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パンデミックでの経済活動・社交再開、経営者の判断は!?相馬睦子さんとイーサン・ストウェルさんに聞いてみました。

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ワシントン州は今、独自の経済活動・社交再開計画の「フェーズ2」で、レストランの屋内での飲食サービスが稼働率25%まで可となっています。

でも、すべてのレストランが屋内での飲食サービスを再開したかというとそうではなく、それぞれ異なる判断をしているんですよね。

今回、地元メディアに何かと注目されるシアトルのフリーモントで『かもねぎ』を経営しているシェフの相馬睦子さんと、市内に10数軒のレストランを展開している Ethan Stowell Restaurants 経営者でシェフのイーサン・ストウェルさんに話を聞いてみました!

もくじ

『かもねぎ』 オーナーシェフ 相馬睦子さん

【公式サイト】www.kamonegiseattle.com

ワシントン州の経済活動・社交再開計画の「フェーズ2」の場合、屋内での飲食サービスの稼働率は最大25%ですが、私の店はテイクアウトのみでやっています。

昨年の夏に飲食店の店内での営業を再開しても良いと決まった時、完全予約制の限定人数でコース料理を提供するサービスを始めてみました。でも、私の店は面積からして同居していない世帯と6フィート(約2m)の距離を取りづらいですし、今の時期は窓を開けたままにすると寒すぎるので、従業員の感染リスクを考えて中止しました。それからずっとテイクアウトのみで営業しています。

テイクアウト用にメニューも変更したので、以前はデスティネーション・レストランという位置づけだったのが、近隣のローカルの方々が普段使いしてくれるネイバーフッド・レストランになった感じがします。

3月22日には「フェーズ3」に移行することが発表され、そうすると屋内での飲食サービスの稼働率は最大50%になります。でも、現時点ではまだ屋内での飲食サービスの再開は考えていません。現在の状況で店内での飲食サービスを再開することは、安全第一ではなくなってしまうと考えているからです。特に、飲食店の従業員はマスクをしていても、飲食するためにマスクを取った状態の人と接することになり、感染リスクが高まります。なので、私は感染を甘く見ず、皆の安全を第一に考えているところを見せ、軽はずみな行動をとりたくない。今でもスタッフが感染していないかどうか定期的にチェックするために、それぞれが隔週で検査を受けて陰性であることを確認しています。

でも、夏になったら、アウトドアのパティオでの飲食サービスは再開したい。屋外での外食なら、同世帯で飲食している限り、安心度が高いと思います。

これからワクチン接種が進んで、予防接種をした人の数が新規感染者の数を上回って、スタッフ全員がワクチンを接種できたら、さらに安心度が高まります。

3月23日にはシアトルのソードーにあるルーメン・フィールド(旧センチュリーリンク・フィールド)で、『Field to Table』 という屋外イベントに参加します。久しぶりのポップアップイベントなので楽しみです。

『Ethan Stowell Restaurants』 イーサン・ストウェルさん

Tavolata フリーモント店


【公式サイト】www.ethanstowellrestaurants.com

昨年3月に自宅待機命令が出されてから、人通りが少ないダウンタウンにある店舗の営業は中止し、外食をしたい人が多いネイバーフッド(住宅地)のレストランにフォーカスしています。それぞれの店舗で条件が異なるので、一つ一つ、シアトル市と建物のオーナーと交渉し、できることを把握し、計画して進めています。これまでのところ、みんなが喜んで協力してくれる状況が続いています。

パンデミックが続いている間、店に来てくれるお客さんたちにも変化が見られます。とても理解があって、サポートしようとしてくれます。ローカルのレストランのことを地域社会が本当にケアしてくれていることを知ることができて、嬉しいですね。でも、パンデミックが長引くことで、みんなが疲れているのは確かです。

今は屋内の飲食サービスが最大25%まで許可されていますが、屋外のパティオの利用者が多いですね。昨年一時期だけ屋内サービスが許可されたので再開した時も、屋外のパティオの利用者数はまったく減りませんでした。これから屋内サービスが拡大されても、屋外パティオの利用者は減らないと予想しています。実際のところ、これからもずっと屋外パティオを使い続けられるよう、市が許可してくれたら・・・と思います。

これからの体制としては、安全に実行することが可能である限り、営業を継続していきます。稼働率50%になれば、25%よりはるかに営業が簡単になります。収益も増えますし、それをもとに人員の採用が可能になるからです。でも、市内で一番先に稼働率を50%にするレストランには絶対にならないと思います。州の新しい規則にもとづいて、安全を最優先に考えた計画をそれぞれの店のために作成してから、順次対応していきます。

シアトルの現状

3月17日には飲食店の従業員以外のエッセンシャルワーカーがワクチン接種対象となりました。ワシントン州保健局はパンデミックが始まった時からエッセンシャルワーカーとして営業してきた飲食店の従業員を接種対象に含めていないことについて、「飲食店の場合は、雇用主がテイクアウトやデリバリーで対面での接触を制限できるから」と説明しています。

でも、ワシントン州が3月22日に「フェーズ3」に移行し、屋内での飲食サービスが最大50%に引き上げられることになっていることを懸念するホスピタリティ産業の業界団体 Seattle Restaurant Alliance と Washington Hospitality Association は、飲食店職員を次にワクチン接種を受けられる対象に含めることを求めるオンライン署名活動を始めました。ぜひリンク先をチェックしてみてください。ローカルのレストランは、その街の食文化を豊かにするために必要不可欠な存在です。多くの人にとって初めてのパンデミックの最中でも工夫して営業し、食事を作り続けている飲食店を、これからもそれぞれの形で応援していけたらと思います。

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