米国国勢調査局が発表した最新の人口データによると、2023年7月1日から2024年7月1日の1年間で米国の都市部の人口は約320万人増加し、増加率は1.1%でした。同時期に米国の人口が約330万人増加し、増加率は1.0%だったことから、都市部の成長が米国全体を上回ったことになります。
都市圏の人口増加 ワシントン州のシアトル・タコマ・ベルビュー都市圏は全米10位
米国国勢調査局の発表によると、米国の人口のニューヨーク・ニューアーク・ジャージーシティ(NY-NJ)、ワシントン・アーリントン・アレクサンドリア(DC-VA-MD-WV)、サンフランシスコ・オークランド・フリーモント(CA)など、COVID-19のパンデミックで人口が減少した都市圏でも、人口増加が見られました。
「1.0%の年間成長率は、近年の増加率よりも高いものの、歴史的な平均範囲内です」と、国勢調査局人口部門の人口学者クリスティ・ワイルダー氏は述べています。「注目すべき点は、過去5年間で自然増加の役割が縮小し、国際移民の純増が国の成長の主要な推進力となっていることです。」
米国の都市圏 人口増加数トップ10
2023年7月1日から2024年7月1日までの米国の都市圏における人口増加数トップ10は、次のとおりです。
ニューヨーク・ニューアーク・ジャージーシティ都市圏が最も多くの人口増加(213,403人)を記録しました。続いて、ヒューストン・パサデナ・ザ・ウッドランズ都市圏(198,171人)やダラス・フォートワース・アーリントン都市圏(177,922人)がランクインしています。
また、ワシントン州のシアトル・タコマ・ベルビュー都市圏の人口は66,666人(1.6%)増加し、全米10位にランクインしました。
ランク | 都市圏 | 2020年4月1日(推計基準) | 2023年7月1日 | 2024年7月1日 | 増加数 |
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1 | ニューヨーク・ニューアーク・ジャージーシティ(NY-NJ) | 20,083,412 | 19,726,871 | 19,940,274 | 213,403 |
2 | ヒューストン・パサデナ・ザ・ウッドランズ(TX) | 7,150,233 | 7,598,011 | 7,796,182 | 198,171 |
3 | ダラス・フォートワース・アーリントン(TX) | 7,638,258 | 8,166,110 | 8,344,032 | 177,922 |
4 | マイアミ・フォートローダーデール・ウェストパームビーチ(FL) | 6,138,357 | 6,334,517 | 6,457,988 | 123,471 |
5 | ワシントン・アーリントン・アレクサンドリア(DC-VA-MD-WV) | 6,278,595 | 6,345,881 | 6,436,489 | 90,608 |
6 | フェニックス・メサ・チャンドラー(AZ) | 4,851,322 | 5,102,020 | 5,186,958 | 84,938 |
7 | オーランド・キッシミー・サンフォード(FL) | 2,673,387 | 2,864,544 | 2,940,513 | 75,969 |
8 | アトランタ・サンディスプリングス・ロスウェル(GA) | 6,106,805 | 6,336,015 | 6,411,149 | 75,134 |
9 | シカゴ・ネイパービル・エルジン(IL-IN) | 9,454,363 | 9,337,814 | 9,408,576 | 70,762 |
10 | シアトル・タコマ・ベルビュー(WA) | 4,018,783 | 4,078,828 | 4,145,494 | 66,666 |
人口増加の大半は国際移民
昨年12月に発表された最新推計で、2023年7月1日から2024年7月1日の1年間で米国の人口は約330万人増加して約3億4154万人となりました。そのうち約280万人、つまり増加分の84%が米国以外からの移民によるもので、2022年から2023年の移民による人口増加(220万人)を上回りました。米国の人口増加は移民によって牽引されていることがわかります。
人口 | 人口増加率 | 増加数 | 自然増加 | 国際移民 | |
米国 | 約3億4154万人 | 1.0% | 約330万人 | 約60万人 | 約280万人(84%) |
都市圏(387) | 約2億9390万人 | 1.1% | 約320万人 | 約50万人 | 約270万人(84%) |
また、米国の387の都市圏すべてで移民の人口が増加しました。都市圏の約320万人の人口増加の84%にあたる約270万人が移民で、2022年から2023年の移民による人口増加(220万人)を上回りました。
国際移民の純増(net international migration)とは、アメリカ合衆国の国境外からアメリカ合衆国内(50州と首都ワシントン D.C. を含む)への居住地の変更を意味しています。2024年の純増は約280万人で、2022年(約170万人)と2023年(約230万人)を上回りました。国政調査局によると、移民に関する連邦データ源の統合の改善により、最近の移民の増加が国の人口増加にどのように影響しているかをより良く理解できるようになっています。
半数以上の郡で人口が増加
2024年には、米国の50州および首都ワシントン D.C. の3144郡のうち、約65.3%にあたる2054郡で人口が増加しました。特に大きな都市圏に位置する郡(2024年の人口が10万人以上)の平均成長率は1.1%で、小さな郡(人口が1万人未満)では人口減少が多く見られ、平均して0.2%減となりました。

ワシントン州キング郡は全米6位
郡別の人口増加で全米トップ10の郡は次のとおりです。特に、テキサス州の郡が多くランク入りしています。ワシントン州で最多の人口を抱えるキング郡は4万3398人の増加を記録し、全米6位となりました。
ランク | 州 | 郡名 | 2020年4月1日(推計基準) | 2023年7月1日 | 2024年7月1日 | 増加数 |
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1 | テキサス州 | ハリス郡 | 4,731,433 | 4,903,450 | 5,009,302 | 105,852 |
2 | フロリダ州 | マイアミ=デイド郡 | 2,701,751 | 2,774,250 | 2,838,461 | 64,211 |
3 | アリゾナ州 | マリコパ郡 | 4,425,315 | 4,615,625 | 4,673,096 | 57,471 |
4 | テキサス州 | コリン郡 | 1,066,331 | 1,207,964 | 1,254,658 | 46,694 |
5 | ネバダ州 | クラーク郡 | 2,266,452 | 2,354,285 | 2,398,871 | 44,586 |
6 | ワシントン州 | キング郡 | 2,269,666 | 2,296,813 | 2,340,211 | 43,398 |
7 | イリノイ州 | クック郡 | 5,278,969 | 5,142,522 | 5,182,617 | 40,095 |
8 | フロリダ州 | ブロワード郡 | 1,944,404 | 2,002,786 | 2,037,472 | 34,686 |
9 | テキサス州 | モンゴメリー郡 | 620,567 | 715,345 | 749,613 | 34,268 |
10 | テキサス州 | タラント郡 | 2,110,999 | 2,197,915 | 2,230,708 | 32,793 |
今後の展望
米国の人口増加は主に移民によるもので、シアトル〜タコマ〜ベルビュー都市圏の人口増加の大部分も、外国からの移住者が大半を占めています。
今後、第二次トランプ政権が進める移民政策が国際移民の動向にどのように影響するかに注目です。
