2020年3月に当時33歳の黒人男性マニュエル・エリスさんが殺害された事件で、タコマ市の警察官3人が刑事責任を問われることになったと、シアトルの主要メディアが速報で報じました。
ファーガソン司法長官は27日、エリスさんの殺人事件に関与したタコマ市警のクリストファー・バーバンク被告とマシュー・コリンズ被告を第2級殺人罪で、ティモシー・ランキン被告を第1級過失致死罪で起訴したと発表しました。
ニュースリリースによると、有罪判決を受けた場合、前科のない第2級殺人の標準的な刑期は10年から18年、前科のない第1級過失致死罪の標準的な刑期は6.5年から8.5年。両犯罪の最高刑は終身刑です。3人の警官には逮捕状が出されています。ワシントン州司法長官室が警察官を違法な殺傷力の行使で刑事告発したのは今回が初めてであり、ワシントン州の有権者が2018年11月にイニシアチブ940を採択して以来、ワシントン州で法執行官に対して殺人罪の告発が行われたのは2回目となります。
この事件は当初、ピアス郡保安局が捜査を行っていましたが、保安官補佐がエリスさんの拘束を手伝ったことが確認されたことから、ワシントン州のインスリー知事は捜査をワシントン州警備隊に委ね、ボブ・ファーガソン司法長官室が起訴の判断をすることになりました。
シアトル・タイムズによると、ワシントン州では警察官が職務中に死亡を引き起こしてもほとんど起訴されないという歴史的な傾向があり、エリスさんの死亡に関する告発が行われるまで、過去40年間に職務中に人を殺害したとして起訴された警察官はわずか3人でした。また、この事件により、地方と州で規定や法律の変更がありました。事件当時、タコマ警察はチョークホールドとスピットマスクの使用に規定はありませんでしたが、事件後、チョークホールドを禁止しました。また、今年の州議会で、ワシントン州全体でチョークホールドを禁止する法案が可決され、インスリー知事が署名して成立しました。
2018年に有権者の約60%が支持して可決されたイニシアチブ940では、法執行機関が人の死を引き起こすような力を行使した場合、すべての事例について「完全に独立した」調査を行うことが義務付けられています。
ワシントン州のインスリー知事は、ファーガソン司法長官と司法長官室にこの事件の包括的な捜査を行ったことに感謝する声明を出しています。全文は知事室の公式サイトで確認できます。