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アメリカで長距離サイクリング「ブルベ」に挑戦!

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マウント・ベーカーを臨む

“Brevet” という言葉を聞いたことはありますか?

これはフランス語で、タイムや順位を競うものではなく、制限時間内で完走して認定されることを目指す、長距離の耐久サイクリング・イベントのことです。

ヨーロッパでは19世紀から行われていて、タイムや順位を競うものではなく、参加者がそれぞれの目標を持って参加できるもので、世界中で開催されています。

ブルベは、発祥の地であるフランスはもちろん、ヨーロッパ各地、アメリカ、カナダ、日本、南半球のオーストラリアやニュージーランドなど、世界のあちこちで開催されています。

もくじ

本部はフランス

ブルベは、フランスに本部のあるサイクリング・クラブ、オダックス・クラブ・パリジャン(ACP: Audax Club Parisien)が定めた世界共通の規則にもとづいて催行されます。

この ACP を中心に、Randonneurs Mondiaux(RM)という国際団体が作られ、ACP が認めた国・地域がこの RM に加盟し、ブルベの開催・普及・啓蒙に力を入れています。

アメリカで行われるブルベは、ACP に加盟しているアメリカの団体 Randonneurs USA に所属するサイクリング・クラブが開催しています。シアトル地域の場合、Seattle International Randonneurs になります。

ブルベに参加する人は、男性は “Randonner”(ランドヌール)、女性は “Randonneuse”(ランドヌーズ)と呼ばれます。

アメリカの団体:Randonneurs USA
シアトル地域の団体:Seattle International Randonneurs
日本の団体:オダックス・ジャパン

ブルベに参加する方法

ブルベに参加する最初のステップは、前述の組織に加盟しているサイクリング・クラブの会員になることです。

会員になるメリットには、サイクリング仲間ができ、楽しみが増え、モチベーションをあげられることなどがあります。いろいろな認定も、自分にとっていいチャレンジになるかもしれません。

ブルベは主催者もボランティアというのが、本当にサイクリングが好きな人達が集まるコミュニティならではと言えます。

初めて参加する場合、200km を13時間30分で完走するブルベから始めます。締切日までに(または定員に達する前に)参加登録をし、決められた日時に集合場所に行き、バイクチェックを受け、コースを走ります。

普段のトレーニングで培う体力や精神力はもちろん、仮眠や食事、休憩の取り方、自分のマシンの把握や修理のスキル、サイクリングの経験などを総動員して挑みます。夜に走ったり、雨や猛暑など理想的な天候でない状況で走ったりすることもあれば、睡魔と闘いながら走ることもあります。

「ブルベ」の主なポイント

ブルベの主なポイントは、次の4つ。

  1. 指定の日時にスタート地点を出発し、
  2. 規定のコースを、
  3. 制限時間内に、
  4. コントロール(チェックポイント)を通過しながら完走する

例えば、制限時間内に安全に完走することを最優先にする、タイムにこだわる、一人で夜の山中を走り続けるような強い精神力を養うチャレンジとしてとらえるなど、それぞれの挑戦があります。

ブルベ

「セルフサポート」が前提なのもブルべの特徴の一つ。プロのロードレースで見るようなサポートカーはなく、サポートを受けられるとしてもチェックポイントでのみ。体調不良や自転車の不調、悪天候などへの対応は、自分で判断することになります。

標高5476フィート(1669m)の高山峠ワシントン・パスに向かうハイウェイ。ノース・カスケード国立公園内にあります。

距離・制限時間・コース

ある年の Cascade 600k の出発点は、シアトルのスペースニードル。
ここからワシントン州のカスケード山脈を600kmを走行した。

ブルベでは、距離と制限時間があらかじめ決まっています。

200km:13時間30分
300km:20時間
400km:27時間
600km:40時間
1000km:75時間
1200km:90時間
1400km:116時間40分

ちなみに、車で移動する場合、シアトル~バンクーバー BC は約143km、シアトル~ポートランドは約173km です。日本の地理で言えば、東京~大阪は約500km、東京~札幌や東京~福岡が1200kmになります。

そんな距離を前述のような制限時間で走るとなると、「ずっと走ってるの?」「途中で休むの?」「寝ないの?」「どこで休むの?」「食事は用意されてるの?」「途中で故障したら、サポートが助けてくれるの?」といった、いろいろな疑問がわくはず。

制限時間で完走するのが目標なので、走り続けるか、途中で(どれぐらい)休憩するか宿泊するか、食事をどこで食べるか、寄り道するかなどは、参加者それぞれが自分に最適と思われる判断をするのが基本です。規定のコースを制限時間内に走って完走すると、認定を受けられます。

ブルベの最高峰『パリ・ブレスト・パリ』

2023年の『パリ・ブレスト・パリ』開催を告げるポスター

そんなブルベの最高峰とされるのが、世界で最も歴史の長いサイクリング・イベント「パリ・ブレスト・パリ」(Paris-Brest-Paris: PBP)

フランスのパリ市内近郊と大西洋岸の街ブレストを往復する約1200kmのコースを90時間以内で完走するイベントで、4年に一度開催され、世界中から約6,000人が集まります。

次の新しい目標を見つけたい方はぜひ、下記の「目指すはブルベの最高峰『パリ・ブレスト・パリ』」もご一読ください。

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