ベビー用品はかわいいものが多いので、自分の子どものために「あれもこれも買ってあげたい!」と思ってしまうもの。でも、1年先くらいまで使わないようなおもちゃや服に気をとられ、必要なものを買い忘れることのないようにしましょう。ここでは、赤ちゃんが生まれてくる前に揃えておきたいものをご紹介します。
1. カーシートとベース
カーシートとベースの使用は法律で義務付けられています。カーシートとは、赤ちゃんを入れて運ぶためのもの。車の後部座席には、このカーシートをはめこむためのベースを備え付けておき、移動の際はそのベースにはめて、しっかり固定します。
たくさんのメーカーや種類がある中から、どんなふうに選べばいいのでしょう?The Safety Restraint Coalition のおすすめ、Mayo Clinic の「よくある9つの間違いリスト」(英語)などが参考になります。
カーシートはその90%程度が正確に装着されていないと言われています。米国運輸省の部局 National Highway Traffic Safety Administration の「Car Seat Inspection」で、病院や警察署、消防署など、インスペクションを受けられる場所を見つけてみましょう。
病院から新生児と車で帰宅する際は乳児用のカーシートが必要です。ストローラーは必要ありません。
飛行機で移動する場合、カーシートを機内に持ち込むか、預けることができます。乳幼児の場合、大人が座席で抱っこした状態で移動するのではなく、カーシートに入れ、座席に固定すると安心です。
カーシートを航空会社に預ける場合は、カーシートのトラベルバッグを使うと、汚れたり壊れたりすることを防げる可能性があります。
2. ストローラー
取り外し可能な乳児用カーシートとベース、ストローラーがセットになっているトラベル・システム。赤ちゃんをカーシートごとストローラーにはめるだけなので、赤ちゃんをカーシートから取り出す必要がなく安心で、外出も楽です。
このストローラーは首のすわっていない乳幼児用ではありません。サポートを必要とせずにすわっていられる年齢になると、カーシートは車にはめたままで、カーシートから子どもを出して、ストローラーにすわらせます。
ストローラーの体重制限も確認しましょう。
ジョガー・ストローラー(jogger stroller)
首がすわってしっかり自分ですわれるようになったら、ジョギングやウォーキングに便利です。
タイヤが大きいのが特徴です。ドリンクホルダーやバスケットがついていると便利です。
トラベル・ストローラー(travel stroller)
軽量で、折りたためて持ち運びに便利なトラベル・ストローラー。
まだ首の座っていない乳児用のサポートなどが含まれてないので、首が座るまではカーシートをはめるタイプのストローラーが必要です。
3. 母乳・ミルクグッズ
母乳にするか、粉ミルクにするかは、個人の状況でさまざま。
母乳の場合、アメリカでは搾乳機がよく使われます。手動のものから電動のもの、また赤ちゃんの母乳の吸いかたを真似た電動のものなどさまざまです。
病院から借りられる場合もあるので、出産した病院に聞いてみるとよいでしょう。
母乳育児をしていても哺乳瓶はいずれ必要になるので、下記のものを揃えておくのがおすすめです。
授乳ケープ(Breast Feeding Cover / Nursing Cover)
人前や公共の場で授乳する際、母親の体と赤ちゃんを覆い隠してくれます。赤ちゃんが周囲に影響されることなく、授乳に集中できるので便利です。
哺乳瓶(bottles)
新生児用の4オンスのボトル、大き目の8オンスのボトルがあります。
ニップル(nipple)
哺乳瓶の乳首にあたる部分 6~8枚。赤ちゃんの好みがあるので、最初は少なめに揃え、赤ちゃんの気に入ったものを後で買い揃えるのがよいでしょう。
哺乳瓶保温器(bottle warmer)
哺乳瓶の中のミルクを温めるために必要。出かける時に車の中で温められるものもあります。
