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「ありがとう、シアトル!」 神戸シアトル・キッズ・キャンプ参加者がシアトルを再訪問

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去る7月30日、ダウンタウン・シアトルで開催されたシーフェア・トーチライト・パレードに、シアトル市の姉妹都市・神戸市から21年前に『神戸シアトル・キッズ・キャンプ』 に参加した子供たちが行進した。

神戸シアトルキッズキャンプ

シアトル・センター 『Kobe Bell Meditation Garden』 にて

『神戸シアトル・キッズ・キャンプ』 は、1995年1月に発生した阪神・淡路大震災で被災した子供たちを元気づけようと、同年8月にシアトルの市民団体が主催し、朝日新聞や朝日新聞厚生文化事業団が共催してシアトルで開かれたプログラム。集まった寄付金15万ドル・ボランティア250人に支えられ、12歳から17歳の小中高生45人が約2週間、ホームステイ、キャンプ、シアトル・マリナーズの試合観戦をしたりして楽しんだ。シアトルの大手新聞 Seattle Times も当時の様子を伝えている。

そのキャンプ参加者によるシアトル再訪問の企画が生まれたのは、震災20年の昨年。神戸市で20人が参加して開かれたキャンプの同窓会で「シアトルに戻って、感謝の言葉を述べ、キャンプの経験が人生をどのように変えたかを伝えたい」と意見がまとまり、団長を務めた石津定雄さんと参加者5人のシアトル再訪が実現した。

神戸シアトルキッズキャンプ

(左から)石津定雄さん、うすき・こうへいさん、おおいた・のぞみさん、むらた・かこさん、おかだ・やすひろさん、ハイジ・シューマンさん、さたけ・まゆみさん、オーウェン・シューマンさん

今や30代となったかつての “子供たち” は、シアトルのキャンプで中心的な役割を果たしたハイジ・シューマンさん夫妻らと再会。ダウンタウン・シアトルを練り歩くトーチライト・パレードで全員が手を振りながら行進し、”Thank you, Seattle!” と声をあげた。

神戸シアトルキッズキャンプ

シューマンさん夫妻が主催して開かれたパーティーでは、キャンプ参加者1人1人が、当時の思い出と感謝の気持ち、そして、シアトルでのキャンプがその後の人生にどのような影響を与えたかを英語でスピーチした。

今回の訪問の受け入れに携わったシアトル神戸姉妹都市委員会のカーリン・ザーグ・ブラック前会長によると、キャンプ参加者の多くは今、社会的弱者の援助に関わる仕事や国際ビジネスに携わり、家庭を持ちながら、次世代を育てる地域奉仕活動にも従事しているという。今回はその活動の一環として、神戸市の高校生3人も同行し、パレードに参加した。

神戸シアトルキッズキャンプ

自身も神戸で被災したカーリン・ザーグ・ブラック前会長は、「彼らの心の底からの悲しみ、そしてシアトルで見知らぬ人から受けた親切、それに対する感謝を伝えるスピーチには心を揺さぶられた」と語った。「シアトルと神戸の姉妹都市交流は、59年以上におよぶ強い絆があり、このキャンプは草の根交流のすばらしい例。その絆を今後も続けていきたいと、キャンプ参加者が再訪してくれたことが本当に嬉しい」。

神戸シアトルキッズキャンプ

神戸市第11期親善大使「スマイル神戸」の柏谷祐里さん

このトーチライトパレードには、神戸市の第11期親善大使「スマイル神戸」の柏谷祐里さんも「おまつり大使」として参加した。神戸市や神戸新聞社などで構成する実行委員会が2005年から毎年募集する「スマイル大使」は、1年間にわたり観光宣伝事業や親善交流事業に携わっている。「スマイル神戸」の公式ブログはこちら

取材・文:編集部 写真:Brian Chu

掲載:2016年8月

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