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大野 利彦さん 神戸市シアトル事務所 所長

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シアトルと神戸が姉妹都市関係を結んだのは、1957年。
その4年後、シアトルのダウンタウンに神戸市事務所が開設されました。以来、同事務所は両市間の貿易の活性化と友好関係の促進を目的として、さまざまな活動を行っています。今月は所長の大野利彦氏にお話を伺いました。
※この記事は1999年1月に掲載されたものです。

神戸と言えば、まずあの大震災が浮かびますが、その後、復興状態はいかがなものでしょうか。

あの時の地震では、何千人もの命が失われ、神戸全体が大きな被害を受けま した。歴史ある神戸港もそうですが、市全体の機能が麻痺してしまったのです。以後 、さまざまな復興事業が進められ、今では表面上は元に戻ったかのように見えます。しかし、神戸の港湾施設が復興宣言を出してからも、取り扱い貨物の量はまだまだ 復興前のレベルには達していません。また、神戸の企業も震災による被害に日本の 不況が追い討ちをかけ、復興も8割程度とのことです。

目につく中心地はきれいですが、本当の復興はまだ来ていないのですね。

確かに、中心地の三ノ宮・元町・神戸周辺では新しいビルが立ち並び、ちょっと足を踏み入れただけでは美しい神戸が復元されたように見えます。しかし、未だに仮設住宅に住む事を余儀なくされている人達など、たくさんの課題が残されています。

その神戸を盛り立てる意味でも、神戸市シアトル事務所の存在は非常に大切な意味を帯びていますね。

さまざまなプロジェクトがありますが、ワシントン州は貿易で成り立っている州です。そこで、日本へ進出したい、日本でパートナーを見つけたいという企業のために、神戸へビジネス・ミッションを送ります。ボーイングやマイクロソフトなどシア トルを代表する企業もありますが、何社もの在シアトル企業を神戸商工会議所に加盟している在神戸企業に紹介し、国際ビジネス発展のお手伝いをするわけです。また、国際会議を誘致したり、姉妹都市の交流のサポートをしたりと、とにかくいろいろな事業が両市の発展に結びついています。

その逆に、神戸からシアトルへ、という企業はありますか。

シアトルから日本・神戸へ進出しようという企業はたくさんあっても、神戸の企業にはそういった計画がなかなか見られないのが悩みの種です。震災や不況で仕方がないとは思いますが、やはり元気がないですね。でもきっと復興して、これまで以上の活発な貿易が行われる日が来ると信じています。神戸の本当の復興のために、これからも神戸市シアトル事務所として、できるだけの事をしていきたいと思っています。

【関連サイト】
神戸市シアトル事務所 公式サイト
シアトル市 公式サイト
神戸市 公式サイト
兵庫県 公式サイト

掲載:1999年1月

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