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ADHD とその治療について教えてください。

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ADHD(Attention-Deficit Hyperactivity : 注意欠陥過活動性障害)は、集中力に欠け、多動であったり、衝動的で自己制御が困難な発達障がいです。現在は研究が進み、いくつかの説が出てきていますが、未だにはっきりとした原因と、脳がなぜうまく機能しないかは、よくわかっていません。なお、ADHD は、親のしつけの仕方が悪かったために起きるものではありません。

もくじ

ADHD のさまざまなタイプ

アメリカの精神科のマニュアル、DSM-5によりますと、ADHD には以下のタイプがあります。

  1. 集中力欠如
  2. 多動と衝動性

これらの二つの問題のどれか、またはすべてを患っているのかによって、タイプが変わってきます。例えば、これら二つの問題を抱えている場合は、いつも多動で、動きまわり、机の前に座って集中して勉強ができません。欲しいものがあれば、友達が使用しているものを、何も考えずに奪い取ったり、衝動的に喧嘩を始めたりするといった行動が見られます。

なお、ADD(Attention-Deficit Disorder: 注意力欠如障害)の場合、2の多動、衝動性がなく、1の集中力の欠如が主な問題になります。

ADHD のある子供は、言語障害・学習障害(LD)や、自閉症スペクトラムが併発することもあるため、りますので、はっきりしない場合はさまざまな分野多種の専門家(MD、 psychologist、occupational therapist、speech pathologist など)がチームで診断する機関を紹介してもらうことが大切だと思います。

診断と治療

「男の子だから」「一人っ子なのでわがままだから、シェアすることができない」「もう少し大きくなったら集中力は上がるかも」などという声が聞こえてきそうですが、ADHD と診断された子供は、学校のクラスで明らかに同年齢の子供たちとは違った行動を取り、学校・家庭生活に大きな支障をきたします。

学校の先生などに問題点を指摘されたら、早いうちに小児科医に相談してみましょう。放っておくと、いじめられたり、学校の成績が良くないため自尊心が低くなったり、大人の言うことをまったく聞かない問題児として扱われたりするなど、他の問題が併発し始めることがあります。

小児科医は、他の要因があるかどうかを確認し、自分で診断するか、発達障がいを診断する小児科医(developmental pediatrician)、小児の精神科医(child psychiatrist)などを紹介してくれます。医師は子供の発達状況や他の病気の有無を考慮した上で、家庭や学校での行動をチェックリスト式で情報収集した後、診断を行います。

ADHD 以外の理由で、落ち着き・集中力がなかったり、感情の抑制がきかなかったり、衝動的な行動に出てしまったりすることもあるので、良い専門家を見つけることは大切です。

アメリカで一番有効とされている ADHD の治療は、薬療法と行動療法の併用です。医師が処方箋を書いて服用する薬は通常、”stimulant”(興奮剤)と呼ばれる薬(Ritalin、Adderall、Focalin など)と、興奮剤ではない薬に大きく分けられます。きちんと診断してもらい、しっかりとモニターを続ければ、かなりの率で良い結果が出てきます。年々、良い薬が開発されているようで、副作用も段々少なくなってきているようです。一時期、小児科医が ADHD ではないのに、落ち着きがなく活発な子供に簡単に処方薬を出してかなり問題になっていましたが、最近は小児科医はもっと慎重になってきています。

行動療法とは、カウンセリングとペアレンティング・トレーニングを通じて、子供のいる環境を変えていく方法です。毎日のスケジュールをはっきりさせ、宿題をしている間は気が散るおもちゃやゲーム、テレビなどを取り除き、ポイント制を取り入れ、期待されている行動と、してはいけない行動の違いをはっきりさせ、それに対するけじめをきっちりつけていきます。期待されている行動ができた場合は、大いに褒め、ご褒美をあげ、ポジティブな子育てをしていきます。してはいけない行動には親の注目を期待していることが多々あるので、「できなかったね」などとサラッとスルーする事も大切です。行動を変えるためには、できた時に認識するのが重要で、できなかった時に目を向け過ぎると、効果がなかったりします。カウンセリングでは、それ以外に子供の障がいが理由で家族関係に支障をきたしているといった問題も取り上げ、解決法を探ります。

その他には、”EEG biofeedback” といった、薬を使わない治療法が使われることもあります。

また、上記の精神科のマニュアルの定義以外に、上記の ADHD、ADD のある子供たちは、実行機能(exective funtions)と言われる機能がうまく働いていません。実行機能とは、何かを達成するために必要な能力で、自分でやるべき事を自覚し、動機を見つけ、計画を立て、その計画に沿って時間を管理し、収集力を維持し、物事を達成する能力です。この機能が働いていない場合、やりたくない事はやらない、時間がかかり過ぎる、計画が立てられないので難しいと感じ、やらないまま放置し、やってない課題が雪だるま式に増えるといった悪循環に陥ります。これらの問題は、カウンセラーと一緒に実行機能を改善することも行動認知療法で行います。

学校での対応

ADHD と診断された場合、一番支障を来たすのは学校ですので、学校のスタッフと緊密に連絡を取り合うことが大切です。保護者は学校に504プランを要請し、子供が学校で学習しやすい環境を作っていきます。

普通学級でできないようなサポートが必要な場合、学校でテストをしてもらい、”special education” が必要と判明したら、IEP(Individual Education Program)に基づいた教育が保障されています。

最後になりましたが、ADHD のある子供は、クリエイティブな事が得意だったり、インスピレーションがわきやすいなど、さまざまな長所も持っています。うまくいかない部分をサポートしつつ、長所を伸ばすようにしてあげましょう。

Studio Mene and Counseling Services
高田 Dill 峰子さん
Mineko Takada-Dill, MA, LMHC, ATR
【電話】 (206) 276-4915
【メール】 info@studiomene.com
【公式サイト】 jp.studiomene.com

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