執筆者:真知子・フォート
2010年にワシントン州立大学のエクステンション・プログラムでマスターガーデナーの資格を取得して以来、コミュニティ・ガーデンや園芸相談、コミュニティガーデンの世話などボランティア活動を続けています。自宅のスタジオではイケバナ教室を開講中。初級クラスはオンラインでも受講できます。お問い合わせは machikofa@gmail.com まで。
草月指導者連盟会員、草月シアトル支部ボードメンバー、インターナショナルイケバナシアトル支部ボードメンバー
いつの間にか朝晩は冷え込むようになり、秋の気配が感じられる時期に入ってきました。
夏は気温が高くて植物が傷むため、庭のデザインをし直すための移植などができず、ほとんど水やりに集中することになり、面白くない季節です。
でも、秋と春は庭のリフォームに最適の時期。20年が過ぎた我が家の庭を見渡してみると、大きく広がり過ぎた植物が周りの植物を圧迫し、成長が鈍ったものなど目に余るものがあり、大改革の時が来ているようです。そこで、花壇を作り直そうとプランを練ることにしました。雨が降り始めて、土が少しうるおってからだと、移植もしやすく、頻繁に水やりをしなくてよくなり、楽になります。
まず、初心に戻って、庭づくりのコツを書き起こしてみました。
- 庭づくりは春と秋が好期:春はこれから植物が成長する時期。秋は植物が休眠に入るため、庭木がもっとも根付きやすい時期。落葉樹は葉が散ってから翌年の3月ごろまで、常緑樹は早春が植え時。
- 植え場所を間違えると育たない:一日中日が当たるところ、日陰のところ、乾燥しやすいところ、いつも湿っているところ、風がよく抜けるところなど、さまざまな環境がある。自宅の庭の環境の違いをよく知ったうえで、その条件に合う植物を選んで植え込む。
- 調和のとれた配植:花壇の後ろに背の高い多年草や宿根草、真ん中に中型、前にはグランドカバーなどの背の低い植物を植え込む。見栄えが良くなるよう、バランスよく、花や葉の色のコーディネートを考慮する。昔から、庭木はマツなどの背の高い主木を後方へ、副主木、添え木という高さの違う3種を不等辺三角形に植えることが配植の基本とされてきたそう。
- 和風の植物と洋風の植物を混植しない:従来、芝生の庭にモミジやヤツデは似合わず、アンバランスが生じるのを避けるのが常識。しかし、和洋折衷というコンセプトもあり、植物の環境条件が合えばいいかも。要は自分の好みで決める。
- 小さな庭には落葉樹を多く植える:広い奥行きのある庭は、常緑樹を主にして、落葉樹を調和させるのが基本。小さい庭に常緑樹を植えすぎると、より狭く感じられ、冬場は寒々しい庭になる。
- 燐家との境に植える時の注意:生垣は、苗木を境界線よりも30センチ内側に植え付けるのが常識。60センチ幅に育っても燐家へ超境することはなし。落葉樹や花木は、小さな苗木も、数年後に枝葉を広げて隣家に侵入するだけでなく、無数に落ち葉や花がらを落とすようになるので、刈込ができて、あまり高くならない常緑樹がお薦め。
- 花木は四季を通じて楽しめる工夫を:四季の移ろいを伝える美しい花色、花型、香りを楽しむには、それぞれの開花時期を上手に組合わせ、選ぶ必要あり。
庭のリフォームのプランができたら、次に大切なのはエッジングです。日本語で言うなら、花壇の縁取りでしょうか。我が家の芝生沿いの花壇に、しっかりしたエッジングを作らなかったせいで、芝生や雑草が花壇に入り込んできては、取り除くのに手こずってきました。もう体力的にも気力的にも、これ以上無駄な時間を費やすことはできないため、しっかりしたエッジングに変えることにしました。
エッジングには、以前に玄関への小道に使っていたレンガを再利用することに。小道に敷いてあったレンガは、雨が続くと苔が繁殖してヌルヌルになって転ぶ危険性があるため、2016年に自然石に変えたのです。その他には、ホームセンターのガーデンセクションで安価で手に入る黒いビニール製のエッジングも。いろいろなサイズがそろっていますが、長くても花壇のサイズに合わせて切ることができます。
また、リバー・ロックを使って小川が流れるようなエッジングも作ってみました。自分のニーズに合った材料をお選びください。
早春に花を咲かせるスイセンやクロッカスなどの球根類も、今が植え時です。お忘れなく!
来年の早春には、今年の秋に行うリフォームの結果が少しは出てくるので、今から楽しみです!
Happy gardening!
掲載:2021年9月