哺乳瓶殺菌器(bottle sterilizer)
哺乳瓶を殺菌します。専用の容器に入れて電子レンジを使うものや、スチームで消毒するものなど、さまざまな種類があります。
哺乳瓶ブラシ(bottle brush)
哺乳瓶を洗うためのブラシ。
母乳パッド(nursing pads)
ブラジャーの中に入れて、母乳のもれを吸収するものです。使い捨てタイプ、繰り返し洗えるタイプがあります。小さな布などでも代用できます。
クッション(boppy pillow/nursing pillow)
馬蹄型のクッション。これをひざに乗せてその上に赤ちゃんを乗せると、楽に母乳・ミルクを与えることができます。
4. ベッド用品
赤ちゃんはクリブ(crib)で寝かせるのが一般的です。
マットレスとクリブの間に赤ちゃんが落ちてしまうような隙間がまったくないようにセットアップする必要があります。
クリブの中に、赤ちゃんの呼吸を妨げてしまうようなおもちゃやぬいぐるみを置いたりしないようにしましょう。
マットレス
1枚(クリブとマットレスは別売りが一般的)
シーツ
2~3枚
ウォータープルーフ・マットレス・パッド
2~3枚
バンパー・パッド(角を保護するパッド)
1枚
毛布
3~4枚
赤ちゃんに添い寝する場合、大人のベッドで一緒に寝る家庭もありますが、大人の布団で赤ちゃんが窒息してしまう事故なども起きています。そういう事故を避けるため、大人のベッドの横に取り付けることができる 『Co-Sleeper』 や、ベッドサイドに置ける 『Bedside Bassinet』 が販売されています。
5. チェンジング・テーブル
チェンジング・テーブルとは、オムツを替える台のこと。オムツを替えるためだけに使うものから、オムツを卒業したら棚として使えるもの、クリブと連結しているものまで、いろいろあります。
ポイントとしては、台座がしっかり安定したものであること。まわりにスペースがない場合、チェンジング・テーブルに引き出しや棚があれば、新しいオムツや着替え、タオルなどを入れられます。大人がオムツを替えやすい高さになっていて、腰への負担が少なくてすみます。
一緒に使うものとしては、チェンジング・パッド(changing pad)、チェンジング・パッドのカバー(changing pad cover)などがあります。
6. おむつグッズ
おむつには種類がいろいろありますが、大きく分けると、使い捨ておむつ(disposable diapers)と、布おむつ(cloth diapers)の二種類です。
新生児サイズに使い捨ておむつを選ぶ時は、下記のような点をチェックするのがおすすめです。
- 吸収性がいいか
- ラテックス(latex)を使用していないか
- 合成香料(synthetic fragrance)を使用していないか
- ローションを使用していないか
- 漂白剤(bleach)を使用していないか
- 塩素(chlorine)を含む化学物質を使用していないか
一方、布おむつは再利用できるので経済的。でも、洗濯の量が増えるので、洗濯に使う電気も保護者の労力もかかります。
どちらにするか、または状況によって使い分けるか、まずはやってみて、赤ちゃんと保護者にとって何が一番良いか柔軟に決めていくとよいですね。
- 紙おむつは、洗濯の手間が省けて、手軽。
- 紙おむつは、燃えないゴミとして廃棄することになる。
- 布おむつは、洗って再利用できる。
- 布おむつは、かぶれにくい。
- 布おむつは、性能のよい紙おむつに比べると吸収力が低いが、その不快感で、おむつ離れが早くなるとも考えられる。
その他に必要なもの:
- 赤ちゃんのおしりふき(baby wipes)
- おむつ処理用ばけつ(diaper pail)
- おむつ用ゴミ箱(diaper disposal)
- 布おむつの場合に洗濯が楽になるおむつライナー(diaper liner)
- おむつ用バッグ(diaper bag)
特に、おむつ用ゴミ箱は、臭いを防ぐためにも購入をおススメします。
