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赤ちゃんの健康のために 第7回 授乳中の乳首の痛みと白斑

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ナースプラクティショナー・助産師・看護学博士
押尾 祥子さん

Sachiko Oshio, CNM, PhD, ARNP

Nadeshiko Women’s Clinic

【メール】 info@nadeshikoclinic.com
【公式サイト】 www.nadeshikoclinic.com
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乳首の乳腺がつまって、乳房の一部にしこりができ、よく見ると乳首に白い斑点ができていることがあります。これは、乳腺の出口に皮膚がかぶってしまって、その後ろに乳汁がたまってできるものです。乳房のしこりも痛く、乳頭の白斑も痛いのが普通です。流れが細い腺にできる場合が多く、同じ場所に何回も繰り返しできることもあります。

まず、乳汁が通るように、授乳の前に乳首の皮をやわらかくしましょう。痛いとうまくできないので、イブプロフェンを2錠ぐらい飲んでおきましょう。

  • Epsom Salts(*1) という薬用の塩を小さじ2杯分ぐらいお椀かコップに入れます。熱いお湯の方が溶けやすいので、少量の熱湯で溶かしてから、水を加えてコップ1杯分にすると良いようです。そして、乳首をその中につけます。これは、一日何回かやってみると良いでしょう。
  • その後、熱めのおしぼりで乳頭をしばらく温めて、つまったところの皮が柔らかくなったところで授乳します。Epsom Salts の苦い味がして嫌がる赤ちゃんもいるので、おしぼりで拭き取っておきましょう。
  • 授乳しながら、しこりになっているところを手で押し、詰まったところが通るようにしましょう。

それでも状態が改善せず、乳首を搾ると白班が盛り上がってくるようなら、なんとか通る道ができるようにしてみましょう。

  • 上記のように、乳頭を柔らかくしてから、熱いおしぼりで白班を強めにこすってみてください。
  • もし、ニキビのように盛り上がってきているのなら、爪の先を使ってつまんで引っ張ってみてください。
  • それでもダメなら、マチ針をコンロの火であぶって消毒し、かぶっている皮をつついてみましょう。深く針を入れると、乳腺をきずつけたり、ばい菌を乳腺に押し込んだりすることがあるので、表面をつつくだけです。
  • そのあと、乳頭をしごくように先の方に向かって押すと、詰まって硬くなった乳汁がとれることがあります。

それでも白班がとれないときは、無理をせず、根気よくつきあっていきましょう。

  • 上記の二つのやり方にくわえて、all purpose nipple ointment(*2) という軟膏を授乳の後につけておきましょう。これは、痛みをとり、傷の治りを早くします。
  • もともと、腺の流れが悪くてつまるので、手で搾り、できるだけそのあたりの流れを良くしましょう。
  • 負ぶい紐やブラジャーなどが、つまる原因になっていないか、圧迫されているところがないか、確認してみましょう。
  • 何日か上記のようなことを繰り返していくと、いつのまにか、白班もしこりもなくなっていることがあります。

*1 Epsom Salts は、一般的なグローサリー・ストアや、薬局の救急用品売り場にあります。通常、バンドエイドや絆創膏などを売っている棚の一番下の段に置いてあります。

*2 All purpose Nipple ointment は、処方箋が必要です。なでしこクリニックやかかりつけの産婦人科に行って処方してもらってください。

掲載:2014年6月

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