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おすすめのパブリック・アート「オリンピック・スカルプチャー・パーク編」

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Olympic Sculpture Park
有名アーティストが手がけた作品も多い、屋外彫刻美術館

ダウンタウンの北端に隣接しているベルタウンの海側に、2007年1月20日に開園した公園。もともと1910年にUNOCAL 社が建設した石油の輸送施設だったが、1975年に使用を中止し、10年かけて土壌の浄化などを行った後、1999年にシアトル美術館が買い取った。2007年3月には、都市デザイン界のアカデミー賞と言われるハーバード大学の “Veronica Rudge Green Prize in Urban Design” を受賞。園内にはユニークな作品21点が展示されており、作品の説明を読みながらゆっくりと楽しめるようになっている。


■ The Eagle

The Eagle

The Eagle

動く彫刻 “モビール” や巨大彫刻 “スタビル” などの抽象彫刻の先駆者、アレクサンダー・カルダーによる作品。同作品はスタビルの一つで、うねった羽と自己主張の強い佇まい、とがったくちばしが鷲を表している。


■ Father and Son

Father and Son

Father and Son

ニューヨークやロンドン、日本でも展示されている、巨大な蜘蛛をモチーフにしたブロンズ像 『Maman』 で知られる彫刻家ルイーズ・ブルジョワが、同公園のために特別に制作した作品。両腕を差し伸べ合っている親子の像の周りを噴水が囲み、始めに父、次に子の像の周りの噴水が高くなる。これにより、一見乗り越えられないような壁を父子が克服しようとしている様子を表現している。


■ Eye Benches

Eye Benches

Eye Benches

同じくルイーズ・ブルジョワによる、花こう岩を使った作品。一対の目が全部で三対設置されており、それぞれ少しずつ形や雰囲気などが異なる。一見監視されているような不気味さがあるが、目の裏側の部分は腰掛けられるようになっており、ベンチの役割も果たしている。


■ Seattle Cloud Cover

公園横の高架上に設置されたこの作品は、アーティストのテレジータ・フェルナンデスによるもの。シアトルの変わりゆく空の写真を使ったこのカラフルなガラス・パネルは、安全性を保つとともに、晴れた日には光の反射を楽しむことができる。


■ Typewriter Eraser, Scale X

Typewriter Eraser, Scale X

Typewriter Eraser, Scale X

日常のありふれた物を複製した巨大な作品で知られるクレス・オルデンバーグと、その妻でアーティストのコーシャ・ヴァン・ブリュッゲンの共同作品。タイプライターが全盛期だった時代には必需品だったタイプライター・イレイザーは、今ではその存在すら知らない人が多いかもしれない。公園横の高架の脇にあるので、車道からも見られるが、公園の中からは目に付きにくい位置にある。なお、同様の作品はワシントンDCとラスベガスにもある。


■ Love & Loss

Love & Loss

Love & Loss

アーティスト、建築家、そして家具職人の3つの顔を持つロイ・マクマキンの作品。ベンチや木など、公園にあるものを白くペイントして “LOVE” と “LOSS” の2つの文字を浮かび上がらせ、中央に回転する “&” の電光板を設置している。四季折々の表情を見せる木を使うことで、自然と人間の一生を反映させた作品だ。なお、作品の一部になっているベンチには座ることができる。

(掲載:2011年11月)

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