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アメリカ留学、過去最多の122万人超え:2023–2024年の国別・分野別動向と日本からの留学生の推移

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国際教育研究所(Institute of International Education)が11月18日に発表したデータで、2023–2024年度にアメリカの高等教育機関に在籍する留学生数は過去最多の1,126,690人となり、前年から6.6%増加したことがわかりました。

目次

国別ランキング:インドが初の首位、中国は減少傾向

国別の留学生数では、インドが33万1602人で初めて首位となり、前年から23.3%増加しました。一方、中国は27万7398人で4.2%減少し、2位となりました。

上位10か国は以下の通りです:

順位国名留学生数前年比増減率
1インド331,602+23.3%
2中国277,398-4.2%
3韓国43,149-1.6%
4カナダ28,998+4.0%
5台湾23,157+6.1%
6ベトナム22,066+0.8%
7ナイジェリア20,029+13.5%
8バングラデシュ17,099+26.1%
9ブラジル16,877+5.3%
10ネパール16,742+10.9%

大学院生とOPTが過去最多 専攻はSTEMが依然として人気

学位別では、大学院生が502,291人で8%増加し、OPT(Optional Practical Training)参加者は242,782人で22%増加しました。一方、学部生は342,875人で1%減少しました。

留学生の56%がSTEM(科学・技術・工学・数学)分野を専攻しており、特に数学・コンピューターサイエンス(25%)と工学(19%)が人気です。

日本からの留学生の推移:減少傾向が続く

日本からの留学生数は、戦後の高度経済成長期に増加し、1999–2000年度には4万6872人でピークを迎えました。その後は長期的な減少傾向が続き、2020–2021年度にはパンデミックの影響で1万1785人にまで落ち込みました。

近年はやや回復傾向にあり、2021–2022年度には1万3449人、2022–2023年度には1万6054人と増加しましたが、2023–2024年度には1万3959人と再び減少に転じています。

トランプ政権下での留学生政策の変化と今後の展望

留学生はアメリカの高等教育機関全体の5.9%を占め、2023年には500億ドル以上の経済効果をもたらしたとされています。

しかし、2025年に入ってから、第二次トランプ政権は留学生や留学生を受け入れる教育機関に対する圧力を強めています。例えば、2025年6月4日、トランプ大統領は、ハーバード大学に留学する外国人に対する学生ビザ発給を制限する大統領布告(presidential proclamation)に署名しました。この措置は、国家安全保障上の懸念を理由として、ハーバード大学が外国人学生を受け入れることを制限するものです。

また、2025年5月には、トランプ政権が中国人留学生の学生ビザを積極的に取り消す方針を発表しました。CBS News などによると、特に、中国共産党と関係のある学生や、重要な分野(STEMなど)を学ぶ学生が対象とされています。

長年にわたり、アメリカへの留学は多くの学生にとって魅力的な選択肢でした。しかし、現権下での政策変更などにより、留学生や教育機関は新たな課題に直面しており、今後の動向に注目が集まります。

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