シアトルの夏、スーパーマーケットやファーマーズマーケットに山積みになるドーナツ・ピーチを見かけたことはありませんか?日本ではなかなか手に入らない「幻の桃」が、ここシアトルでは旬の時期に普通に買えます。2026年は6月に店頭に並び始めましたが、旬は7~8月。今年の夏、ぜひ食べてみてほしい果物です。
『西遊記』にも登場する、中国生まれの桃

ドーナツ・ピーチの正式な名前は「蟠桃(ばんとう)」。中国語でも「蟠桃(Pan Tao)」と呼ばれ、揚子江流域が原産とされています。上から押してつぶしたような平たい形から、「座禅桃」とも呼ばれます。
明の時代(14~17世紀)に書かれた『西遊記』には、孫悟空が蟠桃を食べて不老長寿になったという場面があります。それほど古くから、中国では桃は特別な果物として大切にされてきました。
日本には明治元年(1868年)ごろに伝わったとされますが、栽培が難しく生産量がとても少ないそう。(参考:果物なび)。日本語で検索すると「幻の桃」「超レア」「希少価値が高い桃」などと書かれたコンテンツが目につきます。
米国には19世紀に伝わった桃 別名はサターン・ピーチ

米国に持ち込まれたのは19世紀のこと。一般的には doughnut(donut)peach(ドーナツピーチ)や flat peach(フラット・ピーチ)などと呼ばれますが、形が土星(Saturn:アクセントはSaに置きます)の輪に似ているため、Saturn peach とも呼ばれます。
白い果肉はきめ細かくジューシーで、日本の白桃に似た濃厚な甘さがあります。酸味はおだやかで、香りも豊か。皮がとても薄いので手でむけることもあり、種もはずれやすいのも食べやすいポイントです。
シアトルでは7~8月がいちばんおいしい

ワシントン州の桃は、主にカスケード山脈の東に広がるヤキマ・バレーで栽培されます。晴れた日が多く、昼と夜の気温差が大きいことから果物の糖度が上がりやすく、全米の生産量ランキングでは上位に入ります(参考:WSU Yakima County Crop Production)。
シアトル地域では、スーパーマーケットやファーマーズマーケットでワシントン州産のドーナツ・ピーチが手に入ります。お店によっては箱ごとまとめて買えることもあります。見かけたらぜひ味わってみてください。


