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おでん (漢字名:御田)

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東京都荒川区南千住、大関三根山、何かまったく関係ないように思われるかもしれませんが、筆者にとってこれらは密接な関係があります。

日本の国民食、おでんとは何か。昔からおでんの具の定番と言えば、ツミレ、さまざまな形のさつま揚げ、チクワ、イカ巻き、ハンペン、スジ、コンブ、コンニャク、油揚げの中にシラタキを入れカンピョウで巻いたもの、ダイコン、焼き豆腐、ガンモドキ、チクワブ、ゆで卵です。先週号でご紹介した 『まずいおでん』 さんの屋台を覗いてみると、これらが、ところ狭しと整然と並んでいたのが思いだされます。こういったおでんの素材は魚の練り製品(ツミレ、さつま揚げ、チクワ、イカ巻きハンペンなど)からできています。ツミレはイワシのすり身、さつま揚げおよびチクワはアラスカで漁獲されるスケトウダラを主に原料としたすり身を使用し、また、ハンペンはすり身にやまいもを加え、泡立つようにすり混ぜてから蒸煮したもので、マシュマロのようなふわふわとした食感が特徴です。確か、当時はスジなどの美味しい素材もあり、魚を加工したものと思われますが定かではありません。

さて、冒頭に述べた件ですが、これは筆者の中学時代、昭和35年(1960年)頃の話で、東京足立区にあった家の前隣りは「まずいオデン」とのれんに書いた、大変美味しいと評判のおでんの屋台だったと先週号でお知らせしました。このおでん屋さん夫妻とは不思議な縁があり、東京足立区に引越して来る前は、お互いに隣の区の東京荒川区南千住に住んでいました。南千住は日光街道(国道4号線)と隅田川のぶつかる西方、すなわち上野側を言い、東が足立区の千住方面です。世間でよく千住と言いますが、これは足立区の北千住辺りを言い、荒川区南千住ではありません、念のため。この南千住出身で、押しの一手だけで大関まで登りつめたあんこ型の関取三根山関の生家は八百屋さんでした。おでん屋さん夫妻はその八百屋さんの近くに住んでいて、同関取が勝った日は野菜などが安くなったと言われていました。

掲載:2005年10月

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