7. おふろ&身だしなみグッズ
赤ちゃんをお風呂に入れる時に使うベビー・バスタブ。自宅のバスルームの仕様や大きさにもよって選ぶ商品は異なりますが、赤ちゃんを安全にお風呂に入れるのに必要です。
使用期間は1年未満なので、中古品でも損傷がなければ十分でしょう。お湯の温度を測る湯温計、お湯を抜くことができる栓つきのものが便利です。一緒に購入するものは、ベビー用のボディシャンプー(髪・体の両方に使えるものが便利)、ベビー用のやわらかい布やスポンジ、タオルなど。
身だしなみ・ヘルスグッズは、赤ちゃん用体温計(thermometer)、赤ちゃん用爪きり(nail clipper)、鼻水取り用スポンジ、赤ちゃん用洗濯洗剤、赤ちゃん用ローションがあると良いでしょう。
8. ベビー服
新生児用(0-3ヶ月用)のベビー服もたくさん販売されていますが、すぐに大きくなるので、それよりも大きいサイズを少しずつ揃えておくと便利です。夏生まれや暑い土地であれば手足のカバーは必要ないかもしれませんが、秋冬生まれの場合は手足をカバーするタイプが必要です。また、赤ちゃんの服はよだれや飲みこぼしたミルクなどで何かと汚れるもの。一日に何度も着替えをしたほうが清潔さを保てます。特にシャツは多めに用意しておきましょう。
綿シャツ 4~6枚
寝間着 3~4枚
つなぎの服(overall) 2~3枚
よだれかけ(bibs) 3~5枚
帽子 2~3枚
ソックス 3~5枚
季節によって、セーター、ジャケットなどの防寒服
新生児の着せ替えはなかなか難しいもの。その点、前が打ち合わせになったタイプの肌着は便利で、アメリカでも “Kimono style” のような名前でこのようなシャツがベビー用品店やオンラインで販売されています。このような肌着には、一番下に着せる腰までの短肌着・足までの長さがある長肌着があります。赤ちゃんが少し成長して動きが活発になると、打ち合わせタイプの場合には脚の部分がすぐにはだけてしまうので、長肌着の脚の部分がボタンで留められるようになっているコンビ肌着もおすすめです。また、肌着の上に着せる洋服では、カバー&ドレスオール(兼用ドレス)は便利。これは、新生児のときはドレスに、少し成長して脚の動きが活発になれば脚の部分をボタンでとめてズボン型にでき、長く使えるので経済的にも助かります。
便利なリンク: アメリカと日本の子供服・靴のサイズ
9. スリング/ベビーキャリア(抱っこ紐)
お出かけの際、ストローラーが通れないところや、赤ちゃんを抱っこしなければならない状況の時に、スリングやベビーキャリアがあれば両手が空いて楽です。
赤ちゃんを横に寝かせた状態で抱っこするタイプ、前抱きのみのタイプ、おんぶにも使えるタイプなど種類もさまざま。首のすわっていない新生児から使えるものが便利です。また、腰に負担がかからないよう、腰のサポートがあるものがおススメです。赤ちゃんも大人も心地よくお出かけできるよう、専門店で試着してみても良いでしょう。
10. ダイパー・バッグ
お出かけの際に持っていくベビー用品をすべて入れておく大型のバッグ。日本では「マザーズバッグ」と呼ばれたりしますが、男性も使うことの多いアメリカでは、"diaper bag"(ダイパー・バッグ)と呼びます。"diaper" とはおむつのこと。普通のバッグのようにスタイルも色も大きさも値段もさまざまですが、バッグ自体が軽いもの、ポケットがあるものが便利です。
ダイパー・バッグには、着替え、ワイプ、ティッシュペーパー、使ったおむつを入れるビニール袋(plastic bag)、小型タオル、授乳ケープ、ハンドサニタイザーなどを入れておきます。
必要なものは子供・大人によって異なり、子供が成長するに従って変わっていきます。
ベビー用品の安全性について
最新の安全基準に沿っているか、リコールされた商品ではないか、Consumer Product Safety Commission や Safe Kids Worldwide などで確認してください。