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バーチャルアイドル「初音ミク」シアトル公演、3600人が熱狂

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バーチャルアイドル「初音ミク」のライブが、4月23日にシアトルで行われた。当日は開場時間前から、コンサートグッズを買うためのファンによる長蛇の列ができ、会場となった WaMu シアターにはほぼ満席を占める観客3600人の熱気と興奮が充満した。

今回の北米ツアー 『Hatsune Miku Expo 2016 ノースアメリカ』 はシアトル公演を皮切りに、北米10都市をまわる。シアトルではテーマ曲『Blue Star(八王子P)』をはじめとする初音ミクと5人のバーチャルシンガーの人気代表曲を中心に、北米でのヒット曲と本ツアーのために行われた楽曲コンテストで450の応募作品の中から選ばれた最優秀楽曲 『Ten Thousand Stars(CircusP)』 が演奏された。

「初音ミク」のライブは、これまでにない新しい形のエンターテインメントである。ステージの端で生バンドが演奏し、その中心に設置されている透明スクリーンに「ミク」が、まるで実在するかのようなの立体映像となって浮かび上がる。限りなくリアルに近い自然な歌声、キュートな動きのダンスと髪の先の揺れまで再現した3D 映像、偶像のアイドルに向かってテーマカラーのサイリウムライトを振るファン、どこを切り取っても他では見られない不思議な世界が、そこにある。

そもそも「初音ミク」は、クリプトン・フューチャー・メディア株式会社が作ったキャラクターである。そして、音声合成技術ソフトウェア「ボーカロイド」を使ってメロディと歌詞を打ち込めば、誰でもどんな歌でも「ミク」に歌わせることができる。究極のアイドル像をイラスト化した容姿、イメージに合うよう選ばれた「愛され声」、最新技術によって飛躍的に進歩したリアルな歌声、それでいて生身の人間には難しい音域の広さとスピード感の実現など、多くの要素が魅力となり、全世界のクリエーターが楽曲を提供し、動きをつけ、インターネットで配信し、ファンが拡散する。こうして世界的アイドルができあがった。

コンサートの最後に、簡単な挨拶と丁寧なお辞儀をして初音ミクが消えた。会場は一瞬の間に包まれる。そのパフォーマンスに賛辞を送りたいのだが、バーチャルアイドルに対してどう反応すべきか、戸惑ったのだろうか。しかし次の瞬間、床を踏み鳴らしたり、手拍子を続けたり、「ミクさ~ん」「モウイッカイ」などの叫び声をあげたりと、盛大なアンコールに包まれた。アンコールに応えて再び「ミク」が現れると、再び大きな歓声が上がった。

取材協力 &「Hatsune Miku Expo 2016 ノースアメリカ」スポンサー:ANA

掲載:2016年4月  取材・文 渡辺菜穂子

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