交通事故による歩行者とサイクリストの死者数・重傷者数を2030年までにゼロにすることを目標に掲げるワシントン州交通局は、車のスピード管理ツールと最高時速制限の引き下げ、横断歩道の改善などを行っています。
その一環で、車でサイクリストを追い越す際、最低3フィート(91cm)の間隔を空けて安全を確保することを義務付ける法律(Senate Bill 5723)が昨年、ワシントン州議会で可決され、2020年1月1日に施行しました。
これまでサイクリストを追い越す際に必要な間隔は「安全通過距離」(safe distance)と定義されているだけでしたが、この新しい法律では主に次のように定められています。
- 片側2車線以上ある道路でサイクリストを追い越す場合、ドライバーは左の車線に完全に出て、サイクリストを左側から追い越す必要があります。その後、右の車線に戻る場合は、後ろのサイクリストとの間の距離が十分に安全な状態になってからにします。
- 片側1車線の道路では、ドライバーは安全な速度まで落とし、サイクリストとの間に最低3フィート(91cm)の間隔を空けてから、追い越す必要があります。
- 片側1車線の道路で、追い越すスペースがない場合、ドライバーは安全を確認してから対向車線に完全に出て、サイクリストを追い越す必要があります。
この法律に違反したことが認められた場合、違反チケットが切られ、罰金が科されます。徴収された罰金は安全な道路の利用を教える教育プログラムに使われます。
ワシントン州交通局によると、2018年にワシントン州で交通事故によって死亡した歩行者とサイクリストの合計は123人。このうちサイクリストは15人と、2014年の6人の2.5倍となりました。また、重傷者は535人で、このうちサイクリストは2014年の112人から132人に増えています。