日本の本州北部の太平洋岸から北部、日本海の朝鮮半島北部、北太平洋北部の海域に広く分布し、大西洋北部にも棲息しているズワイガニ。
日本では越前・越中・山陰と日本海沿岸で珍重され、ズワイ、越前ガニ、松葉ガニと、土地で呼び名も変わりますが、水産業界はすべて同一のオピリオ(opilio)種として扱われます。
淡褐赤色の脚の脚の細い体形で、各節の断面は丸く、関節が比較的自由に動くため、前にも斜めにも歩くことができます。しかし、歩脚が長過ぎるため、速く歩くことはできません。毛蟹と違って、甲羅の身肉が少なく、オスの脚肉が珍重されます。また、脚肉に光沢と弾力があって、繊維が絹糸のように細くなっています。市場にはそのままボイルしたもの、生のズワイの脚、ボイルして冷凍されたものが出荷されます。
おいしいカニが漁獲される海域はマダラが多いとか。アラスカ産のカニが美味しいのも、マダラのためでしょうか。刺し身・鮨・鍋・棒脚のテンプラ、カニ酢、爪のフライなど、さまざまな料理に使われます。
アラスカとシアトルの水産業者間では、雄の甲幅14cm のズワイガニのオピリオ種に対して、見かけは色も形もズワイガニそっくりな雄の甲幅15-18cmの大型種をバラダイ種(bairdi)と呼んで区別します。アラスカのオピリオ・バラダイ漁は通常1月より4月頃まで解禁となります。
世界のズワイガニ類の漁獲量は増加傾向にあり、2022年のズワイガニ類の漁獲量は前年比 5%増の19万8225トンで、国別ではカナダが23%増の9万4523トン、2位のロシアは2%増の2万4523トンでした。数字は古いですが、2019 年の日本の漁獲量は3,512トンで、1位は北海道の 920(26.2%)、2位兵庫県791(22.5%)、3位鳥取県722(20.6%)でした。
以前はシーズン中、宇和島屋鮮魚部でも活及び冷凍でオピリオを仕入れてきましたが、価格及び輸送等の問題で仕入れが難しくなってきました。アラスカ、カナダ産のボイルした殻付き脚及びふさ(脚・ふさは sections または clusters と呼ぶ)の冷凍品が安く入荷できましたら、ご案内致します。
『お魚豆知識』 は、宇和島屋鮮魚部の沖良三さんが発行している 『Seafood Newsletter』 の一部です。宇和島屋の入荷商品やおすすめ商品の情報が満載ですので、ぜひご購読ください。お申し込みは seafoodnews@uwajimaya.com まで、日本語でどうぞ。