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シャコ (漢字名:蝦蛄、分類:シャコ目、英名:Mantis Shrimp)

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北海道から台湾、中国北部沿岸まで分布し、体長は15センチにも達するシャコは、節足動物でもエビやカニとは異なる口脚目で、体色は灰青褐色、扁平で格好が悪い体形をしています。日本各地の内湾の水深10~30メートルの泥底に浅い U 字形の穴を掘って棲んでいるシャコは、夜になると巣穴の入り口でエビや小魚などの獲物を待ち伏せ、下からすくい上げるように瞬間的に捕らえます。巣穴から出て獲物を探し、アサリなどの殻をひじ打ちのように捕脚で打ち砕いて、軟体部を食べることもあります。昔は下司なものとされていたようですが、鮨ネタに利用されて価値も上がり、ゆでて殻をむいたムキシャコは、冷凍品も含めて年間を通して販売され、鮨ネタ及び酢の物に使用されています。

筆者は米国に来て今年で35年目となりますが、渡米前に鮨ネタとして食べ、この35年間にわたり食べていないのは何かと、何気なく考えてみましたら、シャコが思い当たりました。さらに、シャコの味も忘れてしまっているということは、筆者にとってシャコはその程度の存在でしかなかったのです。最近の鮨の宣伝用サンプル写真を探しても、理由はわかりませんが、シャコは見当たりませんでした。思い出してみますと、帰京の際、近所の寿司屋さんから並、あるいは上の握り鮨を注文しても、シャコは入っていなかったようで、シャコの形・色・味などの記憶がまったくありません。確かに、今ではトロ、マグロ、生ウニ、甘エビ、イクラ、ホタテ、カニ、カンパチなど、美味しい鮨ネタは山のようにありますから、シャコは昔の庶民の味で終わってしまったのでしょうか。なお、オレゴン州、ワシントン州、およびアラスカ州にも、シャコは棲息してないようです。宇和島屋でもシャコを販売した記憶はありません。

掲載:2008年9月

『お魚豆知識』 は、宇和島屋鮮魚部の沖良三さんが発行している 『Seafood Newsletter』 の一部です。宇和島屋の入荷商品やおすすめ商品の情報が満載ですので、ぜひご購読ください。お申し込みは seafoodnews@uwajimaya.com まで、日本語でどうぞ。

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