アメリカとカナダの陸路国境(車)では、車に乗ったまま国境検問所で入国審査を受けます。出発前に、パスポートや永住権カードなどの本人確認書類、ビザ/ビザ免除の条件、申告方法(紙・電子)など最新の入国要件を公式情報で確認しておきましょう。この記事では、ピース・アーチ国境検問所を含む主要ルートを想定し、必要書類、審査の流れ、国境待ち時間の調べ方、免税・申告の基本を、初めてでも迷わないように整理します。
ここがポイント
- 入国審査を軽視しないこと。
- 入国の目的が合法的であることを立証するべく準備すること。
- どちらの国でも全員が入国審査(inspection)の対象。質問は身分確認・渡航目的・申告品が中心。
- 書類:パスポート等の本人確認+在留/渡航ステータスを証明するものを家族分まで準備
- 申告義務:食品・植物・動物、アルコール・たばこ、通貨1万(加ドル/米ドル)超などは必ず申告。未申告は差押えや罰金対象。
- カナダでもアメリカでも、状況により電子機器の検査とパスワード提示を求められることあり。
- 混雑対策:国境待ち時間を公式で確認し、混雑時間帯の回避と必要に応じたルート変更を検討。
カナダに入国する際によく聞かれること

質問の主なカテゴリ
- 本人確認・国籍/身分の確認
- 渡航目的・行程・滞在先の確認
- 申告対象物の有無(アメリカから持ち込むもの)
- 同伴する未成年者の確認
よく聞かれる質問(順不同)
- Where do you live?:どこに住んでいますか?
- Where are you going?:(カナダの)どこに行くのですか?
- What’s the purpose of your trip?:旅行の目的はなんですか?
- Where are you staying?:どこに滞在しますか?
- How long are you staying in Canada?:どのぐらい滞在しますか?
- Do you have any items or substances to declare?:申告するものはありますか?
注意点
- 書類:全員のパスポート、永住権カードなど、真正な本人確認書をすぐ出せるようにしておくこと。
- Advance Declaration(空路):到着72時間前までの事前申告で、入国時の所要時間が最大50%短縮。
- 食料品・植物・動物(FPA)は必ず申告:未申告は差押え・罰金(最大1,300加ドル)になり得る。
- 通貨:10,000カナダドル以上はE677/E667等で申告(持込み自体は合法)。
- 電子機器:検査・パスワード提示を求められることあり。拒否は押収や留置の可能性。(Canada Border Services Agency)
アメリカに入国する際によく聞かれること

ワシントン州とカナダの国境
ピース・アーチ検問所の脇にある看板
カナダからアメリカに入国する時に車で並ぶ道路脇の看板は、”Welcome to the United States of America”。「アメリカ合衆国へようこそ」。にぎやかでアメリカらしさを感じさせます。
質問の主なカテゴリ
- 本人確認・国籍
- 渡航の目的・行程・滞在先の確認
- 携行品・申告品(カナダから持ち込むもの)
- 同伴する未成年者の確認
よく聞かれる質問(順不同)
- Where do you live?:どこに住んでいますか?
- Where are you going?:(アメリカの)どこに行くのですか?
- What’s the purpose of your trip?:旅行の目的はなんですか?
- Where are you staying?:どこに滞在しますか?
- How long are you staying?:どのぐらい滞在しますか?
- Do you have any items or substances to declare?:申告するものはありますか?
- How long did you stay in Canada?: カナダにどのぐらい滞在しましたか?(カナダからアメリカに戻る場合)
注意点
- 書類:全員のパスポート、永住権カードなど、真正な本人確認書をすぐ出せるようにしておくこと。
- 税関申告:CBP Form 6059B(またはモバイル/キオスク)で購入品・農産品等を申告。
- 農産品は申告必須:食品・植物・種子・土壌・動物等は必ず申告。未申告は没収・罰金の対象。
- 通貨:合計$10,000超はFinCEN 105の提出が必要(持込み自体は合法)。家族合算にも注意。
- I-94の在留期限はCBPが判断すること。滞在残日数の自己確認はオンラインで可能。

出入国にかかる時間と手間を省く方法
アメリカ出入国にかかる時間と手間を省く方法の一つとして、有料のトラステッド・トラベラー・プログラムが提供されています。トラステッド・トラベラー・プログラムとは、米国税関国境警備局(US Customs and Border Protection:CBP)が管理するプログラムで、事前に申請して審査に合格すると、そのプログラムのメンバーとなり、保安検査場や国境検問所を短時間でスムーズに通過できるようになります。カナダとアメリカを
- グローバル・エントリー(Global Entry):外国から空路・陸路・海路で米国入国
- ネクサス(Nexus):カナダから空路・陸路・海路で米国入国
- セントリ(Sentri):カナダおよびメキシコから米国への空路・陸路での入国
詳細は下記の記事でご覧ください。

よくある質問
国境でスマホを確認される?
カナダの入国審査でも、アメリカの入国審査でも、状況によりスマホなどの電子機器の検査とパスワード提示義務があり、拒否は留置・押収の可能性がある旨が公表されています。
アメリカと国境での待ち時間
アメリカとカナダの出入国で入国審査を受ける検問所での待ち時間は、オンラインで公開されています。下記の公式サイトや WSDOT のアプリで確認しましょう。
祝日や旅行シーズンは、国境が渋滞することがあります。待っている間、ドライバー以外の人は車を降りて、公園を見てまわることもできます(検問所の手前で車に戻る必要があります)。
おまけ

アメリカとカナダを結ぶ The BNSF Railway の線路脇に、さび付いた 『USA CANADA BORDER』 という看板があります。車で並ぶ検問所の脇にあるカラフルな看板と違って、貨物列車と長距離列車アムトラックが通過するだけなので(ここで停車しません)、国境通過を伝えるためだけの必要最小限の看板です。
本記事は公式サイトの公開情報に基づきます。各審査官の裁量や情勢により運用が変わる場合があります。最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。