アメリカ・ワシントン州では、2005年に当時の米国では先進的かつ厳格とされた禁煙ルールが定められました。このルールでは、公共施設や職場だけでなく、建物の出入口や窓、換気口から25フィート(約7.5メートル)以内も禁煙とされ、違反には罰金も科されます。
このルールは施行から20年近くの年月を経て生活習慣に深く浸透し、シアトルを含むワシントン州では「喫煙が存在しない環境」が当たり前となりました。
しかし、こうした規則が存在しない地域や、あっても形だけの地域から来た人にとっては、「屋外でもタバコが吸えない」「電子タバコやベイパーも対象」という現実は意外に思えるかもしれません。そこで、出張や観光で訪れる人、新しく移住して生活を始める人がトラブルにならないよう、ワシントン州の禁煙ルールをまとめました。
2005年施行の「公共の場全面禁煙法」
- 2005年12月8日施行:「公共の場所および職場での全面禁煙」を定めた州法(RCW 70.160)が成立。
- 建物の出入口・窓・換気口から25フィート以内(約7.5m)も禁煙対象に。
- 違反者には1件につき最大100ドルの罰金、事業者には営業停止などの措置も。
これにより、レストランやバー、ショッピングモール、映画館、球場、スケートリンク、公園やビーチといった公共空間での喫煙が一斉に姿を消しました。
電子タバコへの拡大
- 2010年、シアトルを含むキング郡が電子タバコ(e-cigarettes、vapor)も禁煙エリアでの使用禁止と定める条例を導入。
- 電子タバコには、vapor products や e-cigarettes が含まれます。煙が出ないから大丈夫と思って使用すると、法律違反となるので注意が必要す。
- 未成年者への販売・無料配布も禁止され、煙草製品と同等に扱われています。
喫煙を禁止する表示
喫煙を禁止する表示には、次のようなものがあります。”NO SMOKING” にはタバコもベーピングも電子タバコもマリファナ(ワシントン州では少量の娯楽用マリファナの所持は合法)も含まれます。しかし、「SMOKINGはタバコのことのみ」と思い込むのを防ぐために、「タバコ、マリファナ、ベーピング」など、あえて明記したサインもあります。
- NO SMOKING
- NO SMOKING, NO VAPING
- NO SMOKING ON PREMISES
- NO SMOKING TABACCO, MAIJUANA, VAPING, PROHIBITED AT ALL TIMES
- NO SMOKING, NO VAPOR SMOKING, NO E-CIGARETTES
- NO SMOKING WITHIN ◯ FEET(◯には数字が入ります。25フィートの場合が多数)
- NO SMOKING WITHIN ◯ FEET OF BUILDING ENTRANCE
- NO SMOKING WITHIN ◯ FEET OF DOORWAY
- THIS IS A SMOKE-FREE BUILDING
- THIS IS A SMOKE-FREE PROPERTY
- NO SMOKING IN THIS AREA
- NO SMOKING OR VAPING
- SMOKE FREE ZONE
また、吸い殻のポイ捨てを禁止する表示には次のような文面が使用されることもあります。この場合の “butts” は、”cigarette butt”(タバコの吸い殻)の複数形です。
- PLEASE DO NOT THROW BUTTS ON GROUND
罰則とペナルティ
喫煙規制に違反した場合、1件につき最大100ドルの罰金が科されます。さらに、違反が繰り返される企業や店舗には、営業停止などの措置が取られることもあります(RCW 70.160)。なので、ビジネス経営者も十分に注意する必要があります。
アメリカでの喫煙年齢
全米で喫煙可能年齢は21歳以上。たばこ製品を購入するには、パスポートや運転免許証など写真付き身分証明書の提示が必須です。
未成年者が喫煙していると、本人だけでなく販売店側にも罰則があります。
喫煙率の推移と環境の変化
喫煙規制の徹底は、数字にも現れています。2005年の全面禁煙法施行から20年近くで、成人のタバコによる喫煙率は3分の1減少しました。
| 年 | 成人喫煙率 | 出典 |
|---|---|---|
| 2017 | タバコ 13.5% 電子タバコ 4.2% | Washington State Department of Health |
| 2022 | タバコ 10.0% 電子タバコ 7% | American Lung Association |
まとめ
ワシントン州では2005年の全面禁煙法をきっかけに、公共施設や屋外の多くの場所で喫煙が排除されてきました。その後20年近くの歳月を経て、喫煙率は着実に低下し、現在では「喫煙が存在しないことが当たり前」という環境が定着しています。観光や出張、新生活を始める際の参考になさってください。

