夏の旅行シーズンが始まり、米国で再び COVID-19の感染拡大が始まっています。
ワシントン州では、5月末と6月初めに COVID-19が原因での救急(ED)の訪問が約3分の1増加し、入院も増加していることがわかりました。同様の傾向は全米で見られます。
こうした状況を受け、キング郡公衆衛生局は「旅行中に病気にならないよう、空港の待合室のような混雑した場所ではマスクを着用してください」と呼びかけています。
KUOW は「現在のワシントン州での感染の増加は、過去数年間に見られた感染拡大ほど大きなものではないが、最近の低い水準から相対的に大きな増加を示している」と報じています。
予防接種を受けてから免疫ができるまで、少なくとも2週間かかります。米国で最新の予防接種を受けておくことが推奨されています。なお、外国への入国に義務付けられている予防接種があれば、旅行前に接種を受けましょう。詳細は CDC の公式サイトでご確認ください。
下水検査でウイルス濃度の変化を追跡
しかし、現在は大規模な公衆検査場はなく、多くの家庭での検査は報告されていないことから、COVID-19の症例数や地域社会での流行状況の把握は難しい状況です。
ワシントン州では、廃水(下水)検査(wastewater surveillance)を通じて地域全体の感染状況の把握に努めています。COVID-19を引き起こすウイルス「SARS-CoV-2」は人間の排せつ物に含まれることがその理由で、検査によってわかったウイルスの濃度はワシントン州保健局の公式サイトで公開されています。
それによると、シアトルなどのあるピュージェット湾地域では、他の地域と比べ、ウイルス濃度が高くなっています。
しかし、ウイルス排出率が感染者間で異なること、変異株やその他の人口統計学的および環境要因の違いがあることなどから、ウイルス濃度の変化を慎重に分析し、症例数や入院データなど他のデータとともに結果を評価することが重要とされます。
全米の感染状況の全体像を把握するため、下水検査の結果は CDC にも報告され、一般公開されています。6月13日の検査結果に基づくと、ワシントン州全体の感染状況は「中程度」(moderate)。モンタナ州とフロリダ州は「非常に高い」、カリフォルニア州・ニューメキシコ州・フロリダ州・コネチカット州・メリーランド州は「高い」レベルとなっています。詳細は CDC の公式サイト参照。