冬が近づき気温が下がると、安全な運転のための準備が欠かせません。特に、滑りやすい路面での事故を防ぐには、適切な冬用タイヤ(ウィンタータイヤ)の装着が重要です。シアトル市内では積雪はまれですが、気温が氷点下に下がると、道路が見た目では凍結していることがわからないブラックアイスが発生しやすくなります。これにより、都市部でもスリップ事故が起こりやすくなるため注意が必要です。
また、車で数時間走れば、カスケード山脈やオリンピック山脈、ワシントン州東部の一部など、本格的な積雪地帯が広がっています。こうした遠方へのドライブでは、冬用タイヤやチェーンの準備が必須です。この記事では、都市部から雪山まで、状況に応じた冬タイヤの選び方や、積雪地帯での安全運転のポイント、注意すべき道路状況について詳しくご紹介します。
ワシントン州での冬季の運転
ワシントン州は日本の半分近い面積があり、地域によって道路状況がかなり異なります。
シアトル大都市圏では雪は珍しいですが、年に一度程度、数日だけ積もることがあります。
ワシントン州運輸局の「Winter driving tips」を参考にしてください。
自分が雪道の運転や歩行に慣れていても、周りも同じとは限りません。雪道に不慣れなドライバーに車をぶつけられたり、歩道を歩いていたのにはねられたりといった事故も起きやすくなります。
また、道路の凍結はとても怖いものです。特に、降った雨が夜中に凍結してしまうと、黒いアスファルトとブレンドして凍結しているのかどうか見ただけではわからない状態になります。これを「ブラックアイス」と呼びます。詳しくは下記でご一読ください。

スタッドレスタイヤ:studless tires(スタッドレス)
スタッドレスタイヤは、金属製スタッドを使用せずに雪や氷の上で優れたトラクションを発揮するよう設計されています。氷点下でも柔軟性が保たれ、特殊なトレッドパターンでグリップを高めます。幅広い冬の条件に理想的で、スタッドタイヤに比べて音がうるさくないというメリットもあります。Michelin X-Ice、Bridgestone Blizzak、Continental VikingContactシリーズのようなブランドが雪や氷でのトラクションが高いことで評価されています。北米では Blizzak WS90 と X-Ice Snow が最も人気があります。
スタディッドタイヤ:studded tires(スタッドタイヤ/スパイクタイヤ)
スパイクタイヤ(スタッドタイヤ)とはトレッドに金属の鋲(スタッド)を埋め込んだタイヤで、頻繁に道路が凍結する地域や冬が厳しい地域で最適とされます。人気モデルには、Nokian Hakkapeliitta(スタッド付きバージョン)やToyo Observe G3-Iceがあります。
英語では “studded tires” と呼ばれます。この場合の “studded” は、「鋲(スタッド)を埋め込んだ」という意味です。
ワシントン州での使用制限
ワシントン州では、スパイクタイヤは凍結道路で滑らないよう効果を発揮する一方で、そのような道路状況は年間で1パーセントに過ぎず、雨で濡れた道路・乾いた道路・雪道では普通のタイヤの方が停止しやすいこと、道路の表面を損傷して粉塵が増える原因の一つとされることから、使用を制限しています。
通常、ワシントン州でのスパイクタイヤの使用可能期間は11月1日から3月31日まで。この期間以外に使用していると罰金が科せられます。詳細はこちら。
パフォーマンス冬用タイヤ:performance winter tires
スタッドタイヤや標準的なスタッドレスタイヤの極限のトラクションには及ばないかもしれませんが、パフォーマンス冬タイヤは寒い地域での軽い雪や寒冷な湿った条件でも安全性が高いと評価されています。人気の選択肢には、Pirelli Winter Sottozero、Dunlop Winter Sport、Michelin Pilot Alpinがあります。
オールウェザータイヤ:all-weather tires
オールウェザータイヤは、1年を通じて1セットのタイヤを使用したい人に便利なオプションです。従来のオールシーズンタイヤとは異なり、冬のトラクション基準に準拠していることから、三峰山雪結晶(3PMSF)マークが付いています。冬用タイヤほどの専門性はありませんが、穏やかな冬と時折の雪が降るぐらいの地域には良いとされています。Nokian WR G4、Michelin CrossClimate 2、Goodyear Assurance WeatherReady などが人気です。
冬用タイヤを選ぶ際の重要なポイント
冬用タイヤは安全への投資と考えて、適切なタイヤを選びましょう。
- 気候
- 運転習慣
- 車両タイプ
- 地域の規制