国際運転免許証(International Driving Permit: IDP)は、自国の運転免許証を多言語に翻訳した文書で、他国で合法的に運転するために補助的に利用するものです。IDPは独立した免許証ではなく、有効な運転免許証と一緒に携帯する必要があります。ここでは、アメリカ在住者が国際運転免許証を取得する方法と注意点についてまとめました。
アメリカでの発行機関
米国内で国際運転免許証を発行できるのは、American Automobile Association(AAA)とAmerican Automobile Touring Alliance(AATA)のみです。
それ以外の団体やインターネット上の「国際免許証発行サービス」は無効となる可能性があるため、注意が必要です。
申請条件と手続き
- 対象年齢:18歳以上
- 必要条件:有効な米国発行の運転免許証を所持していること
申請方法
- オンラインで申請:必要な書類をオンラインで提出してから2週間以内に郵送されます。
- AAA支店で申請:申請書、免許証、パスポート写真2枚、手数料を提出。当日発行されることもあります。
- 郵送で申請:必要書類を郵送し、2〜6週間で発行。
有効期間と注意点
- 有効期間は発行から1年間(ただし、自国の運転免許証の期限が先に切れる場合はその日まで)。
- 常にIDPと有効な運転免許証をセットで携帯する必要があります。
- 米国の有効な運転免許証を持っている場合、通常、カナダとメキシコではIDPは不要です(USA.gov)。
- AAAは、出発の少なくとも2週間前に申請することを推奨しています。処理には5営業日+郵送日数が必要です。手数料は、IDP発行料20ドル、写真撮影料10ドル、さらに送料(別途課金)がかかります。
米国の運転免許証を持っていない場合
米国の有効な運転免許証を持っていない場合、IDP を取得することはできません。IDPは翻訳文書に過ぎず、必ず母国などで発行された有効な免許証が必要です。
- 観光客・短期滞在者:母国の免許証+IDPを携帯すれば、カナダを含む多くの国で一定期間運転が可能です。ただし、国や州ごとに規定が異なるため事前確認が必要です。
- 長期滞在者:カナダやアメリカに住む場合は、住所のある州の規則に従って新規に免許を取得しなければなりません。
よくある質問(FAQ)
国際運転免許証の申請料はいくらですか?
AAAの場合、手数料は、IDP発行料20ドル、写真撮影料10ドル、さらに送料(別途課金)がかかります。
申請してから受け取るまで、どのくらいかかりますか?
店舗申請なら即日発行されることが多いです。郵送の場合は5営業日+郵送日数が必要で、余裕をもって2週間以上前に申請するのがおすすめです。
カナダやメキシコで運転するのに国際免許証は必要ですか?
アメリカの有効な運転免許証を持っている人は、カナダやメキシコでは国際運転免許は必要ありません。
アメリカの運転免許証を持っていない場合、どうすれば良いですか?
とても重要な質問です。国際運転免許証(International Driving Permit: IDP)は、運転免許を発行した国で申請して交付されるものです。つまり、日本の有効な運転免許証を持っていても、アメリカの運転免許証は持っていない場合、日本の運転免許センターや警察署を通じてIDPを取得する必要があります。アメリカ国内で、日本の免許に基づくIDPを新規に発行することはできません。
日本の運転免許証を持っている人が日本以外の国で運転するには?
日本の運転免許証を持っている人が日本以外の国で運転するには、日本国内で「国外運転免許」を取得する必要があります。詳細は警視庁の公式サイトでご覧ください。なお、長期滞在予定の場合は、現地の免許証を取得する必要があります。
国際運転免許証の有効期間は?
発行日から1年間です。ただし、米国免許証の期限が先に切れる場合は、その日までとなります。
アメリカの運転免許しか持っていない人が日本で運転する場合は?
日本では「ジュネーブ条約に基づく国際運転免許証」か「日本の運転免許証」が必要です。米国免許証+IDPを所持していれば、日本国内で最長1年間運転可能です。ただし、日本に住所を有する人(住民登録をした人)は対象外となるため注意が必要です。詳細は警視庁の公式サイト「外国で取得した国際運転免許証で日本国内を運転するには」をご覧ください。
まとめ
アメリカの運転免許を持っている人が国際運転免許証を取得するには、AAAまたはAATAで手続きを行います。カナダやメキシコでは米国免許証だけで運転可能ですが、その他の国ではアメリカの運転免許証+IDP、または現地の免許の取得が必須となります。