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ギンダラ (銀鱈:Sable Fsh、Black Cod)

Photo by Fábio Alves on Unsplash
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ギンダラは「タラ」という名前が付いていますが、マダラ(Pacific cod)の仲間ではありません。分類上はカサゴ目に属し、背びれが2基しかないため、背びれが3基あるタラ類と容易に見分けられます。

生息域はカリフォルニアからアラスカにかけての北太平洋。水深300〜600mの泥底に生息する底生魚で、大きな群れを形成します。漁法は底曳き網(trawl net)、底延縄(longline)、籠(pot)などが用いられます。アメリカでは毎年漁期前に漁獲枠が設定され、資源管理が行われています。

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世界の漁獲状況と日本への供給

2023年の世界漁獲量は以下の通りです。

  1. アメリカ(30,358トン)
  2. カナダ
  3. ロシア

日本国内での漁獲はほとんどなく、北海道・東北地方でわずかに水揚げされる程度です。主に米国およびカナダ産の冷凍品が輸入されており、最近の米国産冷凍ギンダラの輸入通関量は約10,000トンです。

脂が乗った鮮度の良いアラスカ州・カナダBC州産が特に人気で、宇和島屋鮮魚部でも定番商品として扱っています。日本人のみならず多国籍の顧客に支持される魚で、日本・中国・台湾・香港・ヨーロッパなど世界各地に輸出されています。

栄養成分の比較(可食部100gあたり)

成分ギンダラマダラ
水分68.3g80.4g
脂質17.7g0.2g
たんぱく質13.0g18.1g
炭水化物1.0g0.1g
灰分0g1.2g

この数値からも、ギンダラはマダラに比べ脂質が非常に多く、濃厚な味わいを持つ魚であることがわかります。

資源問題と代替魚

10年以上前から資源・漁獲量の減少が指摘されており、代替品として南米チリ産のメロ(別名:銀ムツ、英名:Sea Bass)が市場に登場しました。日本と米国の双方で流通し、一定の評価を得ています。冷凍メロの日本への輸入通関量は約3,000トンで、この魚も日本の水産会社が最初に開発・輸入を始めました。

料理と文化

ギンダラは脂肪分が多く、大変美味しい魚ですので、宇和島屋鮮魚部では脂の乗った鮮度の良いアラスカ州とカナダのブリティッシュ・コロンビア州産のギンダラを中心に、定番商品として欠かさず販売しております。人種を問わず大変人気があります。

和食では煮付け・焼き魚・味噌漬けなど和食で広く利用されますが、宇和島屋ではギンダラのカス漬けは看板商品の一つです。

中国系レストランでは「鱈魚」と表記され、発酵黒豆味ギンダラ(Black cod with black bean sauce)は「発酵黒豆鱈魚」と書かれます。

『お魚豆知識』は、宇和島屋鮮魚部・沖良三さんが発行する『Seafood Newsletter』からの抜粋です。入荷情報やおすすめ商品など、鮮魚に関する最新情報が満載!購読をご希望の方は、seafoodnews@uwajimaya.com まで日本語でお申し込みください。

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