米国本土で日本に一番近い都市シアトル。南樺太とほぼ同じ緯度にありますが、氷河期に形成されたフィヨルド地形や海流の関係で、海洋性の穏やかな気候に恵まれています。
肌寒い日も多い春
有名なシアトルの雨は、10月ごろから始まり、11月から3月がピークです。
年明けからどんどん日が長くなり、春分の頃には冬至の頃より約3時間も日照時間が長くなるので、春が来ていることが実感できます。
過ごしやすく、快適な夏
シアトルの夏は基本的に短いですが、晴れの日が続き、日照時間は夏至には約16時間にもなります。比較的乾燥していて、日中も運動しなければ汗をかくこともなく、朝と夕方には海からの冷たい空気のおかげで、肌寒くなるほどです。短期間の観光で美しいシアトルと自然を満喫したい場合に「7月から9月がおすすめ」と言われることには、そんな理由があります。
でも、シアトルでも気温が上昇する日が増えています。2021年6月末には前例のなかった100℉(37.8℃)以上の気温を3日間にわたり記録しました。
6月26日(土):102℉(38.9℃)
6月27日(日):104℉(40℃)
6月28日(月):108℉(42.2℃)
2019年の国勢調査で、シアトル地域(キング郡、ピアス郡、スノホミッシュ郡)の住宅のAC設置率は44%で、4年間で10%以上増えたことがわかりました。その後の2021年の調査で、設置率は53%と、わずか2年で9ポイント上昇したことがわかりました。
雨が降り始める秋
有名なシアトルの雨は、10月ごろから始まり、11月から4月にピークを迎えます。
シアトルの平均年間降水量は37.49インチ(952mm)。2020年の降水量は41.32インチ(1049mm:2020年 Seattle Weather Blog/NOAA)でした。なので、シアトルより降水日数が少ないところから来た人は、「シアトルは雨が多い」と感じることになります。
大粒の雨や土砂降りとなる嵐も来ますが、シアトルの雨は多くの場合、パラパラ、しとしとと降る印象です。
雪が積もるのは珍しい冬
冬も雨の日や曇りの日が多い季節。10月に入ると、一日あたり数分単位で日が短くなっていくのを実感するようになり、シアトルでは “The Big Dark” と呼ばれる、日照時間の短い時期に入ります。夏至と比べると、日照時間は約7時間30分も短くなります。
まだ暗い時間に起きて通勤・通学し、すでに暗くなってから帰宅する、そんな時期です。でも、晴れると西のオリンピック半島にあるオリンピック山脈も見えて、大自然が身近にあることが感じられます。
シアトルの都市部で雪が降ることは珍しく、氷点下を下回る日は年間平均で約2週間しかありません。積雪地帯から来た人は「これしきの雪で」と笑ってしまうようですが、そもそも雪が珍しく、坂が多い地形もあって、少しでも雪が降ると道路を走るバスや車に影響が出てしまいます。
シアトルから東へ車で1時間~2時間半のカスケード山脈は積雪地帯。ワシントン州最高峰のマウント・レーニアがあり、スキー場が点在しています。