シアトル・マリナーズは1977年に創設されて以来、多くのスター選手が活躍してきました。1992年に任天堂の元社長・山内溥氏が財政難にあったマリナーズの過半数の株式を取得して移転を防いでから数々の日本人選手がプレーし、チームの成長とともにファンの記憶に残る数々の名シーンが生まれています。この記事では、これまでマリナーズでプレーした日本人選手の歴史と功績をわかりやすく紹介します。
1996年~1999年 マック鈴木
1975年生まれ。兵庫県神戸市出身。1992年にアメリカに野球留学し、1996年にシアトル・マリナーズと契約。同球団初の日本人選手として同年7月7日に21歳でデビューし、1964年の村上雅則、野茂英雄に続く3人目の日本人メジャーリーガーとなりました。翌年マイナーに降格したものの、1998年にマリナーズに再昇格し、メジャー初勝利を挙げました。1999年シーズン中にカンザスシティ・ロイヤルズに移籍。その後もさまざまな球団でプレーし、2002年に引退。
2000年~2003年 佐々木主浩

1968年生まれ。宮城県泉市出身。2000年に横浜ベイスターズからシアトル・マリナーズに海外FA権を行使して移籍。日米で抑え投手として活躍し、メジャーリーグでは初年度に新人記録の37セーブを挙げ、アメリカンリーグ新人王に選ばれました。2003年にマリナーズを退団するまでの4年間に日本人選手として最多となるMLB通算129セーブ、NPB時代だけで歴代3位となる252セーブを記録。愛称は「大魔神」。2004年にマリナーズから横浜ベイスターズに戻り、2005年に引退。
2001~2012年、2018~2019年 イチロー(鈴木一朗)

1973年生まれ。愛知県出身。日本人初のポスティングシステムでオリックスからシアトル・マリナーズに移籍し、日本人野手初のメジャーリーガーとなりました。20001年のMLBデビューシーズンにシーズン242安打(当時歴代9位)を記録し、メジャーリーグの新人最多安打記録を更新するとともに、新人王・MVP・首位打者・盗塁王・シルバースラッガー賞・ゴールドグラブ賞という数多くのタイトルを受賞。マリナーズはこの年、リーグ優勝を果たしています。2012年7月にマリナーズからニューヨーク・ヤンキースに移籍し、マイアミ・マーリンズでもプレーした後、2018年にマリナーズに復帰。2018年5月から試合に出場せず球団の会長付特別補佐を務めた後、2019年3月21日に東京ドームで行われたシーズン開幕シリーズに出場し、試合終了後に引退しました。以来、マリナーズの会長特別補佐兼インストラクターとして、外野守備、走塁、そして打撃コーチと協力してバッティングを中心に指導しています。
2021年11月にマリナーズの殿堂入りし、2025年1月にアジア人初の米国野球殿堂(National Baseball Hall of Fame)入りを果たしました。同年8月、イチロー氏(鈴木一朗)の背番号「51」を永久欠番にする式典が開催され、2026年に本拠地 T-Mobile Park の外に銅像が設置されることが発表されました。

2001年~2005年 長谷川滋利
1968年生まれ。兵庫県加古川市出身。1997年にオリックスからアナハイム・エンゼルスに移籍し、2001年にシアトル・マリナーズに移籍。2003年に球団新記録となる29試合連続無失点を樹立。2005年に日本人初となる500試合登板を達成しました。2006年に引退。
2004年~2005年 木田優夫
1968年生まれ。東京出身。1987年に読売ジャイアンツに入団。1998年にオリックスでプレーした後、デトロイト・タイガースに移籍してメジャーデビュー。2000年から2001年に再びオリックスでプレーしましたが、2003年にロサンゼルス・ドジャースへ移籍。シアトル・マリナーズでは2004〜2005年にプレーしました。シーズン終了後、自由契約になり、日本のプロ野球界へ復帰。2012年に引退。
2006年~2009年 城島健司
1976年生まれ。長崎県出身。1994年に福岡ダイエーホークス(現・福岡ソフトバンクホークス)に入団。2006年に海外FA権を行使してシアトル・マリナーズに入団し、日本人初のメジャーリーグ捕手として活躍しました。また、メジャーリーグでの最初の2試合でホームランを打った最初のメジャーリーグ捕手でもあります。2009年にマリナーズを退団し、阪神タイガースでプレーした後、2012年に引退。
2012年 川崎宗則
1981年生まれ。鹿児島県出身。2000年に福岡ダイエーホークス(現・福岡ソフトバンクホークス)に入団。2012年に海外FA権を行使して、シアトル・マリナーズに入団しました。翌年にはトロント・ブルージェイズへ。シカゴ・カブスでもプレーしました。2017年に福岡ソフトバンクホークスと再契約しましたが、同年に引退。
2012年~2017年 岩隈久志
1981年生まれ。東京出身。2000年に大阪近鉄バファローズに入団。オリック・バファローズ、東北楽天ゴールデンイーグルスでプレーした後、海外FA権を行使してシアトル・マリナーズに移籍しました。2015年8月12日の対ボルチモア・オリオールズ戦でノーヒットノーランを達成。2017年シーズン半ばから怪我で故障者リスト入りし、2018年に退団しました。2020年に引退。
2016年 青木宣親
1982年生まれ。宮崎県出身。2004年にヤクルトスワローズに入団。2012年に2年契約でミルウォーキー・ブルワーズと契約してメジャーデビュー。その後、カンザスシティ・ロイヤルズ、サンフランシスコ・ジャイアンツを経て、2016年にシアトル・マリナーズに移籍し、シーズンオフにヒューストン・アストロズに移籍しました。2018年にヤクルトスワローズに復帰。2024年に引退。
2019年~2021年 菊池雄星
1991年生まれ。岩手県盛岡市出身。2010年に西武ライオンズに入団。2019年にシアトル・マリナーズに移籍し、同年にシーズン開幕シリーズ第2戦の先発投手としてメジャーデビュー。2021年シーズン終了後に FA となり、トロント・ブルージェイズへ移籍。その後、ヒューストン・アストロズでプレーし、2024年からロサンゼルス・エンゼルスで活躍中。
2020年 平野佳寿
1984年生まれ。京都府宇治市出身。2006年にオリックス・バファローズに入団。2018年にアリゾナ・ダイヤモンドバックスに2年契約で移籍し、2019シーズン終了後に FA に。2020年にシアトル・マリナーズと単年契約しましたが、COVID-19のパンデミックの影響により、春季キャンプが3月に中止され、7月に再開するも、平野は COVID-19陽性が確認され故障者リスト入り。その後、陰性が確認されキャンプに合流し、8月22日のテキサス・レンジャーズ戦で移籍後初登板を果たした。翌年に日本プロ野球のオリックスに復帰。
2025年 藤浪晋太郎
1994年生まれ、大阪府堺市出身。2012年に阪神タイガースからドラフト1位で入団し、2013年にプロデビュー。阪神で活躍後、2023年にオークランド・アスレチックスに移籍。同年にボルチモア・オリオールズ、2024年にニューヨーク・メッツに所属した後、2025年1月、再びメジャーでの活躍を目指してシアトル・マリナーズ傘下の3Aタコマ・レイニアーズで21試合に登板しましたが、同年6月に契約解除に。同年7月、日本プロ野球のDeNAに入団。