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ワシントン州・兵庫県友好提携50周年 「日米友好の架け橋、未来へつなぐ」

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ワシントン州と兵庫県の友好提携50周年を記念し、兵庫県の井戸敏三知事率いる総勢約250人の友好訪問団が、8月17日から5日間の日程でシアトル市や州都オリンピア市などを訪問。さまざまな記念行事を通じて友好関係をアピールし、ワシントン州のインスリー知事をはじめとする政府関係者や地域のさまざまな団体や教育機関などと交流を深めた。

ワシントン州のインスリー知事(中央左)と兵庫県の井戸敏三知事(中央右)

ワシントン州のインスリー知事(中央左)と兵庫県の井戸敏三知事(中央右)
© State of Washington Governor Inslee’s Office

一連の記念行事は、兵庫県の淡路島を拠点に活動している淡路人形座による人形浄瑠璃公演で幕を開けた。重要無形民俗文化財に指定されている伝統芸能を観る貴重な機会とあって、ダウンタウン・シアトルの ACT シアターは満席。座員12名が 『戎舞(えびすまい)』 や 『義経千本桜』 を披露し、観客から大きな拍手を受けた。淡路人形座がシアトルで公演を行ったのは、阪神淡路大震災が発生した翌年の1996年以来17年ぶり。

淡路人形座

淡路人形座

ワシントン州の州都オリンピアでは19日、州議事堂上院議場にてワシントン州と兵庫県の友好提携50周年記念調印式と記念レセプションが開催された。インスリー知事は、米国の州と日本の県の友好提携では最も歴史が長い関係を祝えることを喜び、「ワシントン州と兵庫県は文化・教育・商業などを通じた相互協力による恩恵を得ている。当時のロザリーニ知事と金井知事は先見の明があった」と述べ、井戸知事と固い握手を交わした。式典の冒頭では兵庫県の合唱グループ、フェニックス倶楽部主宰のソプラノ歌手・足立輝代さんが日本国国歌を独唱。また、両国の合唱隊が合唱を行うなど、歌を通じて友好を深め合った。また、フェニックス倶楽部の創設時から会長を務める兵庫県の前知事・貝原俊民氏に対し、長年にわたり両県州の友好に貢献したとして、インスリー知事からワシントン州名誉市民賞が授与された。

翌20日には、ウォーターフロントにあるベルハーバー・インターナショナル・カンファレンス・センターで、兵庫県および、神戸・大阪・京都3商工会議所の連合による関西セミナーが開催された。関西に店舗を展開しているコストコ創業者ジム・セネガル氏が同社の歩みと海外展開について基調講演を行った後、井戸敏三・兵庫県知事/関西広域連合長、佐藤茂雄・大阪商工会議所会頭、大橋忠晴・神戸商工会議所会頭、奥原恒興・京都商工会議所専務理事が、それぞれの県・府の特徴や利点をアピール。「関西」は日本国内の一つの地域ではあるが、企業や観光客の誘致においては競合しているこれらの県・府が今後どのような協力体制を築いていくのかは興味深い点と言える。

在シアトル日本国総領事公邸で行われた兵庫県観光・物産展
在シアトル日本国総領事公邸で行われた兵庫県観光・物産展

同夜に在シアトル日本国総領事公邸で行われた兵庫県観光・物産展には、政府関係者やコミュニティのホスピタリティ業者や飲食業者などが出席。この催しのために神戸から輸入された神戸ビーフのステーキをはじめ、山田錦(米)や福寿菊正宗白鶴の日本酒、オリバーソース、出石そば、揖保の糸、丹波の黒豆、夢前夢工房による農産物を使った食品など兵庫県を代表する食に舌鼓を打った。また、有馬温泉や城崎温泉からは花小宿西村屋が参加し、兵庫県の観光面をアピールした。「半世紀の間、ワシントン州と兵庫県の交流が続いてきたのは、双方の熱い思いが続いたから」と、井戸知事。「今回も約250人という画期的な規模で訪問できたのは嬉しい。神戸ビーフや観光、米のプロジェクトなどにも参加してもらえて何よりです。特にこれまでも続けてきた教育における交流を50年を機にさらに強化し、次につなげられたらと願っています。」

友好訪問団の一員として参加した市民グループなども、滞在中さまざまな草の根交流を行ったが、合唱グループ・フェニックス倶楽部は18日、老人福祉施設・敬老でシアトルの地元コーラスグループ、Songs of Hope とともに合唱を行い、民間レベルでも歌を通しての交流に積極的だった。

桂三輝

記念行事を締めくくったのは、落語家・桂三輝(サンシャイン)さんによる寄席。桂文枝の15番目の弟子にして初の外国人弟子で、英語と日本語で落語をし、その面白さを伝える貴重な存在となっている。29日にワシントン州日本文化会館で行われた寄席では 『みそ豆』『じゅげむ』 という古典落語と、桂文枝の創作落語 『生まれ変わり』 を英語で披露し、会場には笑いがあふれた。「こんなに面白いなんて」という声があちこちで聞かれ、寄席の終了後も三輝さんと記念写真を撮る人でにぎわった。

ワシントン州と兵庫県の友好提携が50年も続いているのは、たくさんの人の努力の賜物。今回の友好訪問団には学生も多く、次の世代へ着実にバトンが渡されていることを感じさせた。

写真© Brian Chu, Hyogo Business and Cultural Center

掲載: 2013年8月31日

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