シアトルの玄関口にあたるシアトル・タコマ国際空港に新しく完成した国際線到着施設(International Arrivals Facility:IAF)が、5月10日に正式にオープンしました。
Aコンコースに到着した国際便の乗客は、税関・国境警備局での手続きのため、ゲートや誘導路を見渡せる窓が連なるインターナショナル・コリドアと呼ばれる回廊を通り、新しい国際線到着施設に入ります。
この回廊の完成により、新しいゲートを建設することなく、既存の8つのゲートをアップグレードし、国際線の長距離路線に使われるワイドボディ機に対応することが可能になりました。
また、S コンコースに到着した国際便の乗客は、世界で最も長い誘導路上の空中歩廊(長さ780フィート/約238m、地上85フィート/約26m)を渡ることになります。
どちらのコンコースに到着しても、新しい国際線到着施設のグランドホールに入ります。このグランドホールは、広々とした手荷物受取所と税関手続きエリアで、従来のSコンコースの4倍以上の広さがあります。
これに合わせて、入国審査(immigration: イミグレーション)から空港を出るまでの基本的な流れが変更しました。詳細は「シアトル・タコマ国際空港での入国の流れ」参照。
シアトル・タコマ国際空港では、年内にモントリオール(エア・カナダ)、ダブリン(エアリンガス)、ロンドン(デルタ航空)、エドモントン(アラスカ航空)、ヘルシンキ(フィンエアー)との直行便の就航が予定されており、合計44便の国際便が運航され、25の航空会社が29の国際都市に直行便を就航させる予定。パンデミック前の42便、26都市、22航空会社から増加したことになります。
【新しい国際線到着施設の主な見どころ】
- 国際線対応ゲートが12から20に増加
- 1時間に対応できる旅客数が現在の1200人から2600人に増加
- 授乳室、ペット休憩室、トイレなどのアメニティを通関中のスペースに追加
- 高度な技術の導入により、パスポートチェックの迅速な通過を実現
- 荷物受取所(バゲージクレーム)のカルーセルのサイズを大きくし、4個から7個に増加
- 旅客の乗り継ぎにかかる時間を90分から75分に短縮
- 屋内の水使用量を削減する低流量トイレ、LED照明、エネルギー効率の高いエスカレーターモーター、可変速モーターを搭載した荷物搬送装置
- 建物の3分の2が自然光を取り入れるようにすることで開放感、概日リズムを強化し、エネルギー消費量を削減
写真(一部)提供:シアトル・タコマ国際空港