MENU

スカンジナビアからの移民の文化が残る『Ballard(バラード)』

  • URLをコピーしました!
バラード

シアトル市内の東端にあるバラードは、長い間 『Xacho-absh』(湖の人々)と呼ばれるネイティブ・アメリカンが生活していた地域です。1850年代に白人の入植者がやってきて、土地の開発を始めました。その後、北欧のスカンジナビア諸国からたくさんの移民が移り住み、現在もその文化が息づいています。

もくじ

バラードの歴史

バラードという名前は、汽船の船長だったウィリアム・ランキン・バラード氏(William Rankin Ballard; 1847-1929)の名前から。所有地がワシントン州に併合される際、自分の名前を町の名前に使用することを認めたそうです。

バラードの中心部は NW Market Street、Ballard Avenue、21st Avenue が交差するあたり。NW Market Street と 21st Avenue の角にあるバーゲン・プレースには、スカンジナビア諸国の旗が掲揚され、ノルウェーの国王夫妻が1996年に寄贈した壁画があります。

シルショア・ベイ

ピュージェット湾に面したシルショア・ベイ・マリーナに、ヴァイキングの探検家レイフ・エリクソンの銅像が立っています。

History.com によると、彼は現在のグリーンランドにヨーロッパ人として初めて入植した「赤毛のエリック」(Erik the Red)の息子で、西暦1000年頃にノルウェーからグリーンランドに戻る際、北アメリカ大陸に到着したとされています。レイフはその土地をVinlandと呼び、一冬を過ごした後、グリーンランドに戻り、北米大陸に戻ることはありませんでした。1492年にクリストファー・コロンブスが北アメリカ大陸に到達する4世紀近くも前のことです。

レイフの銅像の足元は、バラードのスカンジナビア系移民の名前が刻まれた一枚岩が囲っています。

国立ノルディック博物館

バラード

2017年に現在の場所に完成した美しい建物に移転したノルディック博物館は、北欧諸国からの移民を称える博物館としては米国唯一の国立博物館です。デンマークやスウェーデン、ノルウェーやフィンランド、アイスランド、そして先住民の文化遺産の展示は、じっくり見ると半日かかります。1階には北欧の食事が楽しめるカフェ、北欧文化が感じられるアートやクラフトなどを販売するミュージアムショップもあります。

チッテンデン水門とフィッシュ・ラダー

チッテンデン水門

バラードのピュージェット・サウンドに面した西端はマリーナとして開発され、南部はピュージェット・サウンドとレイク・ユニオンを結ぶ小さなチッテンデン水門、北部はオリンピック半島のオリンピック山脈が見える公園ゴールデン・ガーデンズ・パークに面しています。

このチッテンデン水門の正式名称は 『Hiram M. Chittenden Locks』(ハイラム・エム・チッテンデン・ロックス)。水位の高い淡水湖レイク・ユニオンと水位の低いピュージェット・サウンドが交わる地点で水位を調節するのがその目的で、水位の低い海側から水位の高いレイク・ユニオンに入る場合は水位を上げ、レイク・ユニオンから海へ出る場合は水位を下げて通過します。

白人がシアトルに入植した1850年当時から水門が必要であるとされていましたが、1911年に資金源や建設地の決定がなされた後、紆余曲折を経てようやく1936年に完成しました。その名称は、建築に携わったハイラム・M・チッテンデン技師にちなんだもの(ローカルは 『The locks』 または 『Ballard locks』 と呼びます)。ボートを所有している一般市民の数はシアトルが全米1位で、年間10万隻を超える船がこの水門を利用しています。

水門を見た後は、その隣にあるコモドア・パークでフィッシュ・ラダー(fish ladder)を見てみましょう。ピュージェット・サウンドからレイク・ワシントンを通り、カスケード山脈の川へ産卵に戻って行く鮭が通るのがこのラダー(梯子)で、夏はソッカイ・サーモン(Sockeye Salmon:紅鮭)、冬はスチール・ヘッドがピョンピョンとはねているのをガラス越しに見ることができます。公園内のビジター・センターではロックスの歴史や機能について詳しく教えてくれるツアーも(夏は毎日遂行、冬は週末のみ)。また、春から秋にかけてはロックスのそばにある庭園 『Carl S. English, Jr. Botanical Gardens』 で色とりどりの花を見ることができます。

ゴールデン・ガーデンズ・パーク

ゴールデン・ガーデンズ・パーク

バラードの中心から車で約5分のところにあるゴールデン・ガーデンズ・パーク(8498 Seaview Place NW)は、砂浜が広がるビーチ。ピュージェット・サウンドに面しており、晴れた日の夕方は対岸の島々や雪を抱いたオリンピック山脈と西に沈む夕日のコントラストが美しいところです。週末ともなると日光浴やビーチバレー、バーベキューを楽しめます。

毎週日曜開催のファーマーズ・マーケット

ファーマーズ・マーケット

毎週日曜には Ballard Avenue でファーマーズ・マーケットが開催されています。産地直送の野菜や果物、そしてオーガニックのパンやチーズなど、健康にいいもの、新鮮なものを仕入れたいならぜひ訪れてみましょう。

  • URLをコピーしました!

この記事が気に入ったら
フォローをお願いします!

もくじ