
1957年から姉妹都市として交流を続けてきたシアトル市と神戸市の絆を伝える新しいストーリーポールが、シアトルから神戸市に贈られ、一般に公開されました。
22日(現地時間)に神戸市中央区の東遊園地で開催された寄贈式典には、このストーリーポールを制作したピュアラップ族のショーン・ピーターソン氏、初代のストーリーポールを制作したジョセフ・ヒレア氏のひ孫のダン・フライデー氏をはじめ、シアトル市のブルース・ハレル市長、神戸市の久元喜造市長、ジェイソン・クーバス在大阪・神戸米国総領事、ワシントン州のスティーブ・ホブズ州務長官、Port of Seattle コミッショナーのサム・チョウ氏ら、70人近くが出席しました。
コースト・セイリッシュのしきたりに則って行われた式典では、伝統の歌や楽器演奏、祈りが捧げられ、市長や部族の代表者らが祝福の言葉が贈られた後、新しいストーリーポールが公開されました。
新しいストーリーポール『絆を讃えて Honoring Our Connection』

『絆を讃えて Honoring Our Connection』と名付けられたこの新しいストーリーポールは、毛織物のブランケットを羽織った女性と鷲の二つのパーツで構成されています。
制作したピーターソン氏は「この女性は大地とのつながり、そして大地からもたらされるものを体現しており、ブランケットはコースト・セイリッシュにおける豊かさの象徴です。また、鷲はコースト・セイリッシュにおける「何世代にもわたる歴史」、太平洋に面する北西部太平洋地域の文化で「名誉」を表し、アメリカ合衆国のシンボルでもあります」と解説しています。
初代のストーリーポールの設置とその後
初代のストーリーポール(当時はトーテムポールと呼ばれていた)は、1957年にシアトルと神戸が姉妹都市提携を結んだことを記念して制作され、1961年に神戸市役所側の広場(旧・花時計広場)に設置されました。
そのデザインと制作を請け負ったのは、コースト・サリッシュのルミ・ネーションを代表するストーリーポールの制作者、ジョセフ・ヒレア氏。ヒレア氏は、シアトルでほぼ完成に近い状態まで作ったストーリーポールを神戸に輸送し、仕上げの作業を一般公開したほか、神戸まつりでもパレードに参加し、姉妹都市の交流に積極的だったと記録されています。
この初代のストーリーポールは、その後54年にわたり市民に親しまれてきましたが、損傷が進んだため、2015年に撤去された後、ネイティブ・アメリカンのしきたりにしたがって、神戸市北区の森林植物園にて土に帰る工程の途中にあります。
これを受けて、シアトル・神戸姉妹都市委員会、シアトル市、Port of Seattle が、新たなストーリーポールを寄贈することを決定したのが2017年。2022年にシアトルからハレル市長とピーターソン氏を含む約65名の訪問団が神戸を訪れた際、ストーリーポールのデザインとその意味が発表されました。その後、ピーターソン氏はシアトル郊外のタコマ市にあるスタジオで制作を完了しました。