30代後半で「働くお母さん」の仲間入り。何もかも「初めて」の息子と一緒にいろいろな発見をさせてもらっています。20年以上住んでいるシアトルも、親子になるとまだまだおもしろいことがたくさん隠れているものですね。シアトルのお気に入りを息子に紹介しながら、「ここに自分の子供と来ることになるとは!」と、しみじみする日々です。

レゴのダンプトラック、組み立て中
今年のクリスマスもついに終わりましたね。
アメリカでは11月第4木曜の感謝祭が終わるか終わらないかのうちにホリデー商戦が一気に加速しますが、ブラック・サースデー、ブラック・フライデー、サイバー・マンデーなどの大幅割引が続いた後は、クリスマス・セール、そしてクリスマス直後はクリスマスにもらった「いらないもの」の返品と、アフター・クリスマス・セール。新年になると、ニューイヤー・セールが始まります。
そんな商業戦略が続くアメリカで生まれ育つ息子は、どんなふうにクリスマスを理解していくのでしょう。
4歳になった今年は0歳の時から数えると5度目のクリスマスですが、プレゼントをもらってももらわなくてもどうでもよかったみたいな昨年とはちょっと違いました。と言うのも、12月に入ってからというもの、親子で出かけるたびに「サンタに何をお願いしたの?(What did you ask Santa?)」「サンタは君の家に来るかな?(Is Santa coming to your house?)」と、見知らぬ人に声をかけられ続けるようになったからです。英語ではスモール・トーク(small talk)と言われる、見知らぬ人と交わすちょっとした会話も、幼い子供がいるとこの時期はこればかりのよう。店のキャッシャーで並んでいた時も、レストランに行った時も、はたまた交差点で信号を待っていた時も、この質問が投げかけられました。
もう会話ができそうだと見て取れるからでしょうか。3歳だった昨年はそういう記憶はありません。
プリスクールでは、「クリスマスはプレゼントをもらうだけでなく、何かをしてあげる、何かをあげることもするお祝いです」と教えながら、リース、オーナメント、カードなど、いろいろなプレゼントやデコレーションを毎日手作りしていました。普段から手作り重視のカリキュラムですが、クリスマス前はクリスマスらしいものを作ります。自分でも一生懸命に作ったものは、帰るなりすぐに包みを開いて、「マミーに作ったんだよ」と見せてくれたりしました。
「そうそう、プレゼントをこうして作ってくれるのが嬉しいし、みんなが健康で一緒にいるのが一番のプレゼント!」
そんなふうに繰り返してきましたが、12月も3週目ぐらいに入ると、「クリスマスにはサンタクロースという人が自分が欲しいものをくれる」と、しっかり刷り込まれていました。「サンタに何をお願いしたの?」と、日本語で聞かれれば、「きょうりゅう!」(恐竜)、英語で聞かれれば、”Dinosaurs!”。「どんな恐竜?」と、日本語で聞かれれば、「ティラノサウルス!」英語で聞かれれば、”T-Rex!”。
あれあれ、いつの間に・・・。
でも、プレゼント自体が悪いわけではないと思うんですよね。相手のことをとてもよくわかったプレゼントをするのはとても難しいですし、気持ちのこもったものは、何であれいつまでも心をあたたかくしてくれます。
そう、だから息子には「これでいい」ではなく、「これがいい」というものをあげたい!
そうして、クリスマス当日。息子は北米航空宇宙防衛司令部サンタ・トラッカーでプレゼントの配送が終わったことを確認し、サンタクロースが自分の用意したクッキーを食べたことに狂喜した後、サンタクロースからの手紙を発見。そこには「きのうしろにいるよ」などとプレゼントのありかが書いてあったので、プレゼント探しが始まりました。物の数分で発見したのは、レゴのアイデア本、レゴのダンプトラック、新しい自転車のヘルメット、アニマル・プラネットの T-Rex の人形・・・。息子の驚きようも喜びようも想像以上でした。ダンプトラックを組み立て、新しいヘルメットをかぶってサイクリングし、レゴの本を読み、静かにしてるなと思ったら、「サンタクロースにお礼の手紙を書いてるんだよ」。なぜか折り紙の模様の上に鉛筆で書いているので、「ありがとう」しか判読できませんでしたが、私が幼い頃はサンタクロースにお礼の手紙を書くなど思いもよりませんでした。やはり誕生会の後でも何でもお礼の手紙を書いてきたことがすべてつながっていくようです。
一年はあっという間。さて、来年のクリスマスはどうなることやら。今から楽しみです。
掲載:2014年12月