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シジミ (漢字名: 蜆、分類:マルスダレガイ目シジミ科)

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「シジミ」とは、シジミ科に属する二枚貝の総称です。日本では北海道を除く全国各地の河川や池に生息し、特に浅く水が清く砂地の場所を好むようですが、河口で塩水の入りこむ砂の中にいるヤマトシジミ、河川、湖沼にいるマシジミが多く、他に瀬田、阿波シジミがあります。一般に三角形の殻を持ち、殻の表面は幼時は淡黄緑色ですが、成熟すると黒味を増します。産卵期は夏とされ、泥地のものは殻の色が黒く、砂地のものは殻の色が褐黄色と区別されますが、ヤマトシジミの方が味が良いとされています。市場ではハマグリ、赤貝に次いで入荷量が多く、日本では約3万トン近くが漁獲されますが、最近は中国などから大量に輸入されています。

シジミはほとんど味噌汁に限られますが、シジミ雑炊、シジミ炊き込みご飯、佃煮も美味。シジミ汁は黄疸に効くと言われます。シジミは縄文時代にはすでに食べられており、北海道や佐渡島の遺跡の貝塚からヤマトシジミが出土しています。

アジアから熱帯西太平洋にのみ分布するためか、該当する英名は無いようです。宇和島屋シアトル店のシーフード・マネジャー、Ken Hewitt 氏の話では見たことはないとのこと。従いまして、残念ですが、米国ではあの味は味わえません。

50年頃前のことですが、筆者が育った東京足立区の神明町あたりでも、おじさんが「アサリ、シジミ」と声をからしながらも元気よく自転車で行商してました。子供の頃の筆者にはそれが「あっさり、死んじめ~」とも聞こえ、近所の遊び仲間と面白がって言い合ったものです。神明町は川の水という敵にそれこそ4面囲まれ、四面楚歌の状態でしたが、シジミが生息していたとか、獲って料理し家族の食卓に出ていたとかの記憶はありません。貧乏な家でしたので、もしとれていれは、母は待ってましたとばかりに味噌汁の具に使ったと思われます。余談となりますが、「あっさり、死んじめ~」どころか、幼児の頃の栄養失調を乗り越え、さらに当時の我が家のひどい食料事情を考えますと、よく今まで生きてこられたものだと感謝し、これからの人生はオマケと思っています。

掲載:2008年7月

『お魚豆知識』 は、宇和島屋鮮魚部の沖良三さんが発行している 『Seafood Newsletter』 の一部です。宇和島屋の入荷商品やおすすめ商品の情報が満載ですので、ぜひご購読ください。お申し込みは seafoodnews@uwajimaya.com まで、日本語でどうぞ。

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