予防接種
子犬や子猫は生後6週間で DHLPP(Distemper, Hepatitis (CAV-2), Leptospirosis, Parainfluenza, Parvovirus:ジステンパーという伝染病、肝炎 CAV-2型、レプトスピラ症、パラインフルエンザ、パルボウイルス感染症)の予防接種を受ける必要がある。これらの予防接種は一般に、”first set of shots” と呼ばれており、獣医によって意見が異なる場合があるが、トレーニング・クラスではこれらの予防接種を受けていることが条件となっていることもある。
また、シアトル市のあるキング郡では、すべての犬と猫が生後6ヶ月前と生後1年目に、脳と神経を冒すウイルス性の病気である “rabies”(狂犬病)の予防接種を受けることを義務付けている。自分の住む郡での予防接種の規則については、郡やアニマル・シェルター、獣医に問い合わせよう。
これらの予防接種は獣医のところで受けることができ、“rabies”(狂犬病)の予防接種の効力はブランドによって1年から3年となっている。獣医は予防接種の記録を保存してくれるが、自分もきちんと記録を保存しておく必要がある。また、その他の予防可能な感染症(preventable infectious diseases)の予防接種(vaccination)や、寄生虫(parasite)のコントロールも必要だ。他の犬と交流するプレイ・セッションやボーディング・ハウスなどを利用する場合に、この予防接種の記録(vaccination record)を持参する必要がある。
シアトル・アニマル・シェルターによると、アメリカで犬に噛まれて治療を受ける人は、報告されているだけで年間50万人から100万人とされ、年平均約12人が犬に噛まれたことが原因で死亡している。「大丈夫よ、うちの犬は噛まないから」という飼い主の言葉を信用しすぎてはいけない。被害者のうち60%以上が子供で、米疾病対策予防センター(Centers for Disease Control and Prevention)によると全米の12歳以下の子供の半数が犬に噛まれた経験があると見ている。また、シニア、そして郵便配達人のように民家を訪れる仕事をしている人が噛まれる可能性が高い。
ペットのアレルギー
情報提供: Holistic Animal Clinic セプロウ雅美先生
アレルギーというのは、特定の物質に免疫機能が過敏に反応して E 抗体を作り出し、その抗体がマスト細胞に作用してヒスタミンなどを大量に放出させてしまう状態です。特定の物質とは花粉やハウスダスト、食物、または蚤や蚊の唾液などさまざま。いずれにしても、アレルギー症状を起こした動物は、免疫機能が普通の動物より反応しやすくなっているということです。人間と同じく、遺伝ではないかと言われていますが、なぜアレルギーが起こるかははっきりとわかっていません。ストレスによって悪化する場合もあるようです。
動物の場合、皮膚のかゆみや結膜炎、くしゃみや鼻水などの症状を呈することが多く、自分で皮膚を掻いたり噛んだりして、そこから感染症を起こしてしまいます。西洋医学の治療では、抗生物質と抗ヒスタミン剤、抗炎症薬(主にステロイド)を必要に応じて併用する対症療法が主です。ステロイドはまるで魔法のようによく効くのですが、同時にもともと動物が持つ免疫機構を抑えてしまうという働きもありますから、濫用することで、後年免疫系の疾患をひきおこしてしまう可能性もあります。抗生剤も、感染症の原因となる細菌だけでなく、腸内の共生細菌を殺してしまうので、やはり必要最低限の使用にとどめたいものです。
ホリスティック・ケアのアレルギー治療では、まず、食事をコーンや小麦、副産物(By-Products)を含むものをやめ、良質のたんぱく質や野菜・炭水化物が中心のものに変えます。コーンや小麦を避けるのは、アレルゲン(抗原)となることが多いためです。また、副産物(By-Products)は鶏の羽やくちばし、牛の毛や蹄など不可食部なので、いかなる場合も避けた方が望ましいです。次に、環境の中からアレルギーを起こす原因となるものを排除します。夏場なら蚤や蚊にかまれないようにする、香料や着色料が加えられているシャンプーは使わない、家もこまめに掃除機をかけるなどが挙げられます。その上で、ホメオパシーを使った水鍼や漢方薬の治療を行います。漢方薬は、地黄や黄連など消炎作用のある薬草を中心にしたものを用います。感染症がひどければ抗生物質も使いますが、その場合も体内の共生細菌をサポートするためのケアをするようにしています。
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