米国食品医薬品局（FDA）は22日、COVID-19の秋の予防接種に向け、ファイザーとモデルナの改良ワクチン（updated mRNA COVID-19 vaccines）を承認しました。どちらの改良ワクチンも現在流行している変異株「KP.2」をより正確に標的にするもので、COVID-19による入院や死亡を含む深刻な影響からの保護を強化するために改良されました。
KP.2はもはや主流ではなく、現在はKP3.1.1が主流となっていますが、この改良ワクチンを他の変異株と関連性のある変異株を標的にすることで、現在の変異株への感染を防ぐことが目標です。
ニュースリリースによると、FDAは6月初旬にCOVID-19ワクチンの製造業者に対し、2024-2025年版のCOVID-19ワクチンはJN.1系統の単価ワクチンであるべきだと助言しました。しかし、COVID-19を引き起こすSARS-CoV-2がさらに進化し、COVID-19の症例が増加していることを受け、FDAは「可能であれば2024-2025年版のCOVID-19ワクチンにおける推奨系統としてKP.2系統を採用すること」と勧告しました。
現在の感染状況
22日時点で、CDC（疾病予防管理センター）によると、COVID-19の陽性者数は増加し続けており、5月中旬以降、COVID-19による救急外来の受診件数も増加しています。入院者数も増加傾向にあります。
CDCのデータによると、5月11日時点で、昨年の改良ワクチンを接種した18歳以上の人はわずか22.5％でした。生後6ヶ月から17歳の子どもの接種率は14.4％にとどまっています。
FDAは、ワクチン接種は依然としてCOVID-19感染を予防することの基盤であることから、これまでのウイルスへの曝露やワクチン接種による免疫が低下していることを考慮し、現在流行している変異株に対する保護を強化するためにも改良ワクチンの接種を強く推奨しています。接種対象は生後6ヶ月以上ですが、医療従事者にご確認ください。
知っておくべきこと
CDC（疾病予防管理センター）の発表を日本語でまとめました。
- 生後6ヶ月の人は全員が改良ワクチンの接種を受けることができます。これには、以前にCOVID-19ワクチンの接種を受けた人や、COVID-19に感染したことがある人も含まれます。
- COVID-19ワクチンは、重症化、入院、死亡の可能性を下げる役割があります。
- 特に、65歳以上の方、重症化するリスクが高い方、長期介護施設に住んでいる方、妊娠中、授乳中、妊娠を希望している、または将来的に妊娠する可能性がある方、COVID-19による長期後遺症のリスクを減らしたい方、またはこれまでにCOVID-19ワクチンを接種したことがない方は、2024–2025年版のワクチンを接種することが重要です。
- ワクチンの効果は時間とともに低下するため、最新のワクチンを接種し続けることが大切です。
- 接種を受けるタイミングと回数については、CDCの公式サイトでご確認ください。
- 改良ワクチンの接種を受けると、これまでの mRNAワクチン接種者が報告した副作用と同様の副作用が現れる可能性があります。
- 改良ワクチンは、現在流行している変異株からの保護効果が期待されています。
- SARS-CoV-2の著しく感染力の高い変異株が出現しない限り、季節性インフルエンザワクチンと同様に、COVID-19ワクチンの組成は毎年評価される必要があるとFDAは予想しています。
