シアトル地域ではとても身近なビーツ。初夏から冬にかけて、スーパーマーケットでもファーマーズ・マーケットでも簡単に手に入る、とっても美味しい野菜の一つです。
ビーツって何?
地中海沿岸地方原産のアカザ科フダンソウ属の根菜です。その見た目から赤カブとも呼ばれますが、実はアブラナ科であるカブや大根とはまったく別種の植物で、ほうれん草と同じアカザ科に属します。甜菜糖の原料である甜菜の仲間で独特の甘みがあります。
『旬の食材百科』によると、日本には江戸時代初期ごろに持ち込まれたそうで、その赤い色から火焔菜(カエンサイ)という和名がつけられました。
シアトル地域での旬は、6月から1月頃と半年以上。赤だけでなく、濃い紫(deep purple)、黄色(yellow)、金色(gold)、ストライプ(striped)など、いろいろ手に入ります。
鉄分・カルシウム・ビタミン・カリウム・食物繊維などが豊富なので、免疫力も高めることができる上、腸のおそうじをしてくれて便秘に効果があり、貧血を予防してくれるといった効果もあるそうですよ。赤いビーツを食べた後は、トイレでびっくりしないように!
どうやって食べるの?
生のまま小さく切ってスムージーにしたり、皮付きで切らずに茹でたり(色が抜けないように)、または焼き芋のようにオーブンでローストしたり。ウディンビルにあるオーガニック農場・教育施設 21 Acres のシェフ、サリバン麻子さんは、「茎を切り落とし、十文字に切り込みを入れ、ホイルに包んで375F のオーブンでやわらかくなるまで約1時間グリルします」とのこと。
ウクライナ料理のボルシチや北欧料理のビーツの酢漬けなどが有名ですが、アメリカではローストしてサラダに使うことが多く、レストランでもこの時期の定番ですね。
Perks of living in the great PNW #165: Fresh flavors surrounding us. Take advantage!#Loulay #chefinthehat
@pds.911 pic.twitter.com/46TwXHojr0— Thierry Rautureau (@chefinthehat) June 27, 2016
Food Network などでもビーツのレシピがたくさん。ジュースやチップスなども販売されています。
ビーツの汁は食紅の材料になるほどなので、調理する時は、服や手、まな板などに染みつかないよう、Food Network では、「調理する場所をワックスペーパーかプラスチックラップ(サランラップ)でカバーすること。使い捨ての手袋をつけるか、半分に切ったレモンで手をこすること」を勧めています。
大きくなった葉は食べにくいですが、まだやわらかい若い葉は炒めてもおひたしにしても食べられます。若芽はマイクログリーンの一つとしても人気ですね。
新鮮なものを買ってきて調理する方が、水煮の缶詰よりも断然おいしい!ぜひこの機会にいろいろトライしてみてください。
掲載:2016年7月