アメリカのレストランで「クラシックな朝ごはん(classic American breakfast)」と言えば、卵・ベーコン・パンケーキといった定番メニューが思い浮かびます。シンプルでボリュームのあるもので、カフェやダイナー、ホテルの朝食メニューでもよく見かけます。
この記事では、定番の朝ごはんメニューとともに、卵料理の名前、定番のジャガイモ料理など、知っておきたいポイントも解説します。
定番メニュー:卵料理いろいろ

クラシックなアメリカの朝ごはんで中心となるのは、やはり卵料理です。調理方法のバリエーションが豊富で、注文時に “How would you like your eggs?”(どんな焼き方がいい?)と聞かれます。
よく見かける代表的な卵料理の種類はこちら:
- スクランブルエッグ(Scrambled Eggs):卵をかき混ぜてふわっと炒めた定番スタイル。
- サニーサイドアップ(Sunny Side Up):黄身を上にして焼いた片面焼き。半熟好きにおすすめ。
- オーバーイージー(Over Easy):両面を軽く焼いたタイプ。黄身はとろとろの半熟。
- オーバーミディアム/オーバーハード(Over Medium/Hard):両面焼きで、黄身の固まり具合によって「ミディアム(半熟寄り)」「ハード(完全に固焼き)」を選べます。
メインディッシュとなる卵料理

ポーチドエッグ(Poached Egg):お湯でやさしく加熱した卵。エッグベネディクトに使われることも。
オムレツ(Omelet):具材を包んだ卵焼き。チーズ、ハム、野菜などバリエーションが豊富です。どれも主食としてプレートの中心になり、サイドメニューと組み合わせて提供されることが多いです。
選べるパンの種類:トーストだけじゃない
卵料理や肉料理の横には、シンプルな薄切りパンを焼いたトーストが付くことが多く、パンの種類を選べることが多いです。主なパンの種類はこちら:
- ホワイト(white):白パン
- ホールウィート(Whole Wheat):全粒粉
- ライ(Rye):ライ麦
店によっては、こんなチョイスも
- シナモンブレッド(Cinnamon Bread):シナモンがたっぷり入った甘いパン。これだけでメインディッシュになることも。
- イングリッシュマフィン(English Muffin):表面がサクッとした丸いパン。半分に割ってトーストされ、バターや卵と相性抜群。
- ベーグル(Bagel):もちっとした食感で、クリームチーズを塗って食べるのが定番。サンドイッチに使われることもあります。
- ビスケット(Biscuit):アメリカ南部でよく見られる、ソフトでバター風味の丸いパン。グレービーソースをかけて食べる「ビスケット&グレイビー」は朝の定番料理です。
パンケーキとワッフル、フレンチトースト:甘くてボリューム満点の主役級

パンケーキやワッフルは、サイドメニューとして小さなサイズが提供されることもありますが、それだけで一皿になる立派な朝ご飯としても定番です。特に、卵料理やベーコンと組み合わせた「パンケーキ・ブレックファスト」「チキン&ワッフル」などが人気です。また、甘いフレンチトーストも定番の一つです。
- パンケーキ(Pancakes):丸くてふんわり、やわらかい食感。バターとメープルシロップをかけて食べるのが基本で、ブルーベリーやバナナ、チョコチップなどを生地に加えるバリエーションも豊富。
- ワッフル(Waffles):専用のワッフルメーカーで焼いた格子状の焼き目が特徴。外はカリッ、中はもちもち。くぼみにシロップやバターが染み込みやすく、サクッとした食感が魅力。
- フレンチトースト(French Toast):卵と牛乳にパンを浸して焼く、甘くてやわらかい朝食の定番。アメリカではバターやメープルシロップ、ベリーなどをトッピングして楽しみます。もともとは古くなったパンを再利用する料理として広まり、フランスでは「パン・ペルデュ(Pain Perdu:失われたパン)」と呼ばれています。
サイドメニューでさらにボリュームアップ

アメリカのクラシック朝食に欠かせないのが、ベーコンやソーセージといった肉系のサイド。そして、じゃがいもを使った料理も必ず登場します。

ジャガイモ料理の種類
どちらも朝食によく登場するジャガイモ料理ですが、調理法と食感が異なります。どれも卵料理との相性が抜群です。
- ハッシュブラウン(Hash Browns):じゃがいもを千切りにしてカリッときつね色になるまで焼いたもので、外は香ばしく、中はほくほくの食感が楽しめます。北米のダイナーでは定番メニュー。
- ローストポテト(Roasted Potatoes):じゃがいもを食べやすい大きさに切って焼き、スパイスなどをまぶしたもの。フライパンで焼くものもあれば、オーブンで焼くものもあります。
- ホームフライ(Home Fries):じゃがいもを角切りやスライスにして、玉ねぎやパプリカと一緒に炒めたもの。香ばしくて食べごたえがあります。
軽めに済ませたい人の定番も

Photo by www bechange.in on Unsplash
甘さやボリュームのある朝食が苦手な人には、フルーツやナッツなどを乗せたオートミール(オーツ麦の粥)、ベーグル+クリームチーズ、といった軽めの選択肢も人気です。
飲み物はコーヒーやオレンジジュースが定番

飲み物はコーヒーとオレンジジュースが定番。特にシアトルはコーヒーの街なので、ロースターにこだわる店が多いです。このほか、ミルクやアップルジュースも選ばれます。
食材の傾向と現在の変化

クラシックな朝ごはんは、小麦粉、ポテト、卵、肉、甘味に偏る傾向があります。
日本のように野菜や味噌汁などが中心の朝食と比べると、栄養バランスの観点では単調に感じるかもしれません。
ただし近年では、健康志向や多文化の影響により、アボカドトースト、グリーンスムージー、グリークヨーグルト、チアシードを使ったパフェ、ビーガン対応メニューなども増えてきています。
まとめ
アメリカのクラシックな朝ごはんは、小麦粉、卵、ポテト、肉、そして甘い味付けに偏りがち。野菜や発酵食品は含まれません。
でも、最近では健康志向の高まりや移民文化の影響により、果物、サラダ、アボカドトースト、グリークヨーグルトなどを取り入れたメニューも増えています。
アメリカの朝食文化を知るきっかけとして、クラシックなものも、最近人気のメニューも、ぜひトライしてみてください。