アメリカで外食やサービスを利用する際に、戸惑いやすいのが「チップの文化」です。レストランやバーでは、合計金額の10〜20%のチップを支払うのが一般的とされています。
一方で、チップの習慣がない国から来た人にとっては、「特別なことは何もしてもらっていないのに、なぜ追加で支払わなければならないのか」「なぜ代金とは別にチップを支払う必要があるのか?」「仕事に見合った給与は雇用主が払うべきでは?」と疑問を感じることも少なくありません。
でも、シアトル市が最低賃金を時給15ドル以上に引き上げてから、一部のレストランでは人件費の増加を補うため、次のような対策を採用しています。
目次
新しい2つのスタイル
- (A)チップを廃止し、メニュー価格を引き上げる方式
⇒ 客が支払うのは「飲食代 + 消費税」のみ。 - (B)チップを廃止し、飲食代にサービス料を加算する方式
⇒ 客が支払うのは「飲食代 + 消費税 + サービス料」。
※サービス料は、飲食代と税金の合計に対して一定の割合(多くは20%)で計算されます。
もともと「サービス料(service charge)」は、大人数のグループに対して適用されるものでしたが、上記(B)を採用しているレストランでは、人数に関係なく全ての会計にサービス料が加算されます。
税金の計算にも要注意
ここで気をつけたいのが、ワシントン州の税法では、飲食代にサービス料を加算した金額に対して税金がかかるということ。つまり、サービス料を含めた合計金額に対して消費税(シアトル市内では10.35%)がかかります。
たとえば、飲食代が$150.00だった場合の明細は以下のとおりです。飲食代は150.00ドルですが、結果的に48.63ドルを追加で支払うことになります。
内訳 | 金額 |
---|---|
飲食代 | $150.00 |
サービス料(20%) | $30.00 |
税金(10.35%) | $18.63 |
合計 | $198.63 |
事前確認をおすすめ
ワシントン州レストラン協会によると、レストランがサービス料を請求する場合、その旨をメニューやレシートに明記する義務があります。メニューに記載がない場合は、注文前にスタッフに確認するのが安心です。