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アラスカ航空のボーイング737-9 MAX、機体の一部が吹き飛び、ポートランドに引き返す

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今月5日午後5時ごろ、オレゴン州のポートランド国際空港発カリフォルニア州オンタリオ行きのアラスカ航空1282便が、離陸から6分後に高度16000フィートに達した時点で機体の一部が外れて吹き飛んだため、ポートランド国際空港に引き返しました。

もくじ

事故のタイムライン

発表されている事故のタイムラインは次のとおりです。

午後5時7分:ポートランド国際空港を離陸
午後5時13分:プラグドアが吹き飛ぶ
午後5時20分:ポートランド国際空港に引き返して着陸

プラグドアが吹き飛んだ横の座席は無人で、乗客・乗員に大怪我をした人はいませんでしたが、一部の乗客は軽傷を負い、治療を受けたと報じられています。

機体はボーイング 737-9 Max

今回の機体はボーイング 737-9 Maxで、ボーイングによると、乗客数は最大220名、航続距離は3,300マイルです。以前の737よりも燃料効率が高く、騒音が少なくなるよう設計されています。

外れたのは後部左側の非常口を覆う「プラグドア」(plug door)と呼ばれる部分。格安航空会社では座席数を増やすため、このドアが乗降口として使われますが、アラスカ航空では乗降口として使用されておらず、内部からは窓となるように塞がれています。

アラスカ航空は事故が起きてすぐ737-9 Max の運航を停止し、機体の検査を開始。翌6日には FAA(アメリカ連邦航空局)が、同じ構造の737-9 Max の国内の運航停止を命じました。

シアトル・タイムズによると、調査を行っている NTSB(運輸安全委員会)は、今回の機体は昨年12月7日、今年1月3日、1月4日の3便で加圧警告灯が点灯したことをアラスカ航空に確認しました。しかし、NTSBは、この加圧警告灯が点灯が金曜日の事故と関連がない可能性があると指摘しています。アラスカ航空は、この3回におよぶ加圧警告灯の点灯を受け、この機体のハワイへの飛行は制限し、必要であればすぐに空港に戻れる航路に配備していたとのことです。

事故後、吹き飛んだプラグドアの捜索が行われていましたが、7日になってポートランドの個人宅の裏庭に落下しているのを発見されています。回収されたプラグドアは、ワシントンDCに輸送され、NTSBの研究所で更なる調査が行われる予定。機体から吹き飛ばされたと見られるスマートフォンもポートランドで2つ見つかっており、NTSBに引き渡されています。

NTSB(運輸安全委員会)が調査を主導

NTSB(運輸安全委員会)のジェニファー・ホメンディ委員長は、「この事故により機内の減圧が起こり、混乱が生じ、近くの二つの座席のヘッドレストが外れ、一つの座席の背もたれが無くなり、事故現場には衣類が残されていた」と記者会見で述べました。

「巡航高度の35,000フィートで運航中だった場合、立っていたり歩いていたりトイレを利用していたりした人々がいれば、事故はもっと悲惨なものになっていた可能性がある」

NBC は、「キャビンの急速な減圧が起こると、低酸素症状が発生し、目眩や意識喪失、さらには恒久的な脳損傷の可能性もある」との FAA(連邦航空局)の解説を報じています。

機体の検査を継続

FAA(連邦航空局)は、8日にボーイングの手順に基づいた点検を航空会社に指示。国内でボーイング 737-9 Maxを所有しているのは、米国ではアラスカ航空(65機)とユナイテッド航空(79機)のみで、その点検には数日かかる可能性があります。

アラスカ航空は5日、すべての737-9 Max の運航を中止し、6日には検査の結果、18機は問題がないと判断したと発表。しかし、FAA が緊急の航空適航指令を出し、すべてのボーイング737 Max 9の運航保留を命じたため、8日の時点で運航していません。アラスカ航空は声明で、「詳細な検査を受けた18機は、FAAの指令に基づく検査に合格するまで運用を再開しない」と述べています。なお、8日午後6時30分付の発表で、同社のメンテナンス技術者が737-9 MAXの複数機でボルトの緩みが見られたことが報告されました。同社は、FAAとボーイングの協議に基づく詳細な指示に従って徹底的に検査し、すべての手順が完了するまで、いかなる機体も運用に戻されないとしています。この件に関する最新情報は公式サイトで随時更新されています

また、ユナイテッド航空も、6日に検査を始めたボーイング737 Max 9の複数機で、ボルトの緩みやドアプラグの取り付けに関する問題が見つかったと発表したと、AP通信が8日に報じました。シアトル・タイムズも「先週末にアラスカ航空の737 MAX 9の胴体の一部が吹き飛んだ後、ボーイングが直面している問題の範囲が月曜日に明らかになった。この航空機を運用している米国の航空会社2社が、さらなる懸念事項を発見したのである」と報じています。

一連の運航停止の影響で、数百便が欠航し、数万人の乗客に影響が出ています。

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