アラスカでのタラバガニの漁獲方法は、金属製の大きな四角いカゴ(traps/pots)に餌(イワシやニシンのような魚類)を入れて海底まで下ろし、カニが餌を食べにカゴの中に入ると出られないようにするというものです。シアトルでもカニ漁船が何段にも積み上げた100個程の四角いカゴを甲板の上に乗せて港に停泊したり、またシーズン前にはアラスカに向け出航する雄姿が見られます。
通常、カニは水揚げ後、加工船内でゆでて冷却し、塩水凍結(飽和塩水で瞬間凍結)します。タラバガニのサイズの基準は、ゆでた後に冷凍した10ポンド(4.54kg)あたりの肩肉、および殻付き脚の数で決まります。サイズ4/6でしたら10ポンド(4.54kg)あたり4から6脚(1脚あたり750~1,150g)が入っていることを示しています。
標準サイズは4/6、6/9、9/12、12/14、14/17、17/20、20/24の通りです。従って、4/6が一番大きく、数が多くなるほど脚は小さくなり価格も安くなります。
また、タラバガニと類似品のアブラガニ(blue king crab)、およびイバラガニ(golden king crab)との見分け方ですが、ゆでて冷凍したタラバガニは脚の表面の殻は赤く、裏面は白くなっていますが、アブラガニ、およびイバラガニの脚は表裏とも赤くなっています。
カニといえばタラバを指し、缶詰もこれが一番美味しく、40年前の日本で勤務していた商社で配属された課でもこのタラバの缶詰を扱っており、時折いただいたサンプルは大変美味しかったことが思い出されます。タラバの担当だった上司がよく1本脚や2本脚と言っていましたが、これはタラバカニ缶のバラ肉の上に棒状の脚肉を乗せた脚の数で、確か脚肉を入れた方が上物で、金印と言っていました。
カニ缶はカニをゆで、殻、および内臓を除去し、肉に適量の食塩を加え、缶を密封して加熱殺菌したものです。タラバの缶詰は米国のスーパーマーケットでは見かけませんが、最近の日本のスーパーマーケットではどうなのでしょうか。
宇和島屋でも冷凍タラバガニは定番品で、欠品のできない商品です。価格は高くても、大きいサイズの4/6、6/9が人気です。
掲載:2008年11月
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