迎え入れる様子をイメージしているという。

■ return

return

return

市役所のロビーでも一際目を引く、壁の一部として組み込まれたインスタレーション。同じくベリツ・ブラザーによる作品で、高さ20インチ、幅36インチのガラスのパネルをを74枚組み合わせている。一つ一つのパネルには、アーティスト自身が撮影したり保存資料の中から選んだりしたというセピア色の写真が挟まれており、現在および過去の風景と個人の視点で見た街の様子からシアトルの景観を再構築している。

■ continuum

continuum

continuum

2階の空中通路を渡った市議会議員オフィスの入口にあるこの作品も、ベリツ・ブラザーが手がけたもの。大小40以上の団体や個人から、市民が写った写真を7千枚以上集め、そのうち5千枚以上を高さ8フィート、幅10フィートの大きなグラスパネルの中に展示している。パネルは青いバックライト付きで、近づくと写真の細かい部分までよく見える仕組み。写真に写っている人々は、古いものは19世紀にまでさかのぼり、写真を通して歴史を感じることができる。

■ Blue Glass Passage

Blue Glass Passage

Blue Glass Passage

市議会議員オフィスの入口の手前にある空中通路は、ニューヨーク出身のアーティスト、ジェームズ・カーペンターの作品。通路の長さは60フィートで、足下には青いガラス・パネルと左右の透明のガラスが使用されているため、宙に浮いているような錯覚を覚える。

■ Evolving Wing and the Gravity of Presence
(進化する羽と存在の重力)

Evolving Wing and the Gravity of Presence

Evolving Wing and the Gravity of Presence

5th Avenue に面する入口付近の壁を全面的に使い、外からも見えるようになっているこの作品は、バンクーバー BC 出身のアーティスト、エリック・ロバートソンによるもの。カヌーで水上を移動していたノースウェストの部族を連想させるパドルや、初期の飛行機の翼に使われていた部品など、ノースウェストを象徴するものが取り入れられている。上部にある飛行機の翼の部品はもともと木製だが、この作品ではアルミニウムで作られており、木工業中心から工業中心へと変遷していったシアトルの産業を表現しているという。中央の3つのオブジェは、飛行機の小型ロケットエンジンにも、カヌーを漕ぐときにかぶっていたという杉皮帽にも似ている。

(掲載:2011年11月)

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