車社会と言われるアメリカ。でも、シアトルでは車なしで生活している日本人の長期留学生は少なくありません。そんな彼らに「毎日どうやって移動してるの?」と、聞いてみました!
神林麻友さん(かんばやし・まゆ)
大学:ベルビュー・カレッジ
移動手段:バス、Uber、徒歩
ベルビュー・カレッジに通い始めて2年半が経ちました。留学当初はホームステイをしていましたが、学校までかなり遠かったので、今は、学校までバスで35分のところにあるアパートを友達とシェアしています。
車がないメリットは、出費を減らせること、そして体を動かせることです。さらに、バスに乗っている間は、他の乗客と話をしたり、勉強や読書をしたりできます。
ベルビューは頻繁にバスが通っていて、ベルビューやシアトルのダウンタウン、さらに空港までバス一本で行くことができます。ダウンタウンに着いてしまえば、あとは歩きで楽しめるので、駐車代や駐車時間のことを考える必要がありません。さらに、バスのチケットは2時間乗り放題なので、その間に乗り降りするようにしています。
どうしても車が必要な時はライドシェアの Uber(ウーバー)を呼ぶか、車を持っている友達に頼みます。ウーバーを一定期間使用するとプロモーションがついて安くなるので、その期間は特に利用します。
これからシアトルに来る留学生には、バスのアプリ(OneBusAway)を使うことをお勧めします。こちらでは、日本のようにバスが時間通りに来ることはあまりないので、バスの現在地や到着時間がリアルタイムでわかり、とても便利です。
友達作りにはフットワークの軽さが重要になってきます。自分で勉強と遊びのバランスを考えつつ、積極的にイベントなどに参加してみましょう。特に秋学期では、ハロウィンが一番盛り上がります。学校内外問わず、さまざまなところでハロウィン関係のイベントが催されるので、アメリカならではの貴重な体験ができますよ。
糠山弘一さん(ぬかやま・こういち)
大学:ワシントン大学シアトル校
移動手段:バス、徒歩
ハイライン・カレッジから現在のワシントン大学へ編入し、留学期間は4年になりました。今は自宅から大学まで徒歩20分。運動好きなこともあり、朝歩くと気持ちがすっきりするので、基本的に歩いて移動するようにしています。
自宅がダウンタウンに近いおかげで、バスでも支障なく暮らせます。むしろ、車で中心地に出かける時は大変だと思います。ダウンタウンで駐車場を探す時間や手間、駐車場代を払うことを考えると、車は必要ないですね。
ですが、郊外へ行きたい時、すぐに出かけることができないもどかしさはあります。どうしても車が必要な時は友達に頼みます。時にはレンタカーもしますね。出先で急に車が必要になったら、タクシーを呼びますが、基本的に使わないようにしています。
山崎ななさん(やまざき・なな)
大学:シアトル・セントラル・カレッジ
移動手段:バス、ストリートカー、Uber、Lyft、ZipCar
留学してから今年で3年目です。私が住んでいるダウンタウンに近い地域は急な坂道が多いため、学校までは基本的にバスかストリートカーを使って10分ほどかかります。
車は持っていないので、遊びに出かけた帰りや、バスがなかなか来ない時、バスよりもタクシーの方が安く利用できる時間帯にライドシェアの Uber や Lyft(リフト)をよく利用します。
ちなみに、ライドシェアは時間によって金額が大きく変わります。利用者の多い時間帯は普段の金額の75%増しにもなります。そんな時、5分待ってみると混雑がなくなり値段が下がったり、逆にさらに混み合って値段が上がったりします。なので、配車リクエストを送るタイミングにはいつも悩まされます(笑)。また、一人で利用するよりも、安く済むカープール(carpool:乗り合い)サービスがおすすめです。また、時間帯によって Uber の方が安かったり、Lyft の方が安かったりするので、両方のアプリを開いて値段が安い方を選びます。
以前、Uber を利用した際、ドライバーの対応が悪く、カスタマー・サービスに問い合わせたところ、利用した分の全額返金、次回利用する時の5ドル値引きプレゼント、さらにそのドライバーと今後一切出会わないようにするという対応をしてもらうことができました。何かトラブルが起きた際、Uberのアプリ内から、生じた問題の項目を選択していき、条件が重なったら自動的に総務に連絡が行き、直接相談することができます。カープールだと全ての問題を解決することは難しいですが、一人乗りだと柔軟に対応してもらえます。
また、カーシェアリングサービスの ZipCar(ジップカー)も、主に買い物をする時や、友達と遠出する際など、月に1〜3回利用します。アメリカの運転免許証を持っていなくても、世界中どこかの国の運転免許証を取得していれば利用できる会員制サービスです。車を借りる日時と場所を予約し、その場所にある車に会員証をかざすだけでロックが解除され、利用できるようになります。年会費は77ドル(2017年10月現在)ですが、学生割引もあります。ガソリン代や保険代が会費に含まれているので、気軽に借りることができます。友達2、3人で利用すると、1日借りて1人30ドルくらいなので、Uberより安く済むときもありますよ。
秋学期から冬学期にかけての楽しみは、何と言ってもシアトルのホーム・チームである、NFLシアトル・シーホークスの試合観戦です。センチュリーリンクでの試合観戦は非常に人気が高いため、チケットが高額な上、入手困難なので、21歳以上ならスポーツ・バーで観戦するのもいいですよ。バーにいるみんなで盛り上がること間違いなしです!
宮西一馬さん(みやにし・かずま)
大学:ハイライン・カレッジ
移動手段:バス、Uber、徒歩
日本の高校を卒業後、半年間勉強し、ハイライン・カレッジに来て2年が経ちました。学校が所有しているアパートにある自宅から学校まで徒歩8分です。
車があったらいいなと思いましたが、日本で運転免許を取ってすぐに渡米したので、アメリカでいきなり運転することに対して不安がありましたし、事故になった場合のリスクを考えたら、必要ないと判断しました。
それに、頻繁に外出する方ではないので、車が絶対に必要というわけでもありません。車がないと、お金と時間の節約になりますし、歩くことが多くなるので、健康にいいと思います。
ですが、車がないと移動するのに時間がかかりますね。ハイライン・カレッジは郊外にあるので、大きな買い物をする時や出かける時には車が必要になってきます。バスを乗り継がないといけなかったり、バスが通っていなくて車でしか行けないところもあったりして、行動範囲が狭くなり、簡単に遠くに出かけることができません。夜に外出することが多い人は、安全のためにも車が必要だと思います。
なので、どうしても車が必要な時は Uber を利用します。買い物はルームメイトの車で一緒に行きます。どうしてもバスで買い物に行かなければならない時は、友達数人と空のリュックにそれぞれ分担して、米や水を詰めてバスに乗ったりします。
掲載:2017年10月 取材・執筆:田部井愛理