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アメリカでの認知症・アルツハイマー病の現状と対策 Q&A (2/4)受診・検査と診断後のステップ

Caregiver in blue scrubs greets an elderly Japanese woman beneath a decorative banner that reads a dementia Q&A for Japanese living in America.
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アメリカで暮らすご家族やパートナー、あるいはご自身について、「最近、物忘れが増えたかもしれない」と不安を感じることはありませんか?海外という異なる言語・文化の環境下では、その不安はさらに大きくなりがちです。

この Q&A では、アメリカにおける認知症の受診と検査、診断後のステップをわかりやすく解説します。正しい知識を持ち、早期に適切なサポートへ繋げるためのガイドとしてお役立てください。

目次

アメリカでの受診・検査「どこに行けばいい?」

アメリカで認知症の相談や検査をしたい場合、最初に相談するのはどこですか?

最初に相談する窓口はプライマリケア(PCP:かかりつけ医)で、必要に応じて検査やその先の紹介を行います。

日本の「もの忘れ外来」のような専門窓口はアメリカにありますか?

日本の「もの忘れ外来」のような機能を果たすMemory care clinicはアメリカにもあります。専門外来なので、まずプライマリケアに受診し、紹介が必要となります。

認知症の検査はどのような内容ですか?(血液検査、画像検査、神経心理検査など)

まず、印刷物を使った認知機の検査、MoCA(Montreal Cognitive Assessment)か MMSE(Mini-Mental state examination)を行い、その検査によってどの程度の認知症かスクリーニングします。

臨床心理士によって、言語・記憶・思考・注意力などの高次脳機能障害を、印刷物や道具を用いて客観的・数値的に評価する神経心理検査を行うこともあるかもしれません。

また、パーキンソン病や脳卒中など、他の病気による認知機能低下が起こっていないか判断するための身体診察を行います。状況によっては採血検査を通して原因になる疾患があるか確かめることもあるでしょう。

最後に、MRIやCTを通して脳の画像検査も行われるかもしれません。

これらの検査が保険適用になるかどうかを保険会社に確認したい場合、どのように説明すればよいですか?

cognitive impairment によるプライマリケアや専門外来受診、また、画像検査や採血などの検査が適応されるか確認する方法として最も確実なのは、保険会社に直接電話で問い合わせることです。

問い合わせをする際、次のような聞き方をお勧めします。

Hello, I am a member of this insurance plan, and I would like to check coverage for a medical evaluation for memory concerns.  My doctor may order cognitive screening tests, lab work, brain imaging like MRI or CT, or neuropsychological testing.

Could you tell me:

  1. Is a medical visit with my primary care provider or with a specialist covered under my plan? Are these tests and services covered under my plan?
  2. Do any of them require prior authorization or a referral?
  3. What would be my out-of-pocket costs, like copay, deductible, or coinsurance?

診断後のステップ「これからどうなる?」

アメリカで一般的に使われる認知機能テスト(MMSE、MoCA)とはどのような検査ですか?シンプルすぎて、認知症の傾向を見逃すように思いますし、あれができないならもっと前に認知症の症状が出ているはずではと思ってしまいます。

MMSEやMoCAは10〜15分で行われるスクリーニング検査です。軽度の認知症は見落とされることもあります。そのため、日常生活の中で気づく変化や経時的変化に気づくことが大切です。医師の診察と家族情報と合わせて評価することが必要になると思います。

認知症には種類がありますか?それぞれの特徴は何ですか?

認知症は一つの病気ではなく、いくつかの異なる原因によって起こる「症候群」です。原因ごとに症状や経過に特徴があります。

一番多いのはアルツハイマー型認知症で、初期には新しい出来事を覚えにくくなるような記憶障害が起こり、ゆっくりと進行していきます。

次に多いのは血管性認知症です。脳梗塞や脳出血など血管障害が原因で、段階的に悪化することが特徴です。注意力や段取りといった生活の中での実行機能の低下が特徴の一つです。

そのほかには、レビー小体型認知症は、日によって認知機能の状態が大きく変動するほか、実際には存在しないものが見える幻視や、手足の動きが遅くなるパーキンソン症状が特徴的です。

また、前頭側頭型認知症では、記憶障害よりも先に性格の変化や社会的行動の異常、衝動性の増加などが目立つことがあり、比較的若い年代で発症することもあります。

さらに、ビタミン欠乏や甲状腺機能低下、薬剤の影響など、治療可能な原因による認知機能低下も存在します。

このように認知症は一つの疾患ではなく、原因によって「最初に影響される機能」や経過が異なります。診断するために、症状の現れ方や経過、日常生活の変化を総合的に捉え、必要に応じて検査なども必要になってきます。

認知症の診断を本人にどのように伝えるかについて、アメリカではどのような考え方が一般的ですか?

アメリカの診療では患者の自己決定権とインフォームドコンセントが重視されるので、原則として認知症の診断がついたら直接、本人に伝えられます。

ただし、本人の自覚と認識の程度や理解力に応じ、そして精神的負担に配慮します。急に病名を伝えるのではなく、症状を確認しながら評価結果を段階的に説明するのが一般的です。必要に応じて家族も同席し、診断後は治療や生活支援につなげることまで含めて説明されます。

セカンドオピニオンを受けたい場合、どのように手続きすればよいですか?

アメリカでは、患者が他の医師の意見を求めることが一般的に認められており、医療の中でも標準的な選択肢として位置づけられています。プライマリケアドクターに相談し、紹介状を出してもらうのが一般的です。

また、患者や家族が「この医師に診てもらいたい」と具体的に医師を指名し、大学病院や専門施設でセカンドオピニオンを求めるケースもあります。保険の条件(ネットワークや事前承認)によって制約されることもあるので事前に保険の条件を確認することをお勧めします。

執筆者
執筆者

西連寺智子先生(さいれんじ・ともこ)
University of Washington Department of Family Medicine, Professor
Family doctor at UW Primary Care at Northgate Clinic and Northwest Hospital
米国マサチューセッツ州で幼少時代を過ごし、12歳で日本に帰国。国際基督大学卒業後、岡山大学に学士編入。卒業後、福岡県にある飯塚病院での2年間にわたる初期研修を経て、ピッツバーグ大学メディカルセンターで家庭医のレジデンシーとチーフレジデントを行う。同大学で医学教育修士課程とファカルティデベロップメントフェローシップを終え、現在はワシントン大学医学部(University of Washingon School of Medicine)で家庭医療の教授として医学生の指導を行いながら、UW Medicine のノースゲート・クリニックと Northwest Hospital で家庭医として勤務している。

当コラムを通して提供している情報は、一般的、及び教育的情報であり、読者個人に対する解決策や医療アドバイスではありません。読者個人の具体的な状況に関するご質問は、直接ご相談ください。

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