シアトルの国立ノルディック美術館で開催中の展覧会『Origin Stories』では、アメリカ人アーティストの Nina Katchadourian が家族史や記憶をモチーフにした5つの作品を通じて、多層的な創作世界を展開しています。

なかでも注目の《To Feel Something That Was Not of Our World》（2021）は、1972年に世界一周中のロバートソン一家と友人一人がオルカの襲撃を受けて船を失い、救命ボートで38日間にわたって漂流した後、日本の漁船「第一東華丸」によって救助された実話を題材にしています。当時12歳だった息子のダグラスさんとの38日間の対話、さまざまなオブジェクトを通じ、その極限の体験を可視化。日本の漁船に救出されたことについての当時の The Japan Times の記事も展示されています。なお、この展示は無料開放日の第1木曜日は対象外で、入場には追加料金5ドルが必要です。

ダグラスさんの父親が著した体験記『Survive the Savage Sea』は邦訳版『荒海からの生還』（著：ドゥガル・ロバートソン、訳：河合伸）として日本でも出版されました。